コールセンターのSV(スーパーバイザー)の役割

更新日:2022.03.29コールセンター

コールセンターのSV(スーパーバイザー)の役割

さまざまな業種でSV(スーパーバイザー)という言葉を耳にしますが、コールセンターでもスーパーバイザーを配置している企業が少なくありません。大変な部分もありますが、その分やりがいを感じられる仕事なので、いつかは自分もやってみたいと目指している人もいるのではないでしょうか。本記事では、コールセンターにおけるスーパーバイザーの役割や仕事内容、向いている人などを解説します。スーパーバイザーに興味のある人や目指している人は、参考にしてみてください。

コールセンターのスーパーバイザー(SV)とは?

コールセンターにおけるスーパーバイザー(SV)とは、コールセンターの質をアップさせるとともに勤務するオペレーターの管理を行う管理者のことです。コールセンター全体の総監督のような役割があり、スーパーバイザー次第で、コールセンターやオペレーターの質が変わるといっても過言ではありません。

一般的に、スーパーバイザーは小規模のコールセンターなら1人、大規模なコールセンターであればオペレーター10~20人に1人の割合で配置されます。特別な資格は必要ないものの、業界に関する深い知識やある程度の実務経験が必要です。

コールセンターのスーパーバイザーの仕事ってどんなもの?

説明を受ける女性社員

コールセンターのなかでも重要な役割を担うスーパーバイザーは、具体的にどのような業務を遂行するのでしょうか。ここからは、スーパーバイザーの仕事内容を紹介します。

オペレーターのシフトの作成

スーパーバイザーはオペレーターのシフト作成を行います。曜日や時間帯、部署によって着信状況が異なるケースがあるため、コールセンターの状況を考慮して必要な人数を配置しなければなりません。

とはいえ、コールセンターの状況だけを考えてシフトを作成すると、長時間勤務や連続勤務になるオペレーターが出てきます。オペレーターの過不足が生じることなく、かつオペレーターに負担がかからないよう、会社とオペレーター双方の状況に配慮してシフトを作成します。

コールセンター全体の業務進捗管理

コールセンター全体の業務進捗管理も行います。例えば、コールセンターにかかってきた電話のうち、どのくらいの割合で実際にオペレーターが応答できたかを示す応答率の確認です。応答率の低さは顧客満足度の低下にもつながるため、必要があれば業務やシフトの改善を実施します。

また、電話応対の完了率や成約率もモニタリングし、目標値に近づくためのサポートも行います。これらのデータ集計や管理のほか、クライアントへの報告も大切な業務です。

オペレーターのスキルアップ業務

新人オペレーターの教育はもちろん、すでに在籍しているオペレーターのスキルアップを促すことも重要な業務です。研修のためのマニュアルやトークスクリプトを作成したり、オペレーターの会話をモニタリングしてフィードバックしたりします。

マニュアルやトークスクリプトは定期的にフィードバックをもらい、よりオペレーターが使いやすい内容に更新することが大切です。また、オペレーターの言葉遣いや電話応対の内容を確認し、面談などでそれぞれの苦手な部分や改善すべき点のアドバイスをすることでオペレーターのスキルアップを目指します。

クレームや難易度の高い案件の対応

マニュアルやトークスクリプトがあるとはいえ、すべての電話がマニュアルどおりに対応できるわけではありません。なかには、クレームや難易度の高い質問など、オペレーターが応対しきれない電話がかかってきます。

クレームや難易度の高い案件で困っているオペレーターに代わり、電話応対をすることもスーパーバイザーの仕事のひとつです。常にコールセンター全体を見渡し現場の状況を把握しつつ、突発的なトラブルが発生しても冷静に対処できるスキルが求められます。

コールセンターのスーパーバイザーに経営陣が期待していること

経営陣がコールセンターのスーパーバイザーに求めているのは「KPIの達成」「一定の応答率」「オペレーターの離職を抑える」ことです。それぞれ、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。

KPI(重要業績評価指標)の達成

KPI(重要業績評価指標)とは、目標の達成状況を定点的に数値化することです。最終的な大きな目標を達成するために設ける、各プロセスの目標をイメージするとわかりやすいかもしれません。

例えば、顧客満足度アップのために、なるべく多くの電話に応対することを目標にするとします。それから、〇時間以内など時間を設定し、その時間内に電話応対する目標の件数を設けます。この場合は、電話応対の質を維持しつつ、速やかに業務を完了させるためにはどのような工夫が必要なのかを考えてKPIの達成を目指します。

一定基準以上の応答率

応答率はKPIの項目のひとつで、コールセンターでは特に重要とされることの多い項目です。応答率が低いと「なかなか電話がつながらない」と顧客満足度が下がり、応答率が高いと「電話をかければいつでも対応してもらえる」と顧客満足度が上がるからです。

電話の取りこぼしが少ないほど応答率の高さは上がるため、一定基準以上の応答率を維持することで業績評価もアップします。応答率の高さや低さもスーパーバイザーの手腕次第です。

スタッフの離職を抑える

コールセンターを円滑に運営するためには、オペレーターの存在が欠かせません。離職率が高くなれば、必要な人数が揃わずコールセンターがうまく機能しなくなってしまう可能性があるからです。また、新たな人材を確保するにはコストがかかります。

そのため、スーパーバイザーには、スタッフの離職率を抑える工夫も求められます。勤務時間を工夫したり、オペレーターの悩みを聞いたりして、オペレーターが働きやすい環境作りが必要です。

スーパーバイザーに向いている人は?

コールセンターチーム

スーパーバイザーは、コールセンターの業務を熟知していたり、高いスキルを持っていたりしなければなりません。しかし、求められる能力はそれだけではありません。どのような人がスーパーバイザーに向いているのでしょうか。

コミュニケーションが得意

スーパーバイザーは、オペレーターが働きやすい環境作りのほか、スキルアップや仕事の悩みを解消するために、オペレーターと良好な信頼関係を構築する必要があります。良好な信頼関係が構築されなければ、アドバイスを素直に受け入れてもらえなかったり、うまくオペレーターの本音を聞き出せなかったりするからです。

いくら仕事ができても、いつも1人で黙々と仕事を進めるだけでは、オペレーターとの距離は縮まりません。指導をする立場であることを踏まえて一定の距離感は必要ですが、日頃からオペレーターと上手にコミュニケーションを図っていることで良好な信頼関係が構築されやすくなります。

面倒見がよい性格

オペレーターそれぞれのスキルアップを促すだけでなく、離職を抑えるためにも面倒見がよい性格であることが大切です。自ら相談しにきたオペレーターには対応する、気に入っているオペレーターのサポートのみしっかりするなどの行為は、スーパーバイザーとしてふさわしくありません。

常にオペレーターの状況に目を配り「困っていそうなオペレーターがいたら速やかにサポートする」「さりげなく仕事に関する悩みがないか聞き出す」「公平に評価する」といった対応ができる人が向いています。

チャレンジ意欲と強い姿勢も見せられる

品質アップのために新しい取り組みを導入してみる、ある目標を達成したら新たにレベルアップした目標を立てるなど、チャレンジ意欲のある人も向いています。

また、理不尽なクレームにも毅然とした態度で応対する強い姿勢も必要です。スーパーバイザーのチャレンジ意欲と強い姿勢に感化され、オペレーターの向上心もアップするからです。

コールセンターのスーパーバイザーになるには

スーパーバイザーには、コールセンターの品質をアップさせるとともに、オペレーターの管理を行う重要な役割があります。オペレーターのスキルアップやシフト作成、コールセンターの全体の進捗状況管理など、幅広い業務をこなさなければならないため、スーパーバイザーはきついといわれることもある仕事です。

しかしその分、顧客満足度アップやコールセンターの業績アップなど、成果が目に見えてわかるのでやりがいを感じられます。

スーパーバイザーになるには、コールセンター業務に関する豊富な知識と高いスキルが必要です。まずはコールセンターで数年間オペレーターとしての実務経験を積み、業界知識や業務スキルを身につけてからキャリアアップを目指しましょう。

Pocket

The following two tabs change content below.
電話代行サービス株式会社では、電話応対のアウトソーシングを検討している方向けに、電話代行やビジネスに関する情報を発信していきます。 電話代行について相談する
お問い合わせ