経費で落とせるものは何?正しい知識を覚えよう

2020.03.05ビジネス豆知識
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今年も確定申告の時期が近づいてきました。「○○を経費で落とす」とよくいいますが、実際に経費化できるもの、できないものの違いをご存じでしょうか?勘定項目を正しく仕分けなければ、税務署からペナルティが課せられる可能性もあります。そこで今回は、事業経営において発生した経費化できる費用、できない費用の違いに加え、経費で落とすメリットとデメリットを解説します、

電卓

そもそも経費とは?

経費とは、法人税上において会社側が一時負担する損金のことを指します。正式には「経営費用」といい、確定申告では収益から経費を差し引いた金額を税務署に提出します。また、ビジネスシーンでは「経費で落とす」という表現がたびたび用いられますが、これは「発生した費用を経費として計上する」と同じ意味です。

経費で落とすメリットとデメリット

さまざまな費用を経費で落とすメリットは、大きくわけて2つあります。ひとつは、法人税が減ることです。法人税は、収益から経費を差し引いた金額で算出するため、経費が多いほど支払う税金が減ります。

もうひとつは、従業員あるいは個人事業主の所得税が減ることです。これは個人一人ひとりの所得に応じて算出されます。法人税同様、経費が多いほど支払う税金が減るわけです。いずれにしても、節税面のメリットが中心となります。

また、経費で落とすデメリットも存在します。まず挙げられるのが、手元の現金がなくなることです。例えば、経費を使わずに300万円の利益を上げたとします。仮に税率が20%であれば、実際に支払う税金は「300万円×20%=60万円」です。会社から出ていく現金は、60万円に留まります。

一方、300万円の利益を上げるために、150万円の経費を使ったとします。この場合、会社の純利益は「300万円-150万円=150万円」です。税金は経費を差し引いた利益から算出するため、「150万円×20%=30万円」となります。つまり、経費分の150万円と税金分の30万円、計180万円が同時に出て行きます。

このようなデメリットがあるため、安易に経費として計上するのはおすすめしません。一時的とはいえ現金がなくなったり、最終的に損をしたりする可能性があるためです。節税効果を最大限に発揮するためには、発生した費用を経費で落とすか否か、正しく判断する知識が必要です。

経費にできるorできない?〜基本的な判断基準〜

確定申告の時期が近づくと、「何が経費で、何が経費にならないのか」といった声を耳にします。主に個人事業主が悩む印象ですが、経費になる費用・経費にならない費用の線引きは存在します。ポイントは、その費用を「何を目的に使ったのか」どうかです。

個人事業主を例に考えてみます。例えば、クライアントと喫茶店で打ち合わせをするとします。飲食費を自身が支払う場合、基本的には経費に計上可能です。なぜなら、後の仕事を円滑に進め、売り上げを確保するために必要な費用だからです。これは税務署においても、正しい動機で使われた費用と判断するでしょう。

一方、仲良くなったクライアントとプライベートで喫茶店を利用した場合、どうなるでしょうか。相手は仕事の取引先ですが、プライベート利用においては事業と関連がありません。確定申告時に「仕事を円滑に進めるために必要だった」と主張しても、税務署側がそれを受け入れず、経費として認めない可能性があります。最終的に経費とするか否かは、税務署側の判断に委ねられるのです。

要点をまとめると、経費で落とせる費用には以下の共通点があります。

□事業と関連性の高い費用
□正しい動機で使用した費用
□税務署側を納得させる理由のある費用

もし経費で落とせるかわからない場合、上記3点のいずれかを満たすか考えてみましょう。「趣味の道具を購入した」「税金を支払った」などの不当な理由でない限り、大抵は経費として認められます。これについては、下記でもう少し掘り下げていきます。

経費にできる費用とは?

ここでは、事業経営において発生する「経費にできる費用」の一例をご紹介します。

人件費

従業員に支払う給与・賞与・社会保険料・退職金などの人件費は、経費になります。注意したいのは、役員に支払う「役員賞与」は経費で落とせないことです。そもそも役員賞与とは、決算後などに役員を対象として、臨時支給する報酬を指します。これは役員賞与という勘定項目に仕分けられ、原則として経費に計上できません。

また個人事業主において、青色申告の適用を受けていない人は、注意が必要です。家族従業員に支払った給与などは、租税回避を理由に経費で落とすことが認められていません。

飲食代

クライアントとの打ち合わせをはじめ、会議目的で発生した飲食代は経費で落とせます。ただし、一人あたりの飲食代が5,000円以下ならば全額を経費に、5,000円以上であれば接待交際費に計上するのが一般的です。

領収書は必ずもらったうえで、会議を行った日時や参加人数、クライアントの名称および飲食店の所在地などをメモしておきましょう。たとえ領収書があったとしても、曖昧な情報では税務調査に引っかかる恐れがあります。なお、友人や家族との飲食代は、経費として認められない可能性が高いため注意して下さい。

旅費

遠方のクライアントを訪問したり、市場調査で遠征したりする場合、その旅費は経費になります。交通機関が発行する領収書はもちろん、宿泊先のレシート、現地で利用した飲食店のレシートなどは保管しておきましょう。こちらも税務調査に引っかかりやすい項目ですので、目的地や訪問理由、訪問先の住所などをメモしておくと確定申告の時に役立ちます。

消耗品

業務上必要となる備品は、基本的に経費で落とせます。例えば、段ボールやガムテープ、メモ帳やボールペンなどの消耗品です。これらは消耗品として計上します。ただし、10万円を超えるパソコンやデスクなどの備品は、固定資産に分類されます。購入備品の対応年数にわたり、減価償却で処理するのが一般的です。いずれにしても、高額な備品は一度に経費計上できないことを覚えておきましょう。

経費にできない費用とは?

事業と関連性の高い費用は、概ね経費化することができます。一方、事業に必要でありながら、「経費にできない費用」もいくつかあります。一つひとつ見ていきましょう。

スーツや革靴

ビジネス用のスーツ・革靴・腕時計などの購入費用は、給与所得控除が適用されます。個人事業主は別ですが、基本的に会社の経費とは判断されません。そもそも、これらのアイテムはプライベートでの使い道があるため、経費として認められない傾向にあります。

社用車の利用中に生じた罰金

スピード違反などで発生した罰金は、原則として経費になりません。これを経費化できてしまうと、罰金が節税につながる事態となるためです。源泉徴収税の対象になりますが、罰金を会社側が支払い、従業員の給与として経費化することはできます。

税金

法人においては、法人税や法人事業税、法人住民税を経費にすることはできません。そもそも納税は義務であり、支出ではないためです。これは個人事業主も同様で、住民税や所得税などを経費化は認められていません。

まとめ

節税効果を高めるには、「経費で落とせるもの」「落とせないもの」を正しく理解することが大切です。勘定項目の仕分け方次第で、当該年度の利益は大きく変わります。本記事でご紹介した内容を参考に、経費に関する知識をより深めてください。

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