ウェルビーイングとSDGsの関係性や取組方法
更新日:2023.12.20ビジネス豆知識ウェルビーイング(well-being)とは、心や体、社会全体が良好な状態であることを指す言葉です。新しい時代を生きるビジネスパーソンは、ウェルビーイングの価値観について把握し、できる限りの取り組みを実践していくことが求められるでしょう。また、ウェルビーイングはSDGsとも関連のある言葉です。今回は、ウェルビーイングやSDGsの意味、両者の関係性、企業がウェルビーイングを導入する際のポイントをご紹介していきます。
目次
ウェルビーイングとは
「ウェルビーイング」という言葉が初めて大々的に用いられたとされるのは、1946年に設立されたWHO(世界保健機関)の憲章前文です。まずは、ウェルビーイングの意味や、注目されるようになった理由について確かめていきましょう。
ウェルビーイングの意味
ウェルビーイング(well-being)を直訳すると、幸福や福祉、健康といった意味になります。心身だけではなく、社会的にも満たされた状態を指す時に使われるケースが多く見られます。ただし、幸福の指標は人によって異なるため、ひとくちに「ウェルビーイング」といっても想像する状態が異なる場合がある点に留意しましょう。
ウェルビーイングが注目されるようになった背景
ウェルビーイングという概念が人々の関心を集めるようになったのは、社会のさまざまな要因が影響しているとされます。例えば、世の中の幸福に対する価値観の変化です。以前と比較して、物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさを追求することがスタンダードになったと感じている方も多いのではないでしょうか。
心の豊かさは個人のみで満たされるものではなく、社会全体で幸福を追求することが大切とされます。こういった意識の変化は、ウェルビーイングの考え方を広めるひとつの理由になったといえるでしょう。また、「働き方改革」や「健康経営」など、労働環境改善の取り組みが行われるようになったことも、ウェルビーイングが重視されることにつながっているといえます。
加えて、最近の新型コロナウイルス感染拡大は、ビジネスパーソンが自身を見つめなおすきっかけとなりました。労働に従事する人々が健康や幸福などを重視するようになることで、ウェルビーイングがさらに浸透していくかもしれません。
SDGsとは
ウェルビーイングとも深いかかわりのあるSDGs(エス・ディー・ジーズ)は、2015年の国連サミットにて採択された目標です。2016年から2030年までの間に達成することが目指されています。こちらでは、SDGsの持つ意味や17の目標についてご紹介します。
SDGsの意味
SDGsはSustainable Development Goalsの略称です。「持続可能な開発目標」を意味します。17のゴールと169のターゲットが設定されており、世界全体で目標達成に向けて動く意識が求められています。
SDGsの17の目標
SDGsには、以下の目標が掲げられています。一つひとつの目標を達成するために、個人や組織でできることを考えて実践していくことが大切です。
- 1.貧困をなくそう
- 2.飢餓をゼロに
- 3.すべての人に健康と福祉を
- 4.質の高い教育をみんなに
- 5.ジェンダー平等を実現しよう
- 6.安全な水とトイレを世界中に
- 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 8.働きがいも経済成長も
- 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
- 10.人や国の不平等をなくそう
- 11.住み続けられるまちづくりを
- 12.つくる責任 つかう責任
- 13.気候変動に具体的な対策を
- 14.海の豊かさを守ろう
- 15.陸の豊かさも守ろう
- 16.平和と公正をすべての人に
- 17.パートナーシップで目標を達成しよう
現在は、多くの企業がSDGsの達成に向けて、さまざまな取り組みを実施しています。毎年、国別のSDGs達成度ランキングも発表されているため、ぜひ調べてみると良いでしょう。
【出典】外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」
ウェルビーイングとSDGsの関係性とは
ウェルビーイングは「ポストSDGs」と呼ばれることがあります。新しい時代における価値観の中心には、ウェルビーイングが当てはまるのではないかと考えられています。また、SDGsの3つめの目標である「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)」にも「Well-Being」の言葉が含まれています。SDGsもウェルビーイングも、どちらも個人だけの幸福ではなく、世界全体のことを考えているのは同じです。SDGsの目標を実現できれば、その先にウェルビーイングな状態があるともいえるでしょう。
企業がウェルビーイングを取り入れるメリット
職場環境をより良好なものにしたい時は、ウェルビーイングの考え方を取り入れることがおすすめです。例えば、ウェルビーイングを意識した企業は社員の健康を大切にするため、心身ともにケアできる仕組みを整えます。従業員それぞれが健康的に働けるようになると、生産性向上やエンゲージメント向上などにつなげられます。
ストレスの少ない職場環境を実現できれば、人材の確保や離職率の低下にも役立つでしょう。また、ウェルビーイングな職場環境を実現するための取り組みは、外部からの評価を高めることにもつながります。結果として、優秀な人材を集めやすくなるといえるでしょう。
企業がウェルビーイングに取り組むには
上記の通り、会社組織がウェルビーイングを推進すると、さまざまなメリットがあると考えられます。充実して働ける組織をつくるため、ぜひウェルビーイングを導入していきましょう。最後に、企業がウェルビーイングに取り組む方法や導入の流れをご紹介します。
企業がウェルビーイングに取り組む方法
ウェルビーイングな組織を実現するには、従業員それぞれの心身の健康が欠かせません。例えば、健康的な体を維持するため、定期健康診断後の二次検診や特定保健指導などを必ず受けられるようにすると良いでしょう。ストレスをためずに業務にあたれるよう、残業をできるだけ防ぐ取り組みも効果的です。体調や気持ちに負担を感じた場合、すぐに相談できる窓口を開設しておくのもおすすめです。
心理的安全性を高めるため、コミュニケーション活性化の取り組みを行うのも良いでしょう。心理的安全性が高い職場では、誰もが安心して発言できます。結果として、生産性向上や離職率低下につなげられることが魅力です。社員同士が気軽に話し合える場を設けるのはもちろん、他人の意見を否定したり、責めたりするのを避ける雰囲気を作り上げていくことが大切です。
企業におけるウェルビーイング導入の流れ
企業においてウェルビーイングを取り入れるためには、いくつかの手順を踏んで進めることがおすすめです。まずは、プロジェクトチームを立ち上げて、主導するメンバーを決めましょう。幅広い部署から人員を集めることで、多角的な視点からのアイデアを集めやすくなります。
メンバーが決まったら、自社におけるウェルビーイングの定義を決めていきましょう。テーマが確定したら、そのためにどういった仕組みを整えたら良いのかが見えてきます。具体的な施策を考えて実践していきましょう。
また、導入後も定期的に効果の見直しを図ることが大切です。ウェルビーイングの定義は厳密に決まっているわけではなく、時代の流れとともに変容する可能性があります。変化を柔軟にとらえ、組織の仕組みづくりに取り組んでいくことが重要です。
まとめ
ウェルビーイングは、SDGsとの関係が深い考え方のひとつです。企業においてもウェルビーイングを促進していくことで、より良い組織を作り上げていくことができるでしょう。今回ご紹介した内容も参考に、自社のウェルビーイングについて検討してみることがおすすめです。
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