東京への通勤はストレスフル?企業にできることは

更新日:2023.03.10スタッフブログ

通勤

東京への通勤は、多くの場合に時間がかかり車内が混雑するため大きな負担になっています。ストレスに関する調査データや研究成果を発表しているサイト『オフラボ』が実施したアンケートによると、首都圏で働く女性の多くは長い通勤時間にストレスを感じているとのことです。また、『ザイマックス不動産総合研究所』の分析からは、通勤ストレスが仕事の満足度を下げる傾向が読み取れます。企業の生産性を上げるには、ストレスの軽減が必要。そこで今回は、首都圏の女性が実践するストレス解消法や企業ができる対策をご紹介します

首都圏で働く女性のストレス

オフラボが実施したアンケート調査によれば、首都圏で働く女性の多くは通勤時間にストレスを抱えているとの結果でした

アンケート調査の概要

近年、オフラボは47都道府県の女性についてストレス状況を調査しています。対象年齢は20~69歳であり、未婚、既婚、有職、専業主婦といった肩書に関係なく幅広いデータを収集しています。2019年の調査では、ストレスの少ない「ストレスオフ」の全国トップは鳥取県でした。他県も含めストレスオフを特徴づけるキーワードは、豊かな自然、人と人との触れ合い、時間ストレスの少なさです。これらの結果をふまえ、現状では首都圏が上位に入るのは難しいといわれています。

ストレスは減少傾向だが問題は通勤時間

上記のアンケート結果を受け、オフラボでは首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城)の女性についてストレス状況を細かく分析しています。ストレスオフ指数にもとづくランキングでは、千葉を除く1都4県が2018年より順位を上げました。

この指数は、厚生労働省のストレスチェックによる低ストレス者から高ストレス者を引いた割合を示しています。千葉以外がランクアップしている点では、首都圏でもストレスは減ったと考えられます。ただ問題は、通勤時間の長さです。以下に述べる通り、首都圏の通勤時間は全国平均を大幅に引き離しています。首都圏で働く女性にとっては、通勤時に受ける時間ストレスが大きな悩みの種になっているといえるでしょう。

通勤ストレスが仕事に与える影響

通勤ストレスは、仕事に対する満足度と無縁ではありません。通勤時間が長いほどストレスは増え、仕事の満足度は下がっています

通勤時間が長いほどストレスは多い

首都圏で働く方の通勤実態や通勤ストレスについては、ザイマックス不動産総合研究所が2016年から数回にわたりアンケート調査を実施しました。アンケートでは通勤時間を20~30分単位に区切り、それぞれの時間帯に感じる通勤ストレスを0(最低)~10(最高)の11段階で聞いています。

分析結果は通勤時間20分未満のストレス段階が2.2、20分以上40分未満では4.0、40分以上60分未満では5.3、60分以上90分未満では6.2、90分以上では7.2です。上昇率に多少の差はあるものの、通勤時間が長いほどストレスは多くなる傾向を示しています。

通勤ストレスと仕事との関係

通勤ストレスと仕事との関係については、ストレスの高さによって仕事の満足度がどれほど変わるか分析しています。通勤ストレスについて先の11段階の回答を0~3、4~7、8~10の3グループに分け、各グルーブの満足度が同じ11段階のどの辺りか聞いています。

結果は、ストレスの低い0~3のグループが5.9の満足度、中間の4~7は5.4、ストレスの高い8~10では4.8でした。数字を見る限り3つのグループ間で仕事の満足度に大きな差は見られませんが、通勤ストレスが高いほど仕事の満足度が下がる傾向にあることは確かといえます。大きなストレスを感じたまま通勤すると、仕事に支障が出るかもしれません。辛い通勤状況が招くミスやトラブルを防ぐには、通勤ストレスを軽くする工夫が必要と考えられます。

ストレスを軽くするための工夫

首都圏で働く女性は、通勤で受けるストレスを軽くするため多種多様な方法に取り組んでいます。

首都圏で働く女性の通勤時間と睡眠時間

オフラボの調査では、首都圏で働く女性が通勤に1時間以上を費やす割合は全国平均を大きく上回ると分かりました。平均値を100に設定すると東京はトップの161.1であり、以下は神奈川158.8、千葉149.8、埼玉148.0です。茨城82.4のみ、平均を下回ります。睡眠時間を見てみると、平日や勤務日に5時間未満となる割合も全国平均より多くなる傾向です。千葉のみ97.1ですが、茨城がトップの114.3、神奈川109.3、東京103.7、埼玉101.4であり全体に睡眠時間は少ないと分かります。

ストレスの軽減方法

睡眠時間の少なさを考慮すると、寝ることでは十分に休息できていないと考えられます。実際のところ、ストレス軽減のために取り組んでいる方法は趣味や運動から買い物や食事まで多種多様です。趣味では日曜大工・DIY、運動ならウォーキング・ジョギング・ジム通い、ピラティスやヨガに励む方や森林浴を楽しむケースも見られます。

ストレスの軽減方法は地域ごとに特色あり

いろいろなストレス軽減方法を都県別に比較すると、地域ごとに特色があります。東京では、トップの日曜大工・DIYとともに森林浴やヨガが人気です、埼玉のトップはピラティスであり、汗を拭く、日曜大工・DIYと続きます。神奈川もピラティスがトップですが、以下は森林浴、プラネタリウムです、茨城ではお腹いっぱい食べる、千葉では部屋の模様替えがそれぞれトップを獲得しています。地域で違いはあるものの、いろいろな方法がストレス軽減に役立つと理解できます。

ストレス軽減のために企業にできる対策

従業員の通勤ストレスを軽減するために企業にできる対策は、時差通勤、テレワーク、家賃補助などです。

時差通勤

時差通勤が導入されると、従業員は社内規定の範囲内であれば出社時間を遅らせても問題ありません。過酷な満員電車での通勤を避けやすくなるためビジネスマンからの評価は高く、企業に希望する改善策のなかで1位を獲得しています。最近は、オリンピック開催を前に東京都で「時差Biz」を推進中です。大勢の観光客の訪問に備えた通勤ラッシュの緩和や通勤時のストレス軽減による生産性の向上を目指しているので、関心があれば参加してみるとよいでしょう。

テレワーク

テレワークは、普段の職場から離れた場所で仕事を進める働き方です。大きく分けると、在宅勤務、仕事の移動先やカフェで作業するモバイルワーク、勤務地以外の施設をオフィスに利用するサテライトオフィス勤務の3種類があります。いずれも自分の職場に出勤する必要がなく、なかでも在宅勤務は自宅を出なくてよいため電車移動から解放されます。ただ自宅では公私を区別しにくくなる場合があるため、導入時には実施方法を社内ルールで明確に決めておくことが望まれます。

家賃補助

従業員の通勤時間を短縮するなら、職場の近くに住んでもらう方法が効果的です。職場が都心のオフィス街にある場合、近隣の賃貸物件に住むと家賃は高くなると考えられます。生活費の問題が生じた時には、家賃補助も組み合わせるのが得策です。職場が近ければ、満員電車での遠距離通勤は無縁になります。

短時間で出社できるなら、仕事の準備にも余裕が生まれるでしょう。家賃の心配もなく落ち着いた気持ちで業務に臨めれば、勤務中の集中力は高まると期待できます。仕事を円滑に進めて会社の生産性を上げるためにも、従業員がそれぞれの方法でストレスを解消するだけでなく経営側による負担軽減策の導入が望まれます。

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