勤務間インターバル制度とは
更新日:2023.04.07ビジネス豆知識働く人の健康確保とライフワークバランス推進のために勤務間インターバル制度の導入が推奨されています。働き方改革関連法の成立により2019年4月以降、企業の努力義務となります。勤務間インターバル制度によって労働者の健康確保にも繋がります。今回は勤務間インターバル制度について紹介します。
目次
勤務間インターバル制度とは何か?
勤務終了後に一定時間以上の休息を設けることで働く人の休息時間や睡眠時間を確保することです。働き方改革関連法の成立に伴い勤務の終業時間から翌日の始業時間の間に一定時間の休息を確保することが企業の努力義務になりました。休息時間は9時間以上が望ましいとされています。EU加盟国では勤務間インターバル制度が導入されており、24時間について最低連続11時間の休息付与が義務となっています。
企業が勤務間インターバルを11時間に設定したとしましょう。前日23時まで残業した場合は、翌日は10時以降でないと勤務を開始することができません。本来の始業時間を過ぎても勤務させないことで労働者に休息時間と睡眠時間を確保させ、慢性的な長時間労働や睡眠不足を防止することができます。
勤務間インターバル制度導入のメリット
労働者の意識改革に繋がる
長時間労働による弊害は健康被害だけでなく過労死や過労自殺に繋がってしまいます。勤務間インターバル制度導入によって休息時間が確保されると労働時時間の短縮ができます。それにより、限られた時間の中で業務を完了させなければいけなくなります。その分、時間を効率的に使うようになり労働者の意識改革に繋がります。
生産性の向上に繋がる
時間内に業務を完了させるには働く人だけでなく企業も業務効率の改善が必要になってきます。それによって企業としての取り組みだけでなく労働者もどのようにすれば業務が効率よくできるか考えるので業務改革に繋がります。業務がどれくらいあるのかが分かることにより社内で協力しあう関係も生まれ生産性の向上に繋がります。
人材の確保に繋がる
勤務間インターバル制度導入によって十分な休息時間が確保される環境は誰もが働きたいと思う環境です。人材の不足が問題となっている今の状況で、人材が確保できるということは企業にとってもプラスになります。また、労働者が働きやすい環境で働ける企業は離職率も下がります。勤務間インターバル制度を導入することで労働者の確保に繋がります。
労働者の健康に繋がる
企業にとって労働者はとても大切な人材です。勤務間インターバル制度の導入によって休息時間が確保できると労働者の健康被害が減ります。休息、睡眠時間の確保ができるということは労働者のメンタルヘルス対策にも有効です。プライベートが充実し働く意欲も湧いてくるでしょう。勤務間インターバル制度の導入は労働者の健康に繋がります。
勤務間インターバル導入の留意点
休息時間の設定
勤務間インターバルの時間を何時間に設定するかが重要です。EU加盟国では11時間と設定されています。この場合ですと前日に遅くまで残業した場合は始業が遅れることになってしまう可能性が高いです。ただ、インターバルの時間を8時間などの短い時間にした場合、簡単に導入できますが勤務間インターバル制度の効果が薄れてしまいます。企業によって変わってくるかと思いますが無理なインターバル時間の設定は業務に支障が出る可能性もありオススメできません。義務とする時間と努力義務とする時間を設定して勤務間インターバル制度を導入している企業もあります。
通勤時間の取り扱い
通勤時間を勤務間インターバルに含めるのか含めないのかは労働者と企業でしっかりと話し合いをして事前に決めておくべきでしょう。
導入前に企業内でしっかりと検討することが必要
勤務間インターバルの時間を設定すると業務ができる時間が限られてしまいます。そのため、業務効率の改善ができていない、業務量の調整がうまくいっていない、労働者の確保ができていない、このような状態で導入すると労働者に負担がかかってしまう可能性が高くなります。こうなってしまうと、勤務間インターバル制度のメリットが少なくなってしまいます。導入できる状態になっているのか、しっかり確認してから導入するべきです。
労働時間の管理について
労働者が業務に集中していて終業時間に気が付かず残業をしてしまったということもあるでしょう。そうなると企業から労働者に終業時間を促すことも必要になってきます。また、労働者一人一人の終業時間を把握していないと翌日の始業時間までにインターバルが取れているかどうかも分からなくなってしまいます。勤務間インターバル制度の導入によって労働者の始業時間と終業時間の管理方法も見直す必要がでてくるかもしれません。
勤務間インターバル制度について紹介しました。勤務間インターバル制度は企業にとっても労働者にとってもメリットの方が多いと感じますが、導入する際にはしっかりと検討することが大切です。この機会に労働者の長時間労働を無くし休息、睡眠時間を確保できる勤務間インターバル制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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