法人と個人事務所の違い

更新日:2023.04.20スタッフブログ

法人と個人事務所

会社の設立方法は、大まかに個人事業主と法人の2種類があります。それぞれメリットとデメリットがあり、どちらが大きな利益を得られるか簡単には決められません。独立開業したいと思っていても、会社の設立方法に迷っている人は少なくないでしょう。そこで今回は、どちらの方式を選ぶか判断する時の参考材料として、それぞれのメリットとデメリットおよび税金面の違いをご説明します

法人と個人事務所の手続きや税金面での違い

個人事業主のメリットとデメリット

個人事業主のメリットは、開業までに必要となる手続きが法人より簡単という点です。所得の申告方法によっては節税につながる優遇措置も少なくありませんが、社会保険や信用面では法人に劣ります

開業手続きと節税のメリット

個人事業を開始する場合、基本的には開業届を提出すれば手続き完了です。開業届とは個人的に開業した旨を税務署に申告する書類であり、正式には「個人事業の開廃業届出書」と呼ばれています。

個人事業主は給与を源泉徴収されないため確定申告が必要になりますが、申告方法は「青色申告」を選んでおくと節税対策に有効です。開業届と一緒に「青色申告承認申請書」も提出すると、複式簿記で記帳している場合に65万円の所得控除が認められます。

社会保険や信用面のデメリット

個人事業でも、従業員を採用すれば雇用人数に関係なく必ず社会保険に加入しなければなりません。保険料は決して安くはなく、しっかり資金繰りを考える必要があります。自分が事業主として加入手続きすることになるため、負担は小さくありません。

仕事に対する信用面でも、苦労する可能性があります。法人としか取引しない方針の会社もあり、取引先が見つかるまでに多くの時間を要するでしょう。とくに開業しばかりで実績を示せないうちは、契約交渉が難航するかもしれません。

個人事業はいつでも手軽にはじめられるメリットがあり、税金面でも優遇してもらえます。ただしデメリットもともなうので、運営資金はきちんと確保しておいたほうが安心です。

選ばれた個人事業

法人のメリットとデメリット

法人は、個人事業主に比べて税金面と信用面のメリットが大きくなります。一方、会社を設立するまでには多くの手続きが必要です。

法人ならではのメリット

個人事業と比べた場合、税金面では法人のほうが優遇されています。まだ十分な収益を見込めない開業時に個人事業主は赤字を3年まで繰り越せますが、法人であれば9年です。経費として認められる項目も多く、経営者の給与や各種の保険料が含まれます。

法人は信用も得られやすく、大企業と取引できる可能性は個人事業主より高いといわれています。この強みを活かして大きな契約を成立できれば、いち早く会社経営を軌道に乗せられるでしょう。

法人が避けられないデメリット

法人として会社を立ち上げる場合、設立手続きは個人事業主ほど簡単ではありません。定款の作成や登記は避けられず、そのうち定款は公証人役場に出向いて認証してもらう必要があります。登記も、申請手続きが済むまでには一定の時間が取られます。

これらの手続きは、各種の費用も支払わなければなりません。定款は「収入印紙代」「認証手数料」「謄本手数料」の3種類、登記申請も「登録免許税」がかかります。個人事業の開業届は無料ですが、法人はこれらを納めるための資金が初期費用として不可欠です。

法人は必要経費として計上できる範囲が広いので、節税を考えた場合にさまざまな恩恵を受けられます。複雑な手続きを一通り済ませたうえで開業しているため、社会的信用も小さくありません。ただし一連の手続きは費用も時間も必要となり、面倒に感じる方もいます。

選ばれた法人

税務の申告など手続きの違いについて

個人事業主と法人のいずれも各種の税金を課されますが、その種類や申告の手続きには違いがみられます。

個人事業主に課される税金と納税方法

個人事業主として開業した場合、そこに課される税金は、「所得税」「住民税」「消費税」「個人事業税」の4種類です。
源泉徴収のシステムが適用されないため、納税方法は事業主自身による確定申告になります。

所得税は、収入総額から必要経費や控除金額を差し引いた年間所得の部分が対象です。住民税は、会社が所在する地域に納めます。消費税は、商品を販売して受け取った金額から仕入れなどで支払った金額を引きます。個人事業税は、個人事業者に課される地方税です。

法人に課される税金と納税方法

法人は、少なくとも「法人税」「法人住民税」「法人事業税」「地方法人特別税」「消費税」「固定資産税」の6種類を課されます。
こちらは、毎月の源泉徴収と年末調整によって処理する方式が一般的です。

法人税は法人としての所得が課税対象であり、法人住民税は会社を登記した地域に納めます。法人事業税は事業展開している行為に対する税金であり、地方法人特別税は各地方の地域格差を是正するために生まれました。固定資産税は、会社所有の固定資産に課されます。

法人は個人事業主より税金の種類は多くなりますが、実際に納める税額は事業規模によって変化します。個人事業主より法人のほうが少なくなるケースも、皆無ではありません。どちらのスタイルで開業するか迷った時は、予想される収益や課税率に目を向けてみても無駄にはならないでしょう。

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