【企業・個人別】ビジネスシーンにおける謝り方
更新日:2023.02.27ビジネス豆知識ビジネスパーソンにとって、避けて通れない謝罪やお詫び。相手に誠意が伝わらなければ、どれだけ謝っても許してもらえないでしょう。そこで今回は、ビジネスシーンで実践したい「誠意を込めた謝り方」をご紹介します。企業・個人別での謝罪例にも触れるため、ぜひ参考にして下さい。
目次
知っておきたいお詫び・謝罪の基本知識
お詫び・謝罪で重要なのは、「誠意」を伝えることです。場当たり的な対応は、いくら言葉を尽くしても、相手に誠意が伝わりません。では、「誠意のこもった謝罪」とは、どういったものなのでしょうか? ここでは、ビジネスシーンにおける謝罪の基礎知識と、相手に誠意を伝えるコツをご紹介します。
謝罪前に決める2つのこと
まずは、謝罪前に「どのレベルまで謝るのか?」を決めましょう。内容は次の通りです。
□謝罪レベル1.自身の関与を認める謝罪
□謝罪レベル2.責任受容を認める謝罪
□謝罪レベル3.損害賠償責任を負う謝罪
相手が何に対して不安・不満を抱き、どのレベルの謝罪をすれば許してもらえるか検討します。その判断を間違えると、どれだけ言葉を尽くしても相手に誠意が伝わりません。とりわけ責任受容は、謝罪における重要な要素です。「私の責任です」と素直に非を認めることが、謝罪成功の秘訣といっても過言ではありません。
また、謝罪方法も決めておきます。ビジネスシーンにおける謝罪方法は、「メール」「電話」「対面での謝罪」の3つに分けられます。メールは些細なミスのお詫びや、相手に謝罪する前の準備段階で活用するのが一般的です。実際は電話、または対面で謝罪することになるでしょう。
誠意ある謝罪を目指すなら、対面で直接謝るのがおすすめです。相手は声のトーンや表情、謝罪の順番、発する言葉などから、「場当たり的な謝罪」か「誠意が込められた謝罪」かを判断します。対面なら表情がみえるため、メールや電話で謝罪するよりも、誠意が伝わりやすくなるでしょう。ただ、状況によっては電話で十分なケースもあります。対面で言葉を交わすと、話が余計こじれそうな場合は、電話でやりとりするのもひとつの手です。
適切な謝罪の順番とは?
不利益を被った相手の感情は、以下の様に推移します。
1.責任を認めてほしい
2.問題に対して謝ってほしい
3.問題を解決してほしい
4.なぜ問題が起きたのかを教えてほしい
5.今後も取引が続けられるかを知りたい
謝罪の仕方は、相手の感情推移に合わせて構成します。一つひとつ当てはめていくと、以下の様になります。
1.責任受容の言葉(責任を認めてほしい)
2.謝罪の言葉(問題に対して謝ってほしい)
3.具体的な対応策(問題を解決してほしい)
4.経緯の説明(なぜ問題が起きたのかを教えてほしい)
5.再発防止策の提案(今後も取引が続けられるかを知りたい)
まずは責任受容の言葉を述べ、責任の所在を明確にします。例えば、企業の謝罪なら「“当社の落ち度”により、お客様に不愉快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます」、個人なら「私の不手際で大変ご迷惑をおかけいたし、心よりお詫び申し上げます」といった具合です。
その後、謝罪の言葉を続けます。次に、問題への対応策と経緯の説明を行います。対応策の前に経緯を説明すると、言い訳がましい印象を与えることもあるため注意が必要です。最後に再発防止策を提案し、相手との信頼関係の再構築を目指します。
謝罪はタイミングとスピード感が大切
謝罪タイミングを間違えると、相手を余計に怒らせるものです。例えば、トラブル発生から数日後に謝るのは、絶対に避けましょう。相手によっては、トラブルを隠していた事実から“不誠実な人”というレッテルを貼られます。また、謝罪はスピード感が命です。早ければ早いほどリカバリーが効き、二次トラブルの発生を防げます。謝罪はできるだけ早く、タイミングを見計らって行うのが基本です。
謝罪は大げさなくらいが丁度良い?
謝罪する人・謝罪される人の間には、認識のギャップが生じます。例えば、100%の誠意を込めたつもりでも、相手に伝わる誠意は50%以下になることも少なくありません。これには相手の立場や謝罪のシチュエーション、無意識の自己弁護など、さまざまな要因が考えられます。したがって、謝罪は少々大げさなくらいが丁度良いでしょう。
【企業編】二次クレーム防止がポイント!誠意が伝わる謝り方とは?
ここでは、企業における謝罪例をケース別でご紹介します。二次クレームを防ぐポイントにも触れるため、ぜひ参考にして下さい。
消費者への謝り方(対個人)
【謝罪例】
「このたびは、配送させていただきました商品の破損、および対応の不手際があったとのこと、誠に申し訳ございませんでした。つきましては、本日中に代替商品をお送りさせていただきます。大変恐縮ではございますが、先の不良品を着払いにて、当社までご返送いただけますと幸いです。
また、弊社の検品体制に甘さがあった上に、担当者および弊社契約の配送会社による不誠実な対応を確認しております。ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。今後この様なことが起きませんよう、検品を徹底してまいります。」
こちらは企業対個人におけるクレーム対応の謝罪例です。相手が個人の場合、単なるお詫びでは二次クレームにつながる恐れがあります。それを防ぐポイントは、心情理解の言葉を取り入れることです。「ご不快な思いをさせてしまい」などのフレーズを使い、共感を表すことで「理解してもらえている」「自分を大切にしてくれている」という印象を与えます。
謝罪会見での謝り方
【謝罪例】
「このたび、弊社社員がお客様からお預かりした資金を着服していた事実が発覚いたしました。本人の不始末とはいえ、弊社としても深くお詫び申し上げます。本件発覚後、ご迷惑をおかけしたお客様には謝罪とご説明に伺い、損害額の弁済をさせていただきました。
弊社は今回の事態を重く受け止め、内部監査の強化や社内ルールの整備など、再発防止に向けた業務態勢の見直しを図りました。今後は社員一人ひとりが社会人としての行動規範を改めて自覚するとともに、信頼回復に向け全力で取り組む所存でございます。誠に申し訳ございませんでした。」
社員が不祥事を起こした際の謝罪会見です。「誰に向けて謝っているのか?」を明確にし、事件の全容や経緯を説明するとともに、再発防止策をしっかりと話します。内容次第では、SNSなどで炎上する恐れもあるため、一つひとつ言葉を選びながら話す必要があるでしょう。
【個人編】相手に誠意が伝わる謝罪・例文
次に、ビジネスパーソン個人による謝罪例をご紹介します。謝罪相手が社内の人物か、社外の人物かで対応が異なる点に注目です。
上司への謝り方(社内)
【謝罪例】
「〇月〇日の○時に予定していた○○社との打ち合わせですが、私の日程調整の不手際により、予定通り開催するのが難しくなりました。スケジュールを調整していただいたにも関わらず、この様な事態になっていまい申し訳ございません。
大変お手数ですが、○月○に○時にスケジュールを再調整いただくことが可能でしょうか。今後は同じ過ちを繰り返さないよう、先方との情報共有の徹底を図るとともに、成約につながるよう尽力します。改めまして、ご検討のほどよろしくお願いいたします。」
上司に謝罪する際のポイントは2つ、「責任受容の言葉」と「誠意を込めた謝罪の言葉」です。メールで謝罪と経緯説明を行った後、対面で直接謝罪するのが一般的です。また、今回のトラブルで学んだことや、今後の意気込みを添えると、上司からの評価も変わるでしょう。
取引先への謝り方(社外)
【謝罪例】
「このたびは、誤った商品をお送りし、誠に申し訳ございませんでした。原因を調査いたしましたところ、商品出荷時のピッキングミスでございました。日頃から出荷前にはダブルチェックと検品を実施しておりますが、今回ご注文いただいた品が特注品だったために、出荷前の検品ラインに乗らず、出荷に至った旨を確認しております。今後は二度とこの様なミスの無いよう、社員教育を徹底するとともに、各自が細心の注意をはらう所存でございます。
つきましては、直ちに当該品を送らせていただきます。お手元に届きましたら、今一度ご確認のほどお願い申し上げます。本来であればお詫びに参上すべきところ、甚だ略儀ではございますが、取り急ぎ書面にてお詫び申し上げます。」
取引先に注文とは異なる商品を送った例です。法人相手の謝罪では、メールや書面で謝罪した後、菓子折りなどを持って直接謝罪に出向くのがマナーです。信頼関係が何よりも重視されるため、誠意ある対応を心がけましょう。
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