ケイパビリティとは
更新日:2023.03.07ビジネス豆知識ビジネス用語はカタカナが多いので社会人になりたての頃は驚くこともあるでしょう。たくさんあるカタカナ用語の中からケイパビリティについて紹介します。ケイパビリティは能力を表す言葉として使われています。企業の存在能力を語る上では欠かせない言葉です。
目次
「ケイパビリティ」
ケイパビリティ(Capability)を訳すと、能力、才能、素質、手腕、特性などです。ビジネス用語として使われるケイパビリティには、企業や組織の能力、また得意とすること、企業や組織が持つ独特の強みのことを言います。
ケイパビリティは企業成長の元となる組織的な強みですので経営戦略を立てる際には把握しておく必要があります。ケイパビリティの例としては、迅速な業務遂行能力、高い品質を保持することができる能力、効率よく商品を開発、生産することができる能力などです。
グローバル化している現代の競争を勝ち抜くためには、他社との差別化も大切です。また、人材や組織の結束、連携などの内的環境を整えることも重要です。他社が真似のできない強みを持つことができれば競争を勝ち抜くための大きな武器になります。自社が持つケイパビリティを見極めて高めることが大切です。現代は価格競争が激しい苦難の時代になったといえます。技術面でもこれ以上を望むのは厳しくなってきています。
ここからさらなる競争戦略を打ち出したり、技術面の革新を望んだりするよりもケイパビリティを意識した組織作りをする方が有効です。部署間の連携を高めたり、人材を効率的に配置転換したりする内的環境を成長させる組織作りが、他社にはないケイパビリティになります。内的環境でのケイパビリティを持つことができれば、競争が激化してもそれに対して流されることも揉まれることもない持続的事業を作り上げる要因になります。
ケイパビリティとコアコンピタンスとの違い
「コアコンピタンス」
コアコンピタンス(core competence)のコア(core)は核心、核、中心核という意味です。コンピタンス(competence)は能力、適性という意味です。ビジネスで使われるコアコンピタンスは中核的な能力のことです。組織の核となる技術や特色です。ケイパビリティは組織としての総合的な能力です。他社が真似のできない技術の力をコアコンピタンス、他社に関わらず自社でできる能力がケイパビリティです。
もう少し分かりやすく言うなら、組織としての全体の力がケイパビリティ、組織としての技術の力がコアコンピタンスです。よって、ケイパビリティは外部から見えにくいです。逆にコアコンピタンスは外部から見えやすいです。これがケイパビリティとコアコンピタンスの違いです。
ケイパビリティを創出する方法
市場のニーズを把握すること
自社が置かれている現在の市場の状況をしっかりと把握することが大切です。そして現在の市場のニーズは何なのかを調査することです。そうすることで自社の置かれている立場や市場のニーズをつかむことができます。そのうえで、自社の可能性も含めた今後の戦略を立てるのです。但し、市場のニーズは常に変化していくものと理解して、常に観察、調査を怠らないことも必要です。
自社の強みを見出すこと
自社にしかないオリジナルの強みこそが他社との差別化につながります。持っている能力が大きくても他社と同じ能力なら競争優位性は生まれません。他社との競争優位性を確立できるのは自社にしかないオリジナルの強みだけです。
ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーの実行をすること
自社の強みであるケイパビリティを最大化して企業戦略に落とし込みます。これが、ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーです。現場で活きるように方向性や計画性を立てて実行します。
ダイナミック・ケイパビリティ
ケイパビリティは時代とともに古くなり時代遅れになってしまうこともあります。一度、確立したケイパビリティにこだわり続けていると良くありません。環境の変化に合わせてケイパビリティを革新していくことも必要です。ダイナミック・ケイパビリティは環境の変化に合わせてケイパビリティを変化させる能力です。以下の3つの能力に分けることができます。
感知:企業を脅かす脅威を感知して活用する能力
補足:脅威を避けて、組織の構造やプロセスを再活用する能力
変革:経営資源などを環境の変化に合わせて変革させマネジメントする能力
ケイパビリティは時代遅れになるということを常に意識していくことが重要です。気が付いた時には取り残されてしまっていたなんてことになる可能性もあります。そうなってからでは遅いこともありますので、そうならないように常にダイナミック・ケイパビリティを意識しておかなければいけません。
ケイパビリティは企業の内部に強みを見出すものです。企業全体の力、組織力のことです。ケイパビリティを高めることで変化の激しい時代にもまれることなく乗り切れます。自社のケイパビリティが何なのかを把握して高めていくことが大切です。そうすることで自社や組織の成長に繋がります。
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