集団凝集性とは

更新日:2023.03.07ビジネス豆知識

団結力がある集団

集団凝集性という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。強い組織やチームは、この集団凝集性は欠かすことができません。では集団凝集性とは何なのか。今回は集団凝集性について紹介します

「集団凝集性」

集団凝集性は英語では、Group cohesivenessと呼ばれています。日本語では求心力や動機付けなどの内的な力を意味する言葉として訳されます。集団凝集性は、アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガー、スタンレー・シャクター、クルツ・バックの3名によって「メンバーが集団に留まるように作用する心理的力の総量」と定義されています。

目的や目標を共有して協力しあう複数名の集合体が集団です。その集団に属することで得られるメリットや魅力の度合いが集団凝集性です。集団凝集性の高い集団はまとまりの良い集団として評価されます。

また、メンバーの帰属意識も高くなり連帯感や仲間意識が強くなります。企業内で集団凝集性が高くなると組織内の連対感や仲間意識が強くなることにより、生産性の向上や離職率の低下が期待できます。集団凝集性には対人的凝集性と課題達成凝集性があります。対人的凝集性はメンバー同士がお互いを尊重しあい好意的なつながりを持つ集団です。

この集団にいるメンバーはお互いがお互いを認めてくれていると感じ、集団への帰属意識も高まります。課題達成的凝集性は自分の目標や権利、また特典など集団に属することで得られる魅力を持った集団です。この集団にいるメンバーはお互いに、ここにいれば自分の目標を達成することができると感じます。集団への貢献意識や自分の目標達成に向けてのモチベーションが高くなります。

集団凝集性のメリット

集団凝集性を高めることによりたくさんのメリットがあります。集団に属しているメンバーの団結力や協調性が高くなりますので大きな目標を達成しやすくなります。また、集団においての目標や課題などが明確になりやすく情報の共有も容易になります。

集団内での知識や技術、スキルの種類も多くなり、相互作用によって集団のパフォーマンスを最大化することができます。その他にも、心理的ストレスが生まれにくい環境になり、モチベーションを維持することが簡単になる。組織や会社に対する帰属意識が高まりますので、満足感や安心感が生まれ組織コミットメントやエンゲージメントが高くなります

会社では短期離職者が減少し、平均勤続年数が増加しやすいです。メンバーの入れ替わりが少ない安定した集団ができます。それによって安定したメンバーで同じ時間を共有することが可能になり、連携が生まれ素晴らしいチームワークを発揮することができます。安定性とパフォーマンスの両立によって集団が強くなります。集団が強くなると、生産性の向上にも繋がります。

また、新規入社希望者の増加が見込めます。集団凝集性によって生まれるメリットは人間関係に影響するもの、集団環境に影響するものがあります。どちらも別のように感じますが、互いにプラスの効果を与えますので相乗効果によって拡大することが予想されます。集団凝集性を高めることが出来た集団は目標達成に向けて全ての意識を集中させることが可能です

集団凝集性のデメリット

集団凝集性にはたくさんのメリットがありますがデメリットもあります。集団凝集性がデメリットになる場合には集団規範が大きく影響します。集団規範とは集団内での決め事です。社訓や規則はもちろん、慣例化されているものも規範です。集団内での価値判断の基準や思考様式でもあります。

集団規範自体が存在しないというのはもちろんダメですが、存在していても曖昧である、徹底して扱われていない規範であるならば集団凝集性のメリットは生まれません。それどころかデメリットになってしまいます。

集団規範意識の低い集団では集団凝集性が高まることにより弊害が生まれる可能性があります。なれ合い感情によって規範が守られなくなり作業効率の低下を招いてしまう可能性があります。そして、集団凝集性が高まることによって発生する過剰な仲間意識にも注意が必要です。

ミスを必要以上に責めないことは集団凝集性を高める上では大切ですが、業務上必要な注意やミスに対する適切な指導は大切です。これが無くなってしまったら重大なトラブルに発展してしまうこともあります。

また、集団浅慮にも気をつけなければいけません。集団凝集性が高く仲間意識が強い集団で起こりやすいです。なぜならば組織内の同調圧力が大きく影響しているからです。同調圧力で懸念されるのは、組織内で少数派の意見を持つメンバーが多数派の意見を持つメンバーに遠慮してしまうことです。暗黙のうちに多数派の意見に従うように強制されてしまいます。こうなると、組織の視野狭窄、会議の形骸化につながってしまう可能性があります。

集団凝集性を高めるだけでなく、集団規範意識を高めることがデメリットを少なくする近道です。また、集団凝集性が高くなっても外部の意見や情報を取り入れるようにしなければいけません。外部と隔離されることによって多様性を失ってしまった集団は考え方が偏りがちになりやすく環境の変化や不足の事態に対応するのが難しくなってしまう場合があります。

集団凝集性について紹介しました。集団凝集性は多くのメリットがありますが、デメリットも存在するため、規範意識の向上が大切です。集団凝集性を上手く活用することで人材の確保や生産性の向上に繋がります。集団凝集性は優れた集団を構築して維持するために必要です。

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