「人間ドック」と「健康診断」の違いを理解しよう

更新日:2023.03.01スタッフブログ

健康診断をする医師

長く仕事を続けるには、心身を健康に保つことが大切です。自分が健康かどうかチェックするなら、健康診断や人間ドックが役立ちます。ただ、人間ドックは検査項目が多岐にわたるため費用は高額になりがちです。人間ドックを受診する際には、少しでも費用を安くする方法について覚えておくと良いでしょう。そこで今回は人間ドックと健康診断の違いを解説した後、人間ドックを安く受診するための方法や費用の負担軽減に活かせる補助金・助成金制度をご紹介します

人間ドックと健康診断の違い

人間ドックと健康診断はそもそも目的が異なり、検査項目、費用や健康保険適用の有無にも違いが見られます。

目的の違い

健康診断は、生活習慣病の予防とともに自覚症状のない病気の兆候がないか健康状態を診断するために実施される検査です。一般的には年に一度の受診が推奨され、企業に勤務している場合なら労働安全衛生法により年に一度の定期健康診断が義務となっています。人間ドックの主な目的は、通常の健康診断では分かりにくい病気の早期発見です。法律的な義務はなく、受診するかどうかは個人で決めます。健康診断で把握されなかった異変も人間ドックで確認される可能性があり、より多くの病気の早期治療につながります。

検査項目の違い

健康診断は一通りの健康状態をチェックするにとどまり、検査項目は多くありません。検査内容は、身体計測、視力、聴力、血圧、血液検査、胸部X線、尿検査を始めとする基本的な項目が中心です。人間ドックではさまざまな病気の早期発見を目指すため、検査項目は健康診断より詳細です。検査内容は受診目的により変わりますが、健康診断では実施されない肺機能検査、胸部や腹部のCT検査、腹部超音波検査や胃カメラが加わります。

費用の違い

健康診断は検査項目が少ない分だけ、費用は安くなります。会社員や被扶養者は費用の一部あるいは全額を会社に補助してもらえるため、自己負担は無料~7,000円ほどです。自営業や無職の場合には、行政などから一部補助を受けられます。人間ドックは受診が任意になるため健康保険は適用されず、費用全額が自費です。1日コースを選んだ場合、費用相場は3万~6万円前後といわれています。それでも最近は、補助金制度や職場で一部負担してくれるケースが見られます。

検査後の違い

健康診断と人間ドックは、検査後の対応も同じではありません。健康診断の多くは検査項目に問診も含まれますが、検査結果については後日に書類送付されるだけで医師による説明は省かれるケースがほとんどです。人間ドックの場合、検査後のフォロー体制が充実しています。

基本的に受診当日には医師による結果説明があり、医療施設によっては検査結果にもとづき専門スタッフから保健指導が行われます。自分の健康状態をチェックする意味では、健康診断だけで十分といえるでしょう。気になる症状があり詳しく検査したい時には、費用を考慮したうえで人間ドックの受診を検討しても良いかもしれません。

人間ドックを安く受診する方法

人間ドックは病気の治療行為ではなく、一般的に健康保険の適用対象外です。とはいえ医師により検査が必要と判断されれば、保険適用になる場合があります

保険適用となる症状

人間ドックで保険適用になる症状は、出血や外傷から意識障害、呼吸器系や内臓の不調までさまざまです。どの検査が適用されるかは、症状によって異なります。保険が適用される検査項目としては、CT検査、胸部X線、胃内視鏡検査などが挙げられます。CT検査が保険適用になる症状は、頭部外傷、頭痛、めまい、吐き気、意識障害や手足の麻痺です。簡単なCTスキャンであれば、費用は通常1万5,000円かかりますが約4,500円まで安くなります。

胸部X線が保険適用になる症状は、激しい咳、痰、胸や肺の痛みといった呼吸器系の不調です。通常通りに受診すると1枚あたり2,100円ほどの出費になりますが、保険が適用されれば約630円に減額されます。胃内視鏡検査が保険適用になる症状は、胸やけ、胃がつかえた感じ、腹部の痛みを伴う内臓器官の不調や吐き気、出血です。通常費用は約20,000円ですが、保険適用により6,000円くらいに下がります。

少しでも安く受診するポイント

CT検査や胃内視鏡検査は、あくまで医師が必要と判断した時に保険適用される可能性があります。単に頭痛、あるいは肺や腹部に痛みがあるからといって受診料が安くなるわけではありません。自分から受診を依頼した場合も、自由診療と見なされ費用は自己負担です。体の変調が気になり詳しく検査してほしい時、少しでも安く受診するポイントは医師にきちんと症状を伝えることです。遠慮して控えめに伝えると、医師も大して問題ないと理解してしまうかもしれません。

医療関係者でなければ専門的な説明は難しくなりますが、できるだけ具体的に症状を訴えましょう。いつ症状が現れ始めたか、ずっと断続せずに続いているか、夜も寝られないほど痛むかといった点まで細かく話したほうが良いでしょう。診察を通じて何か病名のつく症状、あるいは病気の疑いがあると医師が判断し、人間ドックの受診を指示してきたら保険が適用される可能性は高いといえます。その場合には検査費用が10割から3割に減ります。もちろん症状を偽るのは厳禁ですので、安く受診したからといって虚偽の症状を訴えてはいけません。

人間ドックの補助金・割引制度

人間ドックの料金を安くする方法としては、補助金制度や割引制度を利用する方法もあります。これらは、受診者が国民健康保険、社会健康保険、民間会社の生命保険などに加入していると適用されるシステムです。

国民健康保険に加入の場合

国民健康保険に加入している場合、居住地域によっては自治体に費用を補助・助成してもらえます。適用対象は、一般的に国民健康保険料を滞納していない加入者です。対象年齢や細かい条件は、自治体ごとに異なります。東京23区の1例を挙げると対象年齢は40歳以上、助成金額は同一年度内に1回2万円、申請方法は事前申請です。区が指定する医療機関で受診すれば、助成を受けられます。具体的な補助・助成金額は自治体により一律でなく、これらの制度を導入していない地域もあるため詳細は事前にご確認下さい。

社会健康保険に加入の場合

会社員が加入する社会健康保険でも、国民健康保険と同じく補助金制度を導入しているケースが知られています。加入者や被扶養者が人間ドックを受診する時、所属する健康保険組合や全国健康保険協会に申請すると補助を受けられることがあります。申請条件や補助内容は、組織によって一律ではありません。

勤務先の会社が健康保険組合に加入していない時、家族が加入する全国健康保険協会では補助を実施しないといわれています。社会健康保険に加入している場合には、保険証に記載されている健康保険組合もしくは健康保険協会に補助の有無を事前確認してから申請したほうが確実です。これら以外に民間の保険会社でも、生命保険や損害保険に加入していると人間ドックの割引制度を利用できるケースが見られます。

人間ドックは検査項目によって費用は変わるものの、すべて自己負担すれば高額になります。出費を抑えるためにも、国民健康保険、社会健康保険、民間の保険会社が提供する補助金制度や助成サービスを上手に活用して下さい。

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