モノだけで終わらない!サービタイゼーションとは

2021.05.06ビジネス豆知識
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消費者のニーズの変化により製造業で広がっている取り組みがサービタイゼーションです。最近の消費者は、製品そのものだけでなく付加価値にも興味を抱いているため、今後はサービタイゼーションの重要性がますます高まると考えられています。そんな現状をふまえると、サービタイゼーションについて理解を深めておけば将来的に役立つでしょう。そこで今回は、サービタイゼーションの基礎知識や実際の活用分野などを幅広くご紹介します。

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サービタイゼーションとは

サービタイゼーションとは何かを簡単に表現すると、「製造業のサービス化」のことです。

サービタイゼーションが意味すること

サービタイゼーションは、製造業の分野において製品そのものとともに付随するサービスも提供するビジネスモデルを指します。

これまで製造業では、自分たちで生産した製品を販売するまでが主な業務でした。この点から、よく製造業は製造部門に特化した業界ともいわれています。

ビジネスモデルをサービタイゼーションに転換した場合、業務目標は製品の製造・販売にとどまりません。新たに、製品を有効活用したサービスにより収益を上げることも目指します。

この製品の製造・販売だけでなく付加価値を与えるサービスも重視するビジネスモデルが、いま多くの注目を集めている製造業のサービタイゼーションです。

サービタイゼーションが必要とされる背景

製造業でサービタイゼーションが必要とされる背景には、業界内の技術変革と消費者動向の変化があります。

近年、製造業の分野ではICT技術の進歩が盛んです。世界市場では急速なICTの技術進化により新スタイルのサービスが登場し、この流れから国内の製造業ではサービタイゼーションが必要とされました。

消費者動向の変化も、製造業に少なからず影響した要素です。かつて消費者は製品自体に大きな魅力を感じていましたが最近は付加価値にも目を向けているため、サービタイゼーションの必要性が増しました。

これらの変化により製造業は従来通り製造部門に特化するだけでは不十分となり、新たなビジネスモデルへとシフトし始めています。

今後のサービタイゼーション

今後のサービタイゼーションは、大量のデータを収集するIoTが欠かせないと見られています。

現在、IoTの重要性を高めている主な要因はドイツ主導の国家プロジェクト「インダストリー4.0」です。このプロジェクトは、製造業でのコンピュータ利用を従来以上に重視していることで知られます。

その中核となるコンセプトが、「スマートファクトリー」です。この概念にもとづき機械と人間とが通信したデータを解析・活用すると、新たな価値の追求や生産プロセスの効率化が実現可能といわれています。

将来的にはインダストリー4.0が拡大すると見られ、製造業ではIoTを含めた先進技術が不可欠になってくると考えられています。

サービタイゼーションの活用分野

製造業でサービタイゼーションが活用されている分野は、建設機器、農業機器、タイヤや航空機用エンジンなど多種多様です。

建設機器メーカー

建設機器の分野では、ビッグデータを分析・活用したサービスを提供するケースが見られます。メーカーでは自社の建設機器にGPS機能を搭載し、販売した製品の稼働状況を遠隔でリアルタイムに把握できるシステムを生み出しました。機器メーカーは入手したデータから現場作業の生産性を分析し、その結果を活用した新たなサービスとして稼働率の向上やコスト削減につながる情報を提供しています。

農業機器メーカー

農業機器の分野で考案されたのは、次世代型と称される施設園芸のシステムです。機器メーカーは、農作物のデータを収集・分析するのにICTを活用しています。このシステムで期待されている効果は、精度の高い収穫時期や収穫量の予測、生育状況の一元管理や生産性の向上です。これから農業人口の高齢化や減少傾向は進むと予想されるため、ICT技術を活かしたサービスは需要が高まると見込まれています。

タイヤメーカー

タイヤ製造の分野で目指されているのは、工場のスマートファクトリー化です。メーカーでは、製品の製造・販売から開発業務や労務関係の情報まで各種情報をICTやIoTにより解析・シミュレーションしたいと考えています。さらに市場動向や消費者のニーズに関する情報も人手をかけずに分析すれば、以前よりスピーディーに多くの需要が見込めるタイヤを開発・製造できると期待しています。

航空機用エンジンのメーカー

航空機用のエンジンを製造する分野は、製品の販売契約についてサービスの向上を進めているところです。通常、航空機用のジェットエンジンは単品販売でなく飛行時間単位で費用が支払われる契約形態になっています。IoTを活用すると、エンジンの稼働状況や整備状態がリアルタイムで管理可能です。メーカーでは、このシステムにより修理・点検のタイミングや故障を防ぐ予防保全の情報を提供することでエンジンの最適化や稼働率を高めるサービスにつなげています。

これらの事例を見ると、サービタイゼーションは活用分野だけでなくメーカーで実施している方法や目指している方向もさまざまであると分かります。

サービタイゼーションがもたらす未来

製造業のサービタイゼーションがもたらすと見込まれている未来は、スマートファクトリーにより工場がスマート化するとともに、製品の販売後まで各種サービスが提供される姿です。

これまでの生産スタイル

これまでの製造業では、ひとつの製品を大量生産するスタイルが主流でした。

かつて製造業が、できるだけコストをかけず少しでも収益を上げるために選んでいた生産スタイルは大量生産です。同じ製品を統一規格で生産できる方式であり、比較的に低コストで製造・販売できました。

ひとつの商品やサービスが多くの消費者のニーズを満たし大量消費されていた頃は、同一の製品を大量生産するスタイルで多くの製造業は十分に収益を得られました。

ただ消費者のニーズが多様化するに伴い、製造業は生産スタイルの変化を求められ始めます。

工場のスマート化

いま、さまざまな消費者のニーズに応えるため製造業が導入している生産スタイルが個別仕様生産です。

この生産スタイルの場合、個々の消費者の要望に合わせ各製品の仕様をカスタマイズします。従来は、より多くのニーズに応えるとなるとコストがかかり収益を上げるのは難しいと見られていました。

そんな問題を解決に導いたのが、ICT技術の急速な進化です。IoTの活用により消費者の多様なニーズを短時間で分析すれば、個別仕様の製品を生産するのに以前ほどのコストはかかりません。

膨大な消費者データを迅速に処理できるIoTの利用で工場がスマート化すれば、個別仕様生産でも収益は上がると期待されています。

販売後に提供されるサービス

これから工場のスマート化により製造業で見込まれる変化が、製品の販売後にもサービスが提供される姿です。

最近、消費者のニーズは「モノ」である商品やサービスを手に入れるだけでは満たされない傾向にあります。新たに登場した要望が、製品の購入により得られる体験など「コト」へのニーズです。

そんな消費者の声に応えるため、製造業ではIoTを活用するなかで販売後も「コト」としてのサービスを提供し始めました。実際にIoTが効果を発揮している分野は、上記の通り広範囲に及びます。

将来的に製造業では「モノ」だけで終わらないサービタイゼーションがさらに進展し、「コト」の分野のサービス提供も充実すると期待されています。

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