話し言葉と書き言葉の違いとは?ビジネスマナーの言い換え一覧

更新日:2025.09.19ビジネス豆知識

話し言葉と書き言葉の違いとは?ビジネスマナーの言い換え一覧

ビジネスの現場では、普段の会話で使う話し言葉と、文書やメールで用いる書き言葉をきちんと使い分けることが求められます。会議中の発言なら自然に聞こえる表現も、そのままメールや報告書に書いてしまうと「軽い」「失礼」と受け取られることも少なくありません。とくに新入社員や久しぶりにビジネス文書を書く方にとっては、「敬語が不自然になっていないか」「カジュアルすぎないか」と不安に感じる場面も多いでしょう。本記事では、話し言葉と書き言葉の違いを整理し、具体的な言い換え例を紹介します。自然で読みやすく、かつ信頼される文章を書けるようになるための第一歩を一緒に確認していきましょう。

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「話し言葉」と「書き言葉」の違いとは?

「話し言葉」と「書き言葉」の違いとは?

話し言葉と書き言葉の違いは、主に「使われる場面」と「表現の仕方」にあります。話し言葉は、会話など口頭で使われる自然な表現です。省略やあいづち、感情を表す言葉(「えっと」「やっぱり」「すごい」など)が多く使われます。聞き手の表情や声のトーンなど、非言語要素に支えられているため、多少曖昧でもやり取りが成立します。一方、書き言葉は、文書やメールなど文字で伝えることを前提とした表現です。

相手の表情や声色に頼れないため、論理性や客観性が求められます。語尾や言葉の選び方もフォーマルで、敬語や正しい文法に基づいて整理された表現が基本となります。つまり、話し言葉は「伝わりやすさ」「自然さ」を重視し、書き言葉は「正確さ」「丁寧さ」を重視するという点が大きな違いです。

話し言葉と書き言葉の一覧表

日常の会話で自然に使っている言葉も、ビジネス文書やメールではそのまま使うと「砕けすぎている」「軽い印象を与える」と受け止められてしまうことがあります。とくに新入社員や若手ビジネスパーソンにとっては、普段の言い回しをそのまま文章にしてしまいがちなため注意が必要です。ここでは、代表的な話し言葉と書き言葉を一覧表にまとめました。敬語や接続詞、形容表現など、なるべく多くの具体例を取り上げていますので、日常会話とビジネス文書の違いを意識しながら確認してみましょう。

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基本的な挨拶・謝罪・感謝

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
すみません 恐れ入ります / 申し訳ございません
ごめんなさい 失礼いたしました / お詫び申し上げます
どうもありがとうございます 誠にありがとうございます / 厚く御礼を申し上げます
ありがとうございます ありがとうございます(「誠に」を添えるとより丁寧)

返答・承諾・理解

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
了解しました 承知いたしました / かしこまりました
わかりました 承知いたしました / 承りました
無理です 申し訳ございませんが、それはいたしかねます

依頼・要求・許可

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
〜してください 〜していただけますでしょうか / ご対応をお願い申し上げます
〜してくれますか? 〜していただけますでしょうか
〜してもいいですか? 〜してもよろしいでしょうか / 差し支えなければ〜
〜してほしいです 〜していただけますと幸いです / お願い申し上げます

自分の行動・意志

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
〜しますね 〜いたします / 〜させていただきます
〜しないといけない 〜する必要がございます / 〜せねばなりません
〜しなきゃ 〜しなければなりません

意見・推測・判断

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
〜と思います 〜と存じます
〜だと思う 〜と存じます / 〜と考えております
〜みたいです 〜のようです / 〜と推察いたします
たぶん〜 おそらく〜 / おそらく〜と存じます
すごいですね 素晴らしいと存じます / 大変結構でございます
どっちでもいい いずれでも差し支えございません

理由・条件・接続

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
〜なので 〜のため / 〜につき
〜だから 〜ゆえに / 〜のため / したがって
〜ですけど 〜ですが / 〜につきましては
でも しかし / しかしながら / ただし
けど ですが / しかしながら
もし〜だったら 万一〜の場合には / 仮に〜であれば

程度・強調・頻度

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
とても 非常に / 大変 / 誠に
すごく 非常に / 大変
めっちゃ / かなり 非常に / 大変 / 相当
ちょっと 少々 / 若干
いっぱい 多く / 多数 / 数多く
すぐに / 今すぐ 早急に / 至急 / 直ちに / 速やかに

時間・順序・その他

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
とりあえず まずは / ひとまず
まあ ひとまず / とりあえず
やっぱり 結局 / やはり

疑問・質問

話し言葉 書き言葉(ビジネス文書向け)
〜ですが? 〜でしょうか / 〜でよろしいでしょうか
なんで? なぜでしょうか / いかなる理由でしょうか
誰にいえばいい? どなたにご相談すればよろしいでしょうか

>>話し言葉・書き言葉(ビジネス文書向け)一覧表のダウンロードはこちら(PDF)

シーン別・話し言葉と聞き言葉の使い分けの実例とポイント

シーン別・話し言葉と聞き言葉の使い分けの実例とポイント

ビジネスシーンでは、同じ内容を伝える場合でも、話し言葉と書き言葉を適切に使い分けることが求められます。ここでは、メールや報告書、依頼文など、日常的によく出てくる場面ごとに実例を紹介します。

メールで依頼するとき

依頼のメールでは、話し言葉のまま書くとカジュアルすぎて失礼に見える場合があります。とくに「~してください」「~してくれますか?」は直接的な印象を与えるため、丁寧な言い回しに変えることが大切です。

【例】
話し言葉:「明日までに資料を送ってください」
書き言葉:「恐れ入りますが、明日までに資料をご送付いただけますでしょうか」

依頼の場面では、「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」などのクッション言葉を加えると、相手に配慮した柔らかい表現になります。

報告や連絡をするとき

上司や取引先への報告は、主観的な言い回しではなく、客観的で簡潔な表現が求められます。「~だと思います」や「あんまり~じゃないです」は避け、根拠を示した表現に言い換えましょう。

【例】
話し言葉:「たぶん来週には終わると思います」
書き言葉:「来週中には完了する見込みでございます」

このように、「見込み」「予定」「可能性」といった言葉を用いると、報告文としての信頼性が高まります。

お詫びや謝罪をするとき

謝罪の場面では、話し言葉の「すみません」や「ごめんなさい」では軽すぎる印象になります。書き言葉では「申し訳ございません」「深くお詫び申し上げます」といった表現を使うのが基本です。

【例】
話し言葉:「すみません、手違いがありました」
書き言葉:「このたびは弊社の手違いによりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」

謝罪文は、事実の説明+再発防止策の提示まで添えることで、より誠意が伝わります。

提案やお願いをするとき

会話では「~した方がいいんじゃないですか?」と軽く提案することが多いですが、文書では控えめで丁寧な表現が望まれます。

【例】
話し言葉:「この方法の方がいいと思います」
書き言葉:「こちらの方法をご検討いただけますと幸いです」

「ご検討ください」よりも「幸いです」と添えることで、強制感を与えず柔らかいニュアンスになります。

おすすめツールと上達法

おすすめツールと上達法

話し言葉と書き言葉の違いを理解しても、実際に使い分けるのは簡単ではありません。そんなときに役立つのが、文章を整えてくれるアプリやサービスです。ここではおすすめのツールと、日常的に取り入れられる上達法をご紹介します。

話し言葉を書き言葉に直すツールおすすめ3選

PRUV(プルーブ)

PRUVはオンラインで利用できる文章校正ツールです。誤字脱字や二重敬語などを自動でチェックし、修正理由もわかりやすく提示してくれます。無料プランでも最大2万字まで利用できるため、コストを抑えて本格的な文章チェックを行いたい方におすすめです。

Enno(エンノ)

Ennoは、長文の文書や論文を校正したい方に便利な無料Webツールです。ユーザー登録なしで利用でき、誤字脱字や誤変換、全角記号の誤用などを自動でチェックしてくれます。ハイライト箇所にカーソルを合わせれば、校正理由も確認できるので効率的に修正を進められます。

Shodo(ショドー)

Shodoは、Googleアカウントがあればすぐに利用できる文章校正Webツールです。誤字脱字や変換ミスはもちろん、敬語の誤用や表記ゆれまでAIが自動でチェック。Gmailとの連携機能も備えており、日常的なメールからビジネス文書まで幅広くサポートしてくれるのが魅力です。

おすすめの上達法

定型文テンプレートを作成する

よく使う依頼文・お礼文などはテンプレートを作っておくと、自然と正しい書き言葉が身につきます。

先輩の文書を参考にする

社内で評価の高いメールや報告書を参考にすることで、実務に即した書き言葉の感覚が得られます。

フィードバックを収集する

書いた文章を先輩や上司に確認してもらい、改善点を教えてもらうのが一番の近道です。自分では気づかない「会話っぽさ」も指摘してもらえます。

ビジネスにおいては、話し言葉と書き言葉を状況に応じて適切に使い分けることが信頼を得る第一歩です。普段の話し方をそのまま文書にしてしまうと、意図せず違和感や失礼な印象を与えてしまうこともあります。正しい言葉遣いを意識することで、相手に安心感を与え、より円滑なコミュニケーションが可能になるでしょう

さらに、正しい言葉遣いは文書だけでなく電話応対においても欠かせません。もし電話での敬語や表現に不安がある場合や、正確で丁寧な対応を求められる場面では、プロによる電話代行サービスの利用も効果的です。弊社・電話代行サービス株式会社では、専門のオペレーターが貴社の信頼を高める応対を行い、安心して本業に集中できる環境をご提供しています。

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