コールセンターに関する素朴な疑問にお答えします
更新日:2022.05.09コールセンター顧客からのさまざまな問い合わせに対応するコールセンター。おそらく、多くの方が利用経験を持つこのサービスも、実態についてはあまり詳しく知られていない側面があります。そこで今回は、「業界規模は?」「平均年収は?」など、気になる疑問にいくつかお答えします。
目次
現在のコールセンターについて詳しく解説
全国にはどれくらいのコールセンターがある?
総務省によれば、全国には693のコールセンター事業所が設置されているそうです。(2013年時点)従業員数は、114,042人。特徴として、コールセンターは一事業所あたりの従業員数が多い傾向です。コールセンター事業所数は、サービス業に分類される事業所数のうち1.6%に過ぎません。しかし従業員比率をみてみると、全従業員数のうち13%をコールセンター従業員が占めています。
かつて、「矢野経済研究所」が国内のコールセンター市場やコンタクトセンター市場を対象とする調査を実施したところ、2012年から2017年におけるコールセンターの市場規模は、年平均1.8%の成長率を記録したとのこと。2017年度の市場規模は8,637億円になると予測しました。成長の要因は、電子商取引や金融サービスの需要増、またマイナンバー制度の導入にともなう利用増などが挙げられます。
コールセンターの平均時給は?
コールセンター勤務希望者にとって、平均時給や平均年収などの情報は気になるところでしょう。コールセンターは24時間365日体制のところが多く、夜勤シフトもあります。労働量もそれなりに多いことから、ほかの事務系アルバイト・派遣社員の仕事と比べて高時給といわれます。それでは、どれくらい高時給か?とある求人広告会社の調査によると、東京都のコールセンターで働くアルバイトの平均時給は約1,300円。派遣社員が約1,400円だそうです。全国平均データをみても、アルバイト約1,000円、派遣社員約1,300円と高めです。
ほかのデスクワークの仕事と比べると、コールセンター業務の平均時給は高い傾向が認められます。都心部コールセンターでは、高いところだと時給2,000円以上も珍しくありません。電話応対業務にあたるオペレーターは、約3カ月の事前研修を経て現場に送り出されます。ほかの事務職やオフィスワークなどと比べ、研修内容もボリュームが高いのが特徴です。つまり、コールセンターの仕事はそれだけ内容が濃く、スキルレベルもそれなりの高さが求められるのです。
基本的にオペレーション業務は未経験・資格なしで応募が可能ですが、高時給に見合うだけの仕事と成果が求められることを忘れてはならないでしょう。
SVの平均年収は?
コールセンターのSV(スーパーバイザー)は管理職という位置付けで、経験を積んで高い評価を受けたオペレーターに与えられるポジションです。そのSVの平均年収は、約400万円といわれます。ただし、年齢によって違いがみられ、20代だと平均約370万円、30代で約520万円。実績や経験値も年収を決める大きな要素といえそうです。
SVの仕事は、現場マネージメントからスタッフ育成、業務改善指導、クレーム処理など多岐にわたります。人員不足の際は現場に入ってフォローに回るなど、「プレイングマネージャー」として現場を切り盛りしなくてはいけません。多忙な業務である一方、目にみえるかたちで結果を残せば昇進・高収入も可能であり、やりがいのある職種といえるでしょう。
地方の助成制度とは?
コールセンター設置を対象とする助成制度は、多くの市区町村で導入されています。企業誘致によって税収が伸び、雇用確保につながるメリットがあるからです。また、企業のほうも、低い労働単価と良好な設置環境、充実した助成制度があることから、地方に進出しやすい側面があります。
たとえば、札幌市ではインバウンド・コールセンターを新設した企業に対し、「30名以上の新規雇用確保」の要件でひとりあたり20万円を支給しています。コールセンター企業が進出すれば、地域に人材がとどまって新たな雇用を創出。その成功体験が広がって新規の企業が増える。というふうに、経済の好循環が期待できるのです。
一昔前までは沖縄県など特定の地域に集中しがちだったコールセンターの地方展開も、助成制度を設ける自治体が増えたことで多極化が進んでいます。コールセンターの地方進出は、地方活性化の起爆剤になる可能性を秘めており、今後の動向にも注目です。
コールセンターはすべて24時間365日受付?
コールセンターといえば、24時間365日受付可能というイメージがあるのではないでしょうか?しかし、すべてのコールセンターが深夜早朝、土日祝祭日も電話をフォローできる体制にあるかといえば、そうでもありません。営業時間内のみ受付とする企業も少なくなく、24時間受付が当然だと考えるユーザーからすれば、少し不便に思うかもしれません。
コールセンターの業態は、大きくふたつの種類に分けられます。事業者から委託を受けて顧客からの電話対応業務を請け負うアウトソーシング系と、自社で設置するタイプ。24時間365日体制は、運用コストの面から前者タイプに多い傾向です。自社設置型のコールセンターは、事業者を介さずお客様に直接対応できる利点がある一方、コスト増大や設備維持の難しさが障害となるケースがあります。
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