どこで働くのが良いの?会計事務所・税理士事務所と税理士法人の違いについて解説

更新日:2022.05.11スタッフブログ

会計事務所・税理士事務所と税理士法人の違いについて解説

公認会計士・税理士は両方ともお金のスペシャリスト、というイメージがあります。法人を起ち上げる際や、個人事業主を法人化する際に税務や会計の相談できる場所でもあります。その一方で「会計事務所と税理士事務所、さらに税理士法人の違いが分からない」と悩んでいる方もいるでしょう。この記事では、会計事務所・税理士事務所・税理士法人の違いについて詳しく解説します

会計事務所と税理士事務所は同じ意味

会計事務所と税理士事務所は、実は同じものです。業務内容にもほとんど差はありません。なお、税理士法第40条2項において、「税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する」と定められているので、「税理士事務所」が正式名称、「会計事務所」は俗称となります。

俗称の「会計事務所」を名乗る場合、「税金に関する業務だけではなく、会計処理・決算書の作成、会計・経営のコンサルティング業務など、広く会計に関する業務も行なっていますよ」ということを示すためでもあります。また、税理士事務所の場合は税理士が所長をしていることが多いですが、会計事務所の場合は税理士と公認会計士が所属しているため、公認会計士が所長を務めていることもあります

公認会計士と税理士の違い

公認会計士と税理士の違い

では公認会計士と税理士には、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの資格の特徴や依頼できることなどを紹介します

公認会計士とは

公認会計士とは「会計監査のスペシャリスト」です。医師・弁護士と並ぶ三大士業と呼ばれることもあります。監査とは、独立した立場から監査意見を表明し、財務情報の信頼性を認めることです。監査意見を参考に、第三者は株式会社に投資をしたり有志をしたりします。

監査業務には、法定監査と法定監査以外の監査の2種類があり、必要に応じて行なわれます。また、公認会計士は税理士登録をすることにより、税務業務を行なうことも可能です。このほか、専門知識を活かして会計のコンサルティング業務を請け負うこともあります。

税理士とは

税理士とは「税金のスペシャリスト」です。法人や個人の求めに応じて、申告業務・記帳代行のほか、経営のアドバイスを行います。身近な税の仕事といえば確定申告が挙げられますが、税理士は法人や個人事業主に変わって確定申告を行なうのも仕事の1つです。経営のアドバイスは公認会計士も行っていますが、税理士の場合は決算書を元にアドバイスをしたり、融資を受けやすくするためのサポートがメインです。

公認会計士と税理士の専門分野の違い

公認会計士と税理士は、できる仕事の内容も似ていることが分かりました。しかし、公認会計士と税理士は専門分野が少し異なります。ここでは、公認会計士と税理士の専門分野にはどのような違いがあるかを解説します

公認会計士の専門分野

公認会計士の専門分野は、前述したように「監査」です。株式を上場している大規模な法人は、合法的に経営をしているかどうかを第三者に監査をしてもらい、それを公表する義務があります。この監査ができるのは。公認会計士のみです。そのため、公認会計士の顧客のほとんどが大企業であり、中小企業や個人事業主と仕事の上で係わることはほとんどありません。

税理士の専門分野

税理士は税金の計算や税に関する指導、税に関する書類の作成の代行などの「税務」が専門分野です。税金を正確に計算するためには、企業の売り上げや債務など経営状態を把握する必要があります。顧問税理士ともなれば、企業の経営状態をすべて把握しており、税務の面から経営のアドバイスをすることもあります。

税務に関しては、大規模な法人だけでなく中小企業や個人事業主にも関係があります。そのため、中小企業や個人事業主を主な取引相手とする税理士も珍しくありません。公認会計士より身近な存在といえるでしょう。

会計士事務所と税理士事務所の違い

公認会計士は税理士登録をすれば、税務業務を行なうことが可能です。前述したように、会計事務所とは公認会計士が所属している事務所を指します。税理士事務所は税理士しか所属していません。税理士は、公認会計士の専門分野である「監査」業務は行なえません。そのため会計士事務所は「監査業務」と「税務」の両方を行える事務所、税理士事務所は税務のみを行える事務所となります。

税理士事務所と税理士法人の違い

税理士事務所と税理士法人の違い

税理士事務所と税理士法人の違いは、個人事業主か法人かの違いです。つまり、税理士法人のほうが規模は大きくなります。税理士事務所は税理士資格を持つ職員が1人でも開業できますが、税理士法人の場合は、2人以上の税理士が在籍している必要があります。税理士法人は、2001年の税理士法改正で初めて作られました。そのため、まだ新しい組織であり、現在は税理士事務所が多数です。

税理士事務所・会計士事務所で働くメリット・デメリット

では、税理士事務所や会計事務所で働くメリットにはどのようなものがあるでしょうか?以下で詳しく解説します。

メリット

税理士事務所や会計事務所は、税務や監査に関するさまざまな業務を行なっています。税理士事務所や会計事務所は、税理士、会計士がそれぞれ1人居れば開業が可能です。そのため、無資格でも税務や監査などさまざまな業務に携わることができます。将来的に独立を目指す場合は、仕事をしながら勉強することもできるでしょう。

デメリット

前述の通り、税理士事務所は税理士のみが所属しているため、会計士が行える監査に関わる仕事は発生しません。そのため公認会計士を働きながら目指したい場合は、会計事務所に就職するほうがおすすめです。

税理士法人で働くメリット・デメリット

では、税理士が2人以上所属している税理士法人で働くメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?以下で詳しく解説します。

メリット

税理士法人の場合、事務所の仕事が細分化されており、それぞれに行なう仕事が決まっていることが多いです。そのため、仕事が覚えやすく働きやすいのがメリットです。例えば、業務の内容が事務のみ、クライアントからの相談のみというように担当者が分けられている傾向があります。将来独立を考えておらず、税理士や会計士の資格を取る予定もないので、あまりたくさんの業務には関わらず、負担なく業務をこなしたい、という場合に適しています。

デメリット

一方で担当する業務が限られていることは、デメリットとも言えます。例えば、税理士になりたくて勉強しながら働いている場合、仕事が限られていると学べることも限られてしまいます。税理士や会計士を目指していても、全く税務や監査に関係ない仕事をずっと行なう可能性もあります。将来独立開業を目指しているという場合は、得るものが少ないかもしれません。また、働く人が多すぎると人間関係が希薄となり、自分に合わないと感じることもあるでしょう。

会計事務所や税理士事務所、税理士法人で働くなら

税理士事務所と会計事務所に仕事の違いはほとんどありません。ただし、会計士を目指しながら働く場合は、監査のことを学べる会計事務所のほうがおすすめです。税理士法人の場合は規模が大きく知名度がある分、仕事が細分化されており希望する仕事につけないこともあるためです。税理士事務所や会計事務所で働く場合は、事務所のことをよく調べ、可能ならば見学なども行い、自分に合った事務所を見つけることが大切です。

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