コロナに影響を受けた企業を支援する制度の紹介

更新日:2023.03.01スタッフブログ

コロナ

現在、経済産業省は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に向け、経営相談窓口の設置や税金・保険・公共料金の支払猶予とともに経済支援策を用意しています。経済支援策には、資金繰り支援、給付金制度、設備投資・販路開拓支援があります。企業の財政状況が厳しくなっている場合、これらの支援策について理解しておくと事態の改善に役立てられるでしょう。そこで今回は、経済産業省による支援策の詳細をご紹介します

資金繰り支援

経済産業省が用意する主な資金繰り支援は、政府系金融機関による融資民間金融機関による信用保証付融資の2種類です。

政府系金融機関による融資

政府系融資は、一般向けのタイプと生活衛生関係に分かれます。一般向けのタイプは、新型コロナウイルス特別貸付、商工中金による危機対応融資、新型コロナウイルス対策マル経融資、特別利子補給制度(実質無利子)、セーフティネットの要件緩和の5つです。いずれも融資制度と信用保証制度の両面から、事業者を支援します。

生活衛生関係は、生活衛生新型コロナウイルス特別貸付、新型コロナウイルス対策衛経融資、特別利子補給制度(実質無利子)、衛生環境激変対策特別貸付の4つです。生活衛生関係の事業者であれば、これらの支援策を一般向けとともに活用できます。

いずれの融資も、実施する場合の金利は大きく分けると「引下げなし」「0.9引下げ」「実質無利子」の3段階です。どの段階の金利が当てはまるかは、利用する支援策によって変わります。それぞれの支援策の融資対象、資金の使い道、担保、貸付期間、据置期間、融資限度額、金利、利子補給や利下げ限度額の詳細は公式ホームページなどで確認可能です。中小企業金融相談窓口や金融庁を始めとする相談ダイヤルも開設されているので、疑問や不明点があれば連絡してみて下さい。

民間金融機関による信用保証付融資

民間の信用保証付融資は、セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証、民間金融機関における実質無利子・無担保融資の3つです。セーフティネット保証は、経営状態が不安定になっている中小企業を一般保証(最大2.8億円)とは別枠で支援します。4号は幅広い業種に支障の生じている地域、5号はとくに重大な影響の見られる業種が支援対象です。

危機関連保証は、中小企業・小規模事業者の資金繰りが全国的に厳しくなる現状をふまえて導入されました。保証対象は、売上高が前年同月比で15%以上減少したケースです。セーフティネットと合わせれば、最大5.6億円の信用保証別枠を確保できます。

民間金融機関における実質無利子・無担保融資は、全国の自治体などが用意する制度融資の活用により民間金融機関でも実質無利子・無担保・据置最大5年の融資を拡大した措置です。セーフティネットか危機関連保証を併用し、要件を満たすと利用できます。他には、日本公庫などの既往債務の借換なども実施されています。必要に応じて活用して下さい。

給付金制度

経済産業省が提供する給付金制度は、持続化給付金家賃支援給付金の2つです。

持続化給付金

持続化給付金は、新型コロナウイルスの感染拡大で多大な影響を受けた事業者向けに用意されました。主な目的は給付金を糧とした事業の継続・再起であり、とくに事業内容を問わず全般的に使えます。給付対象となる業種には、農業、漁業、製造業、飲食業、小売業から作家・俳優業まで広範囲に及びます。給付額は最大で法人なら200万円、個人事業者なら100万円、前年1年間の売上からの減少分が上限です。

1カ月あたりの売上が前年同月比で50%以上減少している場合に給付を受けられ、減少額は「前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12カ月)」の式を用いて計算します。主な給付条件は、2019年以前から事業による売上(事業収入)があり今後も継続する意思を有していることです。法人の場合、同時に資本金や出資の総額が10億円未満、あるいは常勤する従業員の人数が2,000人以下である必要があります。

申請要領は「持続化給付金」の事務局または経済産業省の公式ホームページで確認できるとともに、持続化給付金事業コールセンターでも質問を受け付けています。

家賃支援給付金

家賃支援給付金の主な目的は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う営業自粛要請などで急激な売上減少に見舞われた事業者の下支えです。事務所や店舗の固定費のなかで大きな負担となる地代・家賃の出費を軽減するため、テナント事業者に支給します。

給付対象は、中堅企業、中小企業、小規模事業者や個人事業者です。5月~12月のいずれか1カ月に売上高が前年同月比で50%以上減少するか、連続3カ月で売上高が前年同期比の30%以上減少すると支援を受けられます。

給付額の上限は、法人の場合には100万円、個人事業者であれば50万円です。給付申請すると直近に支払った月額家賃にもとづき1カ月あたりの給付額が算出され、6カ月分に相当する金額が支給されます。なお令和2年度の第2次補正予算の成立が前提であり、今後、事業内容は変更される可能性があります。詳細は経済産業省の公式ホームページなどに掲載されるため、申請条件や手続き方法は各々の情報が公表された後に改めて確認して下さい。

設備投資・販路開拓支援

経済産業省が手がける設備投資・販路開拓支援は、生産性革命推進事業、サプライチェーン改革、販路開拓支援の3つです。

生産性革命推進事業

生産性革命推進事業は、ものづくり・商業・サービス補助、持続化補助、IT導入補助から構成されます。ものづくり・商業・サービス補助は、新商品・サービス開発や生産プロセス改善のため設備投資などを進める中小企業や小規模事業に向けられた支援です。

持続化補助は、新型コロナウイルスの影響があるなか今後の販路拡大や営業継続に努める小規模事業者などを支援します。IT導入補助の支援対象は、在宅勤務の実施や業務効率化のためITツールなどを導入する中小企業や小規模事業者です。それぞれ補助上限や補助率は異なるため、申請時には事前確認するのが大切です。

サプライチェーン改革

サプライチェーン改革は、サプライチェーン対策のための国内投資促進事業と海外サプライチェーン多元化等支援事業に分かれます。

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業は、健康的な国民生活の維持にとって必要な製品・部素材を安定供給するため、国内で生産拠点の整備などに尽力する企業を支援します。海外サプライチェーン多元化等支援事業の主な補助対象は、上記事業と同じ目的のため海外の生産拠点に設備投資する企業です。サプライチェーン強化のため事業の実現性を確認する調査や実証事業も、支援を受けられます。

販路開拓支援

販売開拓支援は、JAPANブランド育成支援事業と非対面・遠隔の海外展開支援事業の2つです。JAPANブランド育成支援事業は、地域の魅力を伝える特産品・サービスのブランド力や発信力を高めることで新型コロナウイルス感染症の克服を目指す事業者および取組を支援します。支援方法は、事業者支援型と支援事業型の2タイプです。

非対面・遠隔の海外展開支援事業では、海外における国産品の販売を支援します。事業の実施機関により海外のECサイトにジャパンモールが設置され、商品情報を登録すると海外消費者への販売が促進される仕組みです。

経済産業省は、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるため多くの支援制度を実施しています。事業を継続するため、ぜひ有効活用していきましょう。

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