若者が重視する?タイパ消費とは
更新日:2023.01.20スタッフブログ「タイパ」は、一定の時間に得られる成果の大きさを意味します。近年、Z世代を中心に多くの若者は時間を効率よく使いたいと考える傾向にあり、タイパを重視するケースが増えました。そのため、ビジネスシーンでもタイパやタイパ重視の消費行動に注目が集まっています。タイパの考え方やタイパ消費の事例を理解すれば、若者向けのビジネスを展開するうえで役立つでしょう。そこで今回は、タイパの意味や代表的な事例などをご紹介します。
目次
そもそも「タイパ」とは?
「タイパ」は「タイムパフォーマンス」の略であり、投資した時間(タイム)に対して得られた効果(パフォーマンス)を意味する言葉です。以下では、言葉の意味・由来・注目される理由などをご紹介します。
言葉の意味・由来
「タイムパフォーマンス」は、一つの消費行動に一定の時間を費やした際、その時間のなかで得られた効果(時間対効果)を意味します。タイパの由来となった言葉は、「コスパ(コストパフォーマンス:費用対効果)」です。コスパは、一つの商品やサービスに一定額の金銭(コスト)を費やした時、投資金額に対して得られた効果(パフォーマンス)を指しています。
商品やサービスは、販売価格が変わらなくても性能やサービス内容が同じとは限りません。その際、どの商品・サービスを選べば金銭を有効活用できるか検討することがコスパの基本的な考え方です。それに対しタイパは、どんな消費行動を選ぶと時間の有効活用につながるか検討する考え方を指します。
タイパが注目される理由
近年のビジネスシーンでタイパが注目される理由は、消費行動の重要な担い手である若者世代が、時間の有効活用を強く意識し始めたためです。1990年代後半~2010年代初頭に生まれたZ世代の若者は、とくにタイパを重視しているといわれています。昨今はZ世代を題材とした書籍のなかで記載され、トレンドワードにもなりました。
最近のZ世代は、さまざまな消費行動において「効率よく時間を使いたい」と考える傾向が目立ちます。ネット上で動画コンテンツを視聴する時も「短時間で少しでも多くの情報を得たい」と考え、倍速視聴やスキップ視聴を選ぶケースが増えました。そんな時間の有効活用を重視するZ世代の消費行動をふまえ、現在のビジネスシーンではタイパに対する関心が高まっています。
タイパ消費の事例・若者の心理
Z世代に見られるタイパ消費の代表的な事例は、時間の有効活用を意識したネット動画の視聴方法です。以下では、若者がネット動画を視聴する時の具体的な方法や視聴時にタイパを重視する心理などについてご紹介します。
Z世代によるネット動画の視聴方法
若者のタイパ消費を扱った書籍によると、タイパ重視のZ世代がネット上で動画コンテンツを視聴する方法は次の4パターンに分けられています。
- ながら視聴:他の作業を進めながら視聴
- 倍速視聴:2倍の再生速度で視聴
- スキップ視聴:興味がない部分はスキップしながら視聴
- ネタバレ視聴:事前に動画の情報を取得してから視聴
いずれも、複数作業の同時進行や視聴時間の短縮により、時間の有効活用を試みているところが特徴的です。SHIBUYA109 lab(シブヤイチマルキューラボ)の調査によると、これらの視聴方法は一部の若者に限られたものではありません。Z世代400名(男女各200名)のうち8割以上は、「ながら視聴する」と回答しています。
また、「倍速視聴する」は48.6%、「スキップ視聴する」は51.5%、「ネタバレ視聴する」は44.3%であり、すべて約半数に及びました。以上の結果から、Z世代の多くは「ながら視聴」や「倍速視聴」により動画視聴に費やす時間を有効活用していると分かります。
タイパを重視する若者の心理
Z世代をはじめタイパを重視する若者は、「短時間で効率よく情報を得たい」との思いが強いといわれています。この心理が若者の間で強まった主な要因は、通信手段の発達により、個人で得られる情報量が大幅に増えたためです。かつてに比べるとネット上には膨大な情報があふれ、すべてをチェックするのは難しくなりました。
ネット動画も例外でなく、限られた時間のなかで少しでも多くのコンテンツを視聴するには視聴スピードを速めるなどの工夫が必要になっています。さらに昨今は、トレンドが変化するスピードも以前より早くなりました。1日あるいは時間単位で変化するともいわれ、のんびり情報収集あるいは動画視聴しているとトレンドについていけなくなる可能性があります。
そんな状況のなか、Z世代を含む若者は時間を効率的に使って情報収集することが求められました。また、トレンドに乗り遅れないためにも動画視聴する時などはタイパを重視していると考えられています。
若者向けのビジネス戦略
タイパを重視する若者に向けたビジネス戦略としては、「ファスト映画」や「ショート動画」が有名です。ほかにも、動画配信を活用した商品紹介などが大幅な売上増につながっています。以下では、これらの具体的な内容などをご紹介します。
「ファスト映画」の内容・問題点
「ファスト映画」とは、映画のストーリーを10分程度にまとめた動画のことです。短時間で映画の概要が分かり、一時期タイパ重視の若者から好評を得ました。この動画は、10分前後で視聴可能なコンテンツです。映画の画像は必要最低限にとどまり、簡潔な字幕やナレーションでストーリーの流れや結末が手短に説明される内容になっています。
ファスト映画の配信先は、主に動画共有サイトです。2020年頃からコロナ禍で外出が控えられるなか配信数が増え、短時間で映画情報を得られるタイパのよさから人気コンテンツになったといわれています。ただし著作権に違反するケースも見られ、現在は多くのコンテンツがネット上から削除されています。
「ショート動画」とは
「ショート動画」も、「ファスト映画」と同様に短時間で視聴できる動画コンテンツです。スマホで手軽に視聴可能であり、Z世代に人気のサービスになっています。この動画の多くは、動画共有サイトによる配信時間の設定が60秒前後です。ファスト映画と異なり映画情報を紹介するわけでなく、配信内容がオリジナルであれば著作権に抵触する心配はないと考えられています。
ショート動画の利用状況についてサムライト社が実施した調査によると、Z世代の回答者のうち7割近くは視聴していると分かりました。この調査結果から、ショート動画も情報収集に時間のかからないタイパのよさで若者に支持されていると理解できます。
動画配信を活用した商品紹介
短時間の動画配信を活用した商品紹介も、タイパを重視する若者からの支持を得るのに有効です。この手法で成功したケースとしては、1995年発行の書籍を動画共有サイトで紹介した事例が知られています。およそ30年前の出版物でしたが作品紹介の動画を配信すると再生回数は900万回を超え、3万部以上の緊急重版につながりました。
食品加工の様子を紹介した動画も、売上増に結びついた好例の一つです。見事な包丁さばきで食材を処理するプロセスが配信されると再生回数は300万回に達し、販売元には注文が殺到したといわれています。Z世代の若者に支持されている「タイパ」の意味や、代表的な事例をご紹介しました。ご紹介した事例に限らず、スマホで手軽に視聴できる動画はZ世代の人気が高く、若者向けのビジネス戦略として大きな効果のある方法と考えられています。
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