コアコンピタンスとは
更新日:2023.03.07ビジネス豆知識企業の経営戦略においてコアコンピタンスはとても重要です。コアコンピタンスを確立することが企業の発展にも繋がります。なぜなら、コアコンピタンスは企業の核となる技術や特色だからです。今回はコアコンピタンスについて紹介します。
目次
「コアコンピタンス」
コアコンピタンス(core competence)のコア(core)は核心、核、中心核という意味です。コンピタンス(competence)は能力、適性という意味です。ビジネスで使われるコアコンピタンスは中核的な能力のことです。組織の核となる技術や特色です。
この、コアコンピタンスというビジネス用語を生みだしたのが、経営学者のゲイリー・ハメル氏と元米ミシガン大学ロス経営大学院教授のC・K・プラハラード氏です。1994年に発表された「コア・コンピタンス経営」は両名による共著です。その著書の中でコアコンピタンス経営は以下のように定義されています。
「顧客に対して、他社には提供できないような利益をもたらすことのできる、企業内部に秘められた独自のスキルや技術の集合体」このことから、コアコンピタンスと認められる自社の能力には以下の3つの条件を満たしていることが求められます。
顧客に対して何らかの利益をもたらすことができる能力
顧客に対する利益をもたらす能力は販売数やリピート数から把握することができます。顧客が何らかの利益を感じることができれば販売数やリピート数が上がります。自社の利益にしかなっていなければ、その能力は見直す必要があります。
競合他社が真似できない、真似されにくい能力
簡単に真似される能力は自社の武器にもなりません。競合他社も日々努力を重ねています。手にすることが難しい能力ではありますが、真似のできない能力を確立することができれば大きな武器になります。
複数の市場や製品にアプローチできる能力
複数の分野に応用できる能力は自社の大きな強みになります。一つの分野でしか使えない能力では、商品の需要が無くなると同時にコアコンピタンスを満たした能力とは言えなくなります。そうなると能力の使いどころが無くなってしまいます。一つの分野や商品に特化しすぎることなく複数の分野や市場に応用できる能力が求められます。気をつけておきたいのは、一度、コアコンピタンスを確立しても満足することなく常に新しいコアコンピタンスを更新して確立させることが自社経営の安定に繋がります。
ケイパビリティとコアコンピタンスとの違い
ケイパビリティ(Capability)
訳すと、能力、才能、素質、手腕、特性などです。ビジネス用語として使われるケイパビリティには、企業や組織の能力、また得意とすること、企業や組織が持つ独特の強みです。ビジネスで使われるコアコンピタンスは中核的な能力のことです。組織の核となる技術や特色です。
ケイパビリティは組織としての総合的な能力です。他社が真似のできない技術の力をコアコンピタンス、他社に関わらず自社でできる能力がケイパビリティです。もう少し分かりやすく言うなら、組織としての全体の力がケイパビリティ、組織としての技術の力がコアコンピタンスです。よって、ケイパビリティは外部から見えにくいです。逆にコアコンピタンスは外部から見えやすいです。これがケイパビリティとコアコンピタンスの違いです。
コアコンピタンスを見極める5つの視点
移動可能性
一つの技術でたくさんの分野や商品に応用可能かについて検証します。移動可能性が高くなれば多くの分野や商品に汎用できます。幅広い展開が期待できる技術はコアコンピタンスと認めることができます。
模倣可能性
市場を独占できるような技術や能力であるかどうかを見極めます。簡単に真似をされてしまう能力ではいけません。真似されない、追いつかれない技術や能力はコアコンピタンスにふさわしいと認めることができます。
代替可能性
コアコンピタンスにしたい技術や能力が、別のことで簡単に置き換えられてしまわないかを検証します。他では置き換えられないオリジナルの技術や能力がコアコンピタンスになるべき能力や技術です。
希少性
その能力や技術に希少性があるかどうかを見極めます。希少性をクリアするには代替可能性と模倣可能性をクリアしていることが最低条件です。希少性のある技術や能力は自社を支えてくれるコアコンピタンスになります。
耐久性
コアコンピタンスにしたい技術や能力が長きに渡り活用することができるかどうかを見極めます。せっかくのコアコンピタンスも短期で廃れてしまうようではいけません。どんどんと新商品が出てくる中で、高い耐久性を持つ技術や能力はたいへん貴重なコアコンピタンスになります。
コアコンピタンスを確立するには
長期的なビジョンで進める
コアコンピタンスの確立には、5-10年の時間がかかると言われています。もしくはそれ以上かかる場合もあるでしょう。ですので、長期的なビジョンをもって経営していくことが大切です。
自社のケイパビリティをコンピタンスに発展させる
自社の経営の核になるコアコンピタンスを確立する為に、ケイパビリティを高めてコアコンピタンスに発展させていきます。コアコンピタンスの選定にはしっかりと時間をかけてやるべきです。自社の核になるものですから安易に決めることは良くないですし、簡単に決めることも難しいことです。
コアコンピタンスの条件に合っているか吟味する
コアコンピタンスの条件を高水準でクリアできるものが、コアコンピタンスにうってつけです。しっかりと3つの条件、顧客に対して何らかの利益をもたらすことができる能力、競合他社が真似できない、真似されにくい能力、複数の市場や製品にアプローチできる能力であるかを見極めましょう。
コアコンピタンスについて紹介しました。コアコンピタンスを確立するにはある程度の時間が必要です。長期的な展望を持って経営を行う必要があります。しかし、コアコンピタンスを確立することができれば自社の大きな強みになります。市場はめまぐるしく変化していますので、一度確立したコアコンピタンスは定期的に見直すことも重要です。
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