コロナショックでビジネスマナーはどう変わる?

更新日:2023.03.01ビジネス豆知識

マスク

コロナショックは、ビジネスマナーにも多少の影響を与えました。とくに大きいのは、マスク着用についてです。かつてはビジネスにおけるマスク着用の是非が議論されましたが、いまはマスクしない接客がかえってマナー違反になりつつあります。そこで今回はマスク着用に関するビジネスマナーの変化や着用時に意識したい配慮について解説し、ソーシャルディスタンスの考え方やマナー上の注意点もご紹介します

マスク着用の是非

これまでのビジネスシーンではマスクを着用するとコミュニケーションに支障があるとされていました。しかし現在は、コロナショックの影響により多くの職場でマスク着用がマナーになっています

以前であればマナー違反

コロナショックが起きるまでは、ビジネスシーンにおけるマナーとしてマスクは着用しないのが原則でした。主な理由は、職場や取引先とのコミュニケーションでいろいろと弊害が生じるためです。マスクで顔の半分ほどが隠れると表情は見えにくくなり、声がこもる傾向にあります。

冬の空気が乾燥する時期にはノドの保湿を考えて着用するケースも増えますが、体調が悪いのかと心配されることもあったでしょう。場合によっては、体調不良のなか無理しているなら会話に集中できないのではないかと思われる可能性もあります。こういった理由から、コロナショック以前には職場での打ち合わせや取引先との交渉の場におけるマスク着用は歓迎されませんでした。

いまはマスク着用がマナー

現在はコロナショックの影響が大きく見られ、これまでと異なり多くの職場でマスク着用が推奨されています。
新型コロナウイルスの感染者は、現在も増え続けています。何も対策しないまま顔を合わせて会話すれば、感染リスクは高まると考えられています。

ビジネスシーンにおいても、職場の従業員や大切なお客様など、周りの方々の安全確保が最優先です。感染予防に配慮した場合、コミュニケーションに多少の支障が出るとしても通勤時から勤務中まで常にマスクは手放せません。現状ではビジネスシーンにおけるマナーについても柔軟に変えていくことが求められています。

マスク着用時の配慮

最近では新型コロナウイルスに対する感染予防の観点から、会議や交渉の際にマスクをしていても不快に思われる心配はないと考えられます。とはいえ、会話中のマスク着用には弊害があることも事実です。とくに懸念される問題点として、表情の見えにくさと声の聞こえにくさが挙げられます。

ビジネスの取引では、好感度が仕事の成果を大きく左右すると考えられます。お互いにマスクが必要と理解していても、交渉関係で会話する際には気配りの言葉を添えたほうが印象はよくなるでしょう。職場での接客時や契約交渉に臨む際には、会話を始める前にまず「マスクしたままで失礼します」など気遣いの言葉を伝えることをおすすめします。

ソーシャルディスタンスの考え方

新型コロナウイルスの感染拡大予防として、マスク着用とともに重視されている対策がソーシャルディスタンスです。

距離が近いほど感染リスクは高い

ソーシャルディスタンスは、直訳すると「社会的距離」を意味します。感染者との距離が近いほどウイルスが周りへ広まるリスクは高く、お互いに距離を保つことが大切との考えにもとづいています。新型コロナウイルスに感染した場合、発症パターンはさまざまです。

実際、肺炎を伴うケースは少なからず見られますが、すべての感染者に明らかな症状が現れるとは限りません。無症状の場合には自分が感染していると自覚するのは難しく、気づかないうちにほかの方へウイルスを移している恐れがあります。できるだけ感染リスクを減らすには、家族や知人、職場の同僚とも距離を保つ必要があるといえます。そのためにソーシャルディスタンスを意識することが大切です。

ウイルスは咳やくしゃみで飛散

ウイルスの飛散を招く代表的な行為は、咳やくしゃみです。これらの症状は、体調の良し悪しを問わず何かのタイミングで出ることがあります。
風邪になると、咳やくしゃみの症状が出るケースが多く見られます。花粉症や呼吸器系に疾患のある方は、日常的に咳やくしゃみが止まらず悩まされるケースは多いでしょう。もちろん、健康な状態のときでも、ちょっとしたことで咳やくしゃみが出る可能性はあります。感染の自覚症状がなくても、不用意に咳き込むとウイルスを周りへ飛散させるかもしれません。万一の事態に備え、家族や知人にとどまらず、ほかの方とは可能な限り距離を保っておいたほうが安心です。

マスクは万能アイテムではない

いまやマスクは、新型コロナウイルスへの感染を防ぐためのアイテムとして必需品です。感染症状が見られるかどうかに関係なく、外出時にはいつでも着用が望まれます。

ただし、マスクの着用は唾液やツバの飛散防止に効果的ですが、万全な対策とはいえません。マスクにはいろいろ種類があり、タイプによって性能には差があります。また、新型コロナウイルスは以前に知られているウイルスよりサイズが小さいといわれ、マスクのすき間から漏れやすいと指摘されています。通勤中の電車・バスのなかや職場ではマスクしていても完全に感染を防げると過信せず、常にソーシャルディスタンスを心がけることが大切です。

コロナショックをめぐるマナーの注意点

医療体制がつねに十分な余裕があるとは限りません。各自が感染予防のために配慮する姿勢が重要です。同時にビジネスでは、それぞれの場面に適したマナーも忘れてはいけません

お互いに感染予防を配慮

2020年4月、全国に緊急事態宣言が発令されてから、大勢の方が外出自粛に努めました。最近は各地の感染者数が減少する傾向にあります。ただ、事態は完全に収束したわけではありません。地域によっては第2波の兆候が見られるとの声も散見されます。治療法はいまだに研究の途中であり、爆発的な感染拡大への備えは十分ではないと考えられています。

この状況下では、個人レベルでの感染予防への配慮が不可欠です。できるだけ、勤務スタイルにはテレワークの導入が望ましいでしょう。出社するならマスクをするのはもちろん、積極的に時差出勤することも呼びかけられています。いずれにしても、3密(密閉、密集、密接)は避けたいところです。仕事では個々の距離を少しでも保ち、間近で対面しながらの会話は控えるなどの配慮が望まれます。

ビジネスマナーも忘れたくない

新型コロナウイルスの感染対策も、場合によっては不快に思われる可能性があります。マスクの着用も、接客時や契約交渉の場ではマイナスに働くかもしれません。多くの職場では従業員にマスク着用を義務付けるとともに、その旨をお客様に伝えるため店頭に張り紙するケースが増えました。

直接的な接客を避けられない美容院では、この方法がお客様の不快感を軽減するのに役立っているといわれています。店舗によってはお客様を店先まで見送り、十分に距離が離れてからマスクを外し「ありがとうございました」と笑顔で挨拶する工夫を実践しています。美容院の事例からは、感染予防の効果が高いマスク着用も無条件で受け入れられたわけではないと分かるでしょう。ビジネスの現場では、感染症対策とともにマナーを重んじる姿勢も大切と考えられます。

現状、マスク着用やソーシャルディスタンスはあくまで新型コロナウイルスを予防するための方法です。まだ、ビジネスマナーとして当たり前になったスタイルではありません。今後の状況は不透明であり、再び新たなマナーが生まれる可能性もあります。その時の状況に合わせ、柔軟に対処していきましょう。

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