日本コールセンター協会とは?

更新日:2023.04.03コールセンター

オペレーター

国内のコールセンター企業やエージェンシー、システム開発に携わる関連企業などによって構成される「日本コールセンター協会」。研修やセミナーなどさまざまな活動を通してコールセンター業界の発展に貢献してきました。今回は、同協会の活動内容やこれまでの取り組みをご紹介します

日本コールセンター協会とは?

日本コールセンター協会(CCAJ)とは、コールセンター業界の健全な発展を目的に設立された業界団体です。1988年7月発足、1997年4月に一般社団法人化しました。通信企業や人材派遣会社、銀行・保険会社などの金融機関、製薬メーカーなど幅広い業種から企業・団体が集い、会員として名を連ねています。活動内容も多彩で、各種イベント、スタッフ研修、海外コンタクトセンターの視察、座談会の開催、会報の発行、業界内交流のバックアップなど、年間通してさまざまな活動に取り組んでいます。

日本コールセンター協会が目指すところ

日本コールセンター協会は、主に次の様な特徴の企業・団体で構成されています。

□コールセンター業務・運営の受託企業
□自社コールセンターを運営・設計するインハウス企業
□コンサルティング、人材育成、機器開発などの分野からコールセンターを支援するサポート企業

これらの団体で構成される同協会は、5つの行動理念を掲げてさまざまな活動を展開しています。その5つとは、「顧客志向経営」「倫理的行動規範」「企業横断的共創」「人材育成」「人と技術の融合」です。

□顧客志向経営:消費者の視点に立つサービスの提供と経営の実践
□倫理的行動規範:協会策定の各種ガイドラインに則り、情報管理の徹底と知的財産の保護に努める
□企業横断的共創:消費者利益の向上や雇用機会の拡大を目的に、会員同士が社会的責任を共有し新しい事業手法や育成方法の共創に努める
□人材育成:従業員一人ひとりがプロフェッショナルとしての意識を持てる様に、教育研修や人材育成の機会を創出する
□人と技術の融合:技術の適切活用で市場拡大と良質な顧客の獲得、マーケティング精度の向上を実現

高度な人材育成プログラム「CCAJスクール」

日本コールセンター協会が主催する「CCAJスクール」は、現場でスタッフたちが自信を持って働くための知識・スキルを養成するための学習カリキュラムです。CCAJスクールを経た受講者たちが大きく成長することで、コールセンター全体のレベルアップと効率的な運用、企業ブランドの創出・向上につなげることを目的とします。

CCAJスクールは「ベーシックコース」と「専門コース」に分かれ、それぞれ独自の講座が開催されます。ベーシックコースは「センターマネージャー講座」「スーパーバイザー講座」「テレフォンスキル講座」「テレフォンスキルブラッシュアップ講座」「トレーナー養成講座」の計5講座で、それぞれ専門講師による講義を受講できます。専門コースは「スクリプト・FAQ作成講座」「クレーム対応講座」「KPI講座」「ストレスマネジメント基礎講座」「顧客経験値を高める顧客志向の電話応対」「電話応対品質マネジメント」「モニタリング実施手法セミナー」「テレコミュニケーターをやる気にさせるコーチング」など、高度な電話応対技術を学ぶための講座ラインラップが特徴です。

講座のバリエーションが豊富で、しかも初心者から経験豊富なオペレーターまで受講者のレベルや課題に合わせたカリキュラムが用意されています。一つひとつ確実にクリアし、知識とスキルを磨いていくことで、自身の成長の度合いを確かめることができます。

SV同士の情報交換や交流を後押しする「SV意見交換会」

SV(スーパーバイザー)とは、コールセンターの現場責任者のこと。オペレーターのスキル管理や運用体制のチェック、新人教育などを任せられる重要なポジションです。日本コールセンター協会では、そんな現場の大黒柱ともいえるSVを招き、5~7名の座談会を主催しています。SVたちに語ってもらうテーマは、日ごろの業務における取り組み方や課題、職業上の悩みなど、現場責任者が見たもの、体験したことが中心です。SVの意見を取り入れることで、今後の業務やモチベーションのアップにつなげてもらうのが狙い。研修とは異なり、緊張感もなくリラックスムードで参加できるところが人気を呼んでいます。

2014年度SV意見交換会に関するアンケート調査では、92%の参加者が「参考になった」と回答。「他社コールセンターの取り組みなど、普段では聞けない話を聞くことができてとても勉強になった」「育成や指導に関する意見を聞くことができて刺激になった」「同様の悩みを持つ会員と話しができて親近感をもてた」など、コールセンターで働くスタッフたちにとっては有意義な時間を過ごせたことが分かります。
普段コールセンターで働いていると、他社のオペレーターやSVと交流する機会はなかなか得られないものです。SV意見交換会の様なざっくばらんにディスカッションできる環境を整えることで、新たな視点で業務と向き合える様になり、現場の活性化につながります。

多彩なイベント活動

日本コールセンター協会は、行動理念に基づきこれまで多くのイベントやセミナーを主催してきました。これまでの活動内容の一部を紹介します。

CCAJ海外スタディーツアー

海外のコンタクトセンター視察を通して、自社センターの運用や人材育成に役立つことを目的に実施されています。ツアー開始当初は欧米諸国のコールセンターやテレマーケティング機関を視察する活動がメインでした。近年は日本企業のレベルアップもあり、より高度な情報収集活動にシフト。質疑応答の内容もどんどん充実しています。広い視野を持ったコールセンター運営や先進的な手法による課題解決など、これまでの海外視察で得た収穫は小さくないようです。

コンタクト・セミナー

コールセンター業界の最新事情や情報を共有することを目的に開催されるセミナーです。パネルディスカッション方式で行われ、センター共通の課題について考えを深めていきます。具体的な成功例や失敗談など、現場のリアルな声を聞くことができる内容です。登壇者は経験豊富なエキスパートたちで、それぞれ異なる立場からの意見を届けてくれます。

CCAJエージェンシー大会

コールセンター業務を受託するエージェンシー企業の活動内容を報告する目的で、2006年・2007年に開催されました。2006年が「コールセンター・コンタクトセンターを自前で構築・運用するのがよいか 専門企業にアウトソーシングするのがよいか」、2007年が「複雑化・多様化するクライアントのニーズの対応するために」というテーマで開催。エージェンシー企業を招いて充実な意見交換が行われたようです。コールセンター業務をアウトソーシングすべきかどうかの判断はむずかしいところ。同様の悩みや課題を持つ企業にとっては、大いに参考となったのではないでしょうか。

CRMソリューション大会

日々進歩を遂げるコールセンターのシステム技術の提供を行うベンダーから、システムの導入事例や取り組み状況について、「コンペ形式」で発表してもらう大会。最新技術の情報収集に役立つばかりでなく、システム導入時のよい判断材料になったとの声も聞かれたとのことです。どんどん高度化が進むコールセンターにとって、何を選び、何を省くかの判断はその後の運営を大きく左右します。その意味で最新システム技術の情報を無料で知ることができたのは大きな収穫といえるのではないでしょうか。

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