休まないのは良いこと?無理なく働き続けるために
更新日:2023.03.10スタッフブログ国内の企業では、休暇のとりにくさが問題視されています。近年ではやや薄れつつあるとはいえ、未だに仕事を休まないのを美徳とする考え方も珍しくありません。今回は、そんな企業の社風を変えて、有給を取得しやすい社風を作るためのポイントをご紹介します。社員が有給を取得しやすくなると、企業にも大きなメリットが期待できます。ぜひ参考にご一読下さい。
体調不良でも仕事を休まないのが美徳?
「体がだるくて熱っぽいけど、仕事を休めないから職場へ行こう……」そんな風に、体調不良であるにもかかわらず、出社した経験がないでしょうか? 健康維持の観点からいえば、この様に無理をして出社をするよりも、自宅で療養して早めに体力を回復するべきといえます。しかし、実際は体調が悪いのに仕事を休みにくいと感じる方が少なくありません。
2019年にストレスオフラボが実施したインターネット調査「ココロの体力測定2019」によれば、仕事を休まないことに対して美徳の意識を持つ方が22.7%いることが分かりました。実に2割近くの方が、体調不良でも仕事を休みにくいと感じている様です。なかには、病気になっても医薬品を使わず、栄養ドリンクで乗り切ろうとする方も少なくありません。
この様に、職場に「仕事を休まない美徳」を持つ方がいると、ほかの社員も休みにくくなるというデメリットがあります。特に、自分の上司や先輩をはじめとした上の立場にある人間が休みをとらないと、部下や新入社員も休みをとりにくいでしょう。すでに「仕事を休まない美徳」が蔓延している時は、社内の意識を大きく変える必要があるかもしれません。
有給休暇をとれない理由
体調不良でも仕事を休みにくい問題は、有給休暇をとれない問題とも関係していると考えられます。そもそも有給休暇とは、給与が支払われる休暇をとれる権利です。雇用されてから半年のタイミングで初めて付与され、さらに1年おきに付与されます。付与された有給休暇を使うのは権利であるため、基本的に取得の拒否はできません。ところが、実際には有給休暇をとれない職場が少なくない様です。ビッグローブ株式会社が2017年に実施したインターネット調査では、有給をとれない理由として「職場に休める空気がないから」を選択した方が33.6%で最多となりました。また、「自分が休むと同僚が多く働くことになる」「上司や同僚が有休をとらない」などの回答も目立ちます。
調査結果からも読み取れる様に、国内では体調不良以外でも有給休暇をとりにくい状況にある様です。そして、その主な理由として企業の空気が挙げられています。労働者の権利であるはずの有給休暇。プライベートの時間を充実させて気分転換をするのは、仕事のパフォーマンス向上にもつながりますから、休暇制度を有効活用するべきでしょう。なお、2019年4月以降、すべての企業で年5日の有給休暇の取得が義務化されています。通常では有給の取得は労働者からの申請により行われますが、今後は使用者が有給の取得時季を指定して取得を促す必要も出てきました。一人ひとりの社員が心理的な抵抗なく有給休暇をとれる職場環境を実現するために、企業と社員とで取り組みが求められます。
社員が有給休暇を取得するメリット
社員が休暇をとりやすくなると、企業にはどの様なメリットが期待できるのでしょうか。一見すると社員の利益のためにある制度の様に見える有給休暇ですが、実は取得を促すと企業側にもメリットが期待できます。社員が前向きに仕事へ取り組み、そして安定して働き続けられる環境を整えるために、有給取得の促進に取り組みましょう。
まず、社員が休暇を取得すると、プライベートの時間を充実させやすくなります。休暇を活用して趣味や好きなことのために時間を使うと気分転換につながり、業務での生産性の向上が期待できるでしょう。さらに、管理職を含めた従業員が休みをとれる環境は、社内での連携やフォロー体制が築かれて、組織としてのレベルが高まると考えられています。
有給休暇の取得しやすさは、ワークライフバランスとも関わりがあり、社員が定着しやすくなるのもメリットです。有給消化率の高さや離職率の低さは、人材採用において社外へアピールするポイントとなるでしょう。より多くの求職者から注目され、人材採用を有利に進めやすくなります。社員が有休をとりやすい職場は、働きやすい職場でもあるのです。
休暇をとりやすい社風を作るには?
体調不良の時に仕事を休んだり、プライベートの時間のために有給休暇を活用したり、休暇をとりやすい社風を作るにはどんな取り組みをするべきでしょうか? ここでは、企業ができることと社員ができることに分けて、それぞれのポイントをお伝えしていきます。
企業ができること
休暇をとりやすい社風を作るには、まず企業のリーダーが積極的に働きかけることが大切です。たとえば、社長や管理職が自ら休暇の取得促進を訴え、従業員の意識に浸透させると効果的でしょう。休暇の取得促進が形骸化しない様、会議やミーティングの場でリーダーが直接に協力を呼びかけたり、意義を説明したりする方法もあります。また、従業員が休暇をどれだけ取得したのか“見える化”するのも有効です。たとえば、社内にカレンダーアプリを導入してスケジュールを共有し、休暇の取得状況を把握できる状態にする方法。誰がどれだけ休暇を取得しているか透明性が高まると、部署や部門を超えて社員同士で連携しやすくなり、仕事の効率化にもつながります。
あらかじめ年度初めの計画に盛り込み、社員に長期休暇を取得させても良いでしょう。その一方で、繁忙期に入ると有給の取得が難しい時は、業務が落ち着いている時期に集中して取得を促すといった対応も可能です。企業の業種や業態によって適切な対応が異なります。自社にマッチした方法を導入し、リーダーが自ら有給取得の促進に取り組みましょう。
社員ができること
企業で働く社員は、有給を取得したくてもできない状況に置かれていることがあります。よく挙げられるのは、仕事が属人化している事例です。ある特定の仕事をできる人が1人しかいなければ、その人が欠勤すると全体の業務が滞ってしまいます。仕事の属人化を解消するために、仕事をマニュアル化したり、仕事量を調整したりといった取り組みが必要です。さらには、誰かが休暇をとるとほかの誰かが仕事をフォローする必要があります。休暇をとる権利は誰にでも平等にありますから、チーム全員が休みをとった人へ積極的に協力することが大切です。自分が誰かに協力すれば、次は誰かが自分に協力してくれる様になります。休暇をとるのはお互い様という認識を持ち、協力しやすい雰囲気を作りましょう。
体調不良で欠勤した社員に対して、周囲の同僚が欠勤を責める様な職場では、誰もが「自分も仕事を休んだら責められる」という意識を持つことになります。どんなに体調管理を徹底しても、いつどんなタイミングで体調を崩すかは誰にも分かりません。体調を崩す可能性は誰にでもあると理解し、自分にも他人にも寛容である様に心がけて下さい。有給を取得する理由は必ずしもオープンにする必要はありません。その一方で、日頃から同僚に自分の趣味を打ち明けておくと、有給取得が職場のコミュニケーションの活性化につながる可能性があります。たとえばアウトドアが趣味の方なら「次の休みには〇〇でキャンプをします!」と伝えると、休暇を通して同僚との話題を増やせるでしょう。
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