日本とこんなに違う?アメリカ弁護士の実態

2018.05.15スタッフブログ
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訴訟社会アメリカの弁護士について

訴訟社会といわれるアメリカには、たくさんの弁護士が存在します。その数は80万人以上で、日本(1万6千人)と比較にならないほどの規模です。働き方や生き方、国民が抱くイメージなど、あらゆる面で日本と違いがみられる点も興味を引かれます。今回は、そんなアメリカの弁護士事情をお伝えします。

弁護士が活躍するアメリカ

アメリカの弁護士業務は幅広い!

法律の専門家である弁護士といえば、日米問わず「法廷に立って検事相手に激しく論争を展開する」というイメージがあるでしょう。しかし、アメリカの弁護士の特徴として、日本より幅広い業務を任されている点が挙げられます。

日本には、税理士司法書士行政書士などの国家資格があり、中には独占業務を持って活動する専門家もいます。アメリカではそれらの資格制度がなく、類いの業務はすべて弁護士業務に含まれるのが一般的です。司法書士が受ける相続・登記に関する相談や、税理士の税務処理代行も、アメリカでは弁護士が引き受けることになります。

アメリカ弁護士の仕事は法律関係だけではありません。マーケティング会社が行う市場調査や、「探偵?」と思ってしまう様な密偵調査まで請け負うことも。さらには、議員に対するロビー運動、新しい法案の作成、それにともなう調査もアメリカの弁護士なら引き受けておかしくありません。「裁判関係の仕事は全体のうち1割程度」といわれるほど、アメリカの弁護士業務は多岐におよび、内容もユニークでバラエティに富んでいます

アメリカも同様、弁護士は就職難…

日本でも弁護士は人気の職業であり、職業人口も年々増加傾向にあります。それだけ競争も激しく、司法試験に合格しても「なかなか法律事務所に就職できない」という嘆きの声がよく聞かれます。

弁護士の就職難はアメリカも同様です。むしろ、日本より厳しいかもしれません。ご存じのとおり、アメリカは訴訟社会ですが、弁護士人口は常に過密状態。毎年3万~4万人の新しい弁護士が誕生しているといわれます。仕事があふれていると同時に、人材も飽和する状況なのです。

また、アメリカの司法試験は合格率が日本より高めで、競争率も高くなりやすい環境です。そのため、資格保有者は法律事務所に就職できるまでまったく関係のない仕事をして食いつなぐ例も多いのだそうです。前段でご説明した、「アメリカの弁護士業務は幅広い」のは、その様な仕方ない事情と無関係ではないかもしれません。

裁判関係の仕事

アメリカの弁護士会は任意加入

日本でも弁護士の就職難が叫ばれていますが、その要因のひとつに、「弁護士会登録に要する費用」があります。日本で弁護士活動する場合は、日弁連などの弁護士会に登録しなければならず、年間50万円以上の会費を納める必要があります。ただでさえロースクールに通って高額な学費を払ってきたのに、今度は高額な会費が待っているのです。それを理由に弁護士登録をあきらめ、検事や裁判官への道にシフトする法律家も少なくありません。

アメリカにも同様の組織はありますが、加入は任意です。加入したとしても、年間1万~2万円程度で済むといわれます。入会金や会費は州によって異なりますが、いずれにしても日本の様に高額となることはありません。

アメリカでは司法試験に合格すれば比較的簡単に弁護士活動ができますし、それゆえに弁護士人口の過密化を招いています。日米ともに弁護士の就職が厳しい事情は変わりないものの、原因を生み出すメカニズムは異なる様です。

アメリカの弁護士は悪役?

日本の中での弁護士といえば、「法律を武器に戦うプロフェッショナル」「巨悪と戦う正義の味方」のようなイメージがあります。しかし、アメリカの場合は決してヒーロー扱いされるわけでなく、どちらかというとダーティなイメージが付いて回るようです。それは、弱者の悩みに介入して高額な報酬を受け取っている生き方に由来するのでしょう。

アメリカ弁護士の報酬システムは、作業時間に応じて決まるタイムチャージと、成功した時のみ支払う完全報酬制(コンティンジェンシー・フィー)のふたつに分けられます。後者の場合、着手金なしでも利用できることから、依頼者側にもメリットがあります。問題は前者のほうで、新人弁護士でも1時間あたり100ドル(1ドル120円で12,000円)の費用がかかり、作業に要した時間が増えるほど費用は高額となります。

弁護士に支払うのは時間給だけでなく、調査の経費や人件費なども上乗せされます。さらに、食事代や交通費、打ち合わせで使った会議室費用などの請求も当たり前で、水増し請求されるケースも珍しくないとのこと。料金を抜け目なく徴収する印象が強いことから、アメリカでは「理想社会すなわち弁護士のいない社会」というジョークもあるほどです。

その一方で、弱肉強食のアメリカ社会を勝ち抜いた弁護士は、「アメリカンドリームの象徴的存在」ともいえます。政財界に与える影響も大きく、彼らの知恵と人脈を頼りにする有力者も少なくありません。オバマ氏やクリントン氏など、弁護士出身の大統領も輩出しています。どんなに悪いイメージがあっても、アメリカで弁護士という存在は特別なポジションなのです。

弁護士出身のアメリカ大統領

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