オフィス解約手続きの流れや費用の内訳

更新日:2023.02.22ビジネス豆知識

引っ越し費用計算

いまのオフィスを解約し引っ越しする際には、多くの手続きが必要になります。計画的に作業を進めないと、引っ越しだけでなく通常業務にも支障が出るかもしれません。必要な手続きの流れや費用を把握しておけば、時間に余裕をもって準備できるでしょう。そこで今回は、オフィス解約時や新規物件への引っ越しに伴う各種の手続きや費用の内訳、それぞれの作業を進めるうえでの注意点などをご紹介します

オフィス解約時の手続きの流れ

オフィスを解約する際の手続きは、おおよそ解約予告、原状回復、荷物搬出の流れです。

解約予告

オフィスの解約には、事前に解約予告する必要があります。オフィス解約の旨を伝える場合、書面による通知が原則です。物件の貸主もしくは管理会社から解約通知書を取り寄せ、必要事項を記入のうえ郵便あるいはFAXで送ります。解約予告の期間は統一されていませんが、普通借家契約であれば6カ月前、3カ月前、2~3カ月前の連絡が一般的です。物件ごとの詳細は、契約書などで確認できます。

原状回復

オフィスに入居する時点で内装工事を施している場合、契約上、多くの物件では退去する前に原状回復が必要です。原状回復する時には電話やパソコンの配線をはじめ室内に取りつけた設備はすべて回収し、壁や床の内装を元に戻します。業者を呼んで工事する際には、指定業者の有無を確認しましょう。居抜きが認められている場合、一通りの設備を残したままでも退去できます。

荷物の梱包・搬出

解約予告や原状回復を済ませたら、荷物をまとめて搬出します。しばらくオフィスに入居していれば、普通は徐々に荷物が増えていきます。たくさんの荷物を一度に整理するとなると、大変な作業です。荷物が多い時には、早めにまとめ始めたほうがよいでしょう。一通りの手続きは解約日までに終える必要があり、いずれの作業も計画的に進めることが望まれます。

オフィスの解約に伴う費用

オフィスの解約に伴う主な費用は、原状回復工事費です。契約期間が満了していなければ、解約違約金も発生します。

原状回復工事費

オフィスを原状に戻すため修復工事が必要であれば、基本的に工事費がかかります。解約予告を通知したら、その時点で工事を請け負う業者が決まっているかどうか確認は欠かせません。とくに指定業者がない場合、自分たちで探すことになります。民法の規定によると、原状回復工事の施工期間は特約がなければ「明け渡しの期日まで」です。工事業者が決まったところでスケジュール調整し、通常は移転の2カ月前までに発注を済ませます。原状回復の範囲が確定した後、業者に見積もりを出してもらい予算を準備します。

解約違約金

物件の契約期間が満了するまでにオフィスを解約する場合、解約違約金を用意しなければなりません。職場では、さまざまな事情からオフィスを移転します。いつでも、契約満了の時期に合わせ物件を解約できるわけではありません。満了時以外であれば、解約違約金の支払いを求められます。

解約違約金の相場といわれる金額は、賃料の3カ月分です。最近は、最低契約期間を設定しているケースも増えています。短期間でオフィスを移転する際には、最低契約期間の確認も重要といえます。なお居抜きが認められている物件なら、一通りの設備を残したまま退去すると原状回復工事費は基本的に発生しません。

引っ越し手続きの流れ

新しい移転先への引っ越し手続きは、大まかに物件探し、入居契約、各種届出の流れです。

物件探し

オフィスを引っ越す場合、まずは移転先での物件探しです。最初に、なぜオフィスを移すのか目的を明確にします。立地条件を改善したいのか、あるいは広い作業スペースを確保したいのか移転の理由がはっきりしたら、ニーズに見合った物件の情報を集めます。ある程度まで移転先の候補地を絞り込んだ後は、現地に足を運び内見です。実際に建物を見たうえで、条件を満たせるかチェックします。

入居契約

内見を済ませ、希望の物件が見つかったところで入居契約です。ネット上の情報サイトや仲介業者から得られる物件情報は、一部に限られています。契約時には、賃料を含めた利用条件を改めて詳しく確認しておきましょう。賃貸事務所の契約では会社謄本や印鑑証明書が必要になるため、時間に余裕をもって用意しておくと安心です。契約が成立したら、内装工事のプラン設計や引っ越し業者の選定も進めます。

各種届出

オフィスを移転した場合、関係各所への各種届出が不可欠です。主な申請先だけでも、郵便局、銀行、法務局、税務署、年金事務所、労働基準監督署、公共職業安定所、都道府県税事務所があります。スムーズに手続きするには、事前に準備しておくことが望まれます。引っ越し後の通常業務を妨げないため、入居の2週間~1カ月前くらいには取引先への連絡も怠れません。

引っ越しに伴う費用

新規物件への引っ越しに伴う費用は、敷金(保証金)、引っ越し費用や入居工事費です。

敷金(保証金)

敷金(保証金)は、新しい物件を契約する時に支払いを求められます。本来、敷金は入居物件の修繕に使われる費用です。同時に賃貸物件では家賃の滞納があった場合の担保にもなるため、事前に預けるケースが多く見られます。金額の平均相場は、家賃6カ月~12カ月分です。あらかじめ用意しておけば、契約時に慌てなくて済みます。

引っ越し費用

引っ越し費用には、引っ越し業者の作業代だけでなく梱包材の費用や廃棄品の処分費も含まれます。オフィスの引っ越しでは、パソコンやコピー機をはじめ多くの精密機器を持ち運ぶケースが一般的です。移動中の破損を防ぐためには、十分な養生作業が欠かせません。廃棄品は引っ越し業者が引き取ってくれる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

入居工事費

移転先の物件で内装を大幅に変える場合、入居工事費が発生すると考えられます。新しいオフィスを少しでも快適な環境にするため、職場によっては入居に伴い間仕切りなどのレイアウトを変更しています。標準的な仕様であれば、料金相場は1坪あたり4万円ほどです。とくに内装を変えなければ費用は発生しませんが、壁紙や床を一新するとモチベーションアップにつながるといわれています。

オフィス移転時に確認したい注意点

オフィスを移転する時、とくに確認したい重要な注意点は解約後の郵便物と引っ越しのスケジュールです。

解約後の郵便物

いまのオフィスを解約した後には、郵便物を新しい移転先に届けてもらうための手続きを忘れてはいけません。新しいオフィスに移ってからも以前の通り郵便物を受け取るには、郵便局への転居届の提出が必要です。手続きを怠っていると、郵便物は転送されず旧オフィスに届けられる場合があります。重要書類が郵送されないと、いろいろと業務に差し支えるリスクも生じます。トラブルを避ける意味では、引っ越し作業で慌ただしくても早めに手続きを済ませたほうが無難です。

引っ越しのスケジュール

通常業務で忙しいなかオフィスの引っ越しをスムーズに進めるなら、スケジュール調整は大切です。オフィスの移転に伴う手続きは、解約予告、入居中の物件の原状回復工事、物件探し、引っ越し業者の選定、荷物の搬出・搬入、新規物件の入居工事など多岐にわたります。さまざまな作業を同時並行で効率的に進めないと時間に余裕がなくなる場合も多いため、あらかじめ計画性をもってスケジュールを立てておくことが望ましいと考えられます。

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