無関心は禁物!LGBT(LGBTQ)とは

更新日:2023.04.05スタッフブログ

LGBT

LGBT(LGBTQ)に関するニュースは差別的なものからポジティブなものまでさまざまですが、近年ますます身近な話題として扱われるようになってきました。それもそのはず、今では全人口の8.9%がLGBTQに該当するともいわれています。しかし、本人がカミングアウトするケースは稀であるため、普段から相手がLGBTQかもしれないと意識しながら接しているという方は少ないのではないでしょうか。多様性を尊重する社会生活を営むためには、LGBTQの知識がなければ不用意に誰かを傷つけてしまうことがあると考えられます。ビジネスシーンでの人間関係を円滑にするために覚えておきたい、LGBTQの基本知識や注意点などをご紹介します

LGBTとは?

LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を取って並べた言葉で、性的マイノリティーの総称です。それぞれを簡単に説明すると、以下の様になります。

L=レズビアン

自身の性自認が女性で、性的思考が女性に向くセクシュアリティーです。女性同性愛者といわれることもあります。

G=ゲイ

自身の性自認が男性で、性的思考が男性に向くセクシュアリティーです。男性同性愛者といわれることもあります。

B=バイセクシュアル

恋愛感情や性的思考が、男性・女性のどちらにも向くセクシュアリティーを指します。両性愛者といわれることもあります。

T=トランスジェンダー

自身の性自認と身体的性が一致しないセクシュアリティーのことです。性同一性障害と混同して考えられてしまうことが多いですが、厳密には違う意味を持ちます。性同一性障害とは、心と体の性別の違いに違和感を覚え、性別適合手術などの身体的治療を望む方が抱えている障害のことです。

LGBTの枠に収まらないLGBTQ

ひとことでLGBTといってもこれだけ違った価値観がありますが、性的マイノリティーの枠はLGBTだけにとどまりません。人の性はグラデーションと表現されることもあるように、性は男性と女性のふたつに分けることはできないほど多くの種類があるのです。LGBT以外のセクシュアルマイノリティーを表すために、LGBTQと表記されることもあります。LGBTQのQとは、クエスチョニング(Questioning)、クィア(Queer)というふたつの言葉の頭文字を取っています。

クエスチョニングとは、自分がどの性にも値しないと感じる、まだ分からない、などの理由で自分の性自認や性的思考が定まっていないセクシュアリティーを指します。または、あえて定めない方が生きやすいとして意図的に定めていない方もいるようです。

クィアは、もともと性的マイノリティーに対する理解がなかった時代に、ゲイを差別的な意味合いで侮辱する言葉として使われていました。しかし20世紀終盤以降は、侮辱されてきたマイノリティーが一種の開き直りの態度とともに、あえて自身らを指し示す言葉として使うようになります。今ではクィアはゲイだけではなく、マイノリティー全体を包括する概念として使われています。マイノリティーが「マイノリティーではなく、単なる人間である」ことを主張している力強い言葉です。

また、他人に対して恋愛感情や性的欲求も抱かないアセクシュアル、男女どちらともいえない性自認を持つXジェンダーなど、他にも数えきれないほどのセクシュアリティーが存在しています。そういった多様なセクシュアリティーに配慮するために、LGBTQ+と表現されることもあります。

SOGIとは?

性的指向(Sexual Orientation)と、性自認(Gender Identity)の頭文字を取った言葉です。LGBTといってしまうと性的マイノリティーだけに焦点を当てた話になってしまいますが、SOGIは、性的指向や性自認という誰もが持っている属性のことを意味します。私たちには一人ひとり別のSOGIが存在しており、それが異なったとしても差別するべきではないという観点から用いられるようになった言葉です。

LGBT(LGBTQ)に対するハラスメント

2014年7月の男女雇用機会均等法指針改正により、異性間のみならず同性間の言動でもセクハラが認められるようになりました。日本人は特に性に対して無関心な方も多いため、無意識の内にLGBTQに対してハラスメント発言をしてしまうこともあるようです。LGBTQに対する理解を深め、差別のない職場を目指しましょう。

LGBTQを正しく理解しよう

LGBTQを理解するうえでもっとも大切なのは、性は男性・女性の2種類しかないという概念に縛られないことです。しかし、LGBTQという言葉が浸透してきたとはいえ、性は必ず男性か女性かに分けられる、という概念はいまだに社会に蔓延しています。まずは性的な問題を軽視せず、正しい知識を身につけることが大切です。

SOGIハラスメント(ソジハラ)とは

ソジハラとは、カミングアウトの有無を問わず、個人の性的指向や性自認に関することを笑いの対象にしたり冷やかしたりすることです。SOGIは人それぞれ違うグラデーションの様なものであるため、わざわざマイノリティーを区別する様なものではないと考えられます。一人ひとり違うのが当たり前で、自分のSOGIがマジョリティーであるという考えがなければ、この様なハラスメントはなくなるはずです。

ビジネスシーンにおける注意点

カミングアウトがないとしても、職場や取引先のうち、誰かがLGBTQの可能性があるものとして接するべきといえます。無意識の内に相手を傷つけてしまうことのないよう、普段からしっかり意識しておくことが大切です。ビジネスシーンで気をつけておきたい注意点を、いくつかご紹介します。

ストレートであることを前提として質問しない

例えば、男性に対して「彼女はいますか?」「好きな女性のタイプは?」など、男性は女性が好きになるということを前提とした発言はしないようにしましょう。特に初対面では注意が必要です。相手が性別や関係性を口にする前は、彼・彼女といった性別を限定する表現は避け、恋人・パートナーなどに言い換えると良いでしょう。

LGBTQをひとくくりに考えない

LGBTQとひとくくりにいっても、SOGIも抱えている悩みもそれぞれ違います。LGBTQに対するイメージで決めつける様なことはせず、当事者の声を尊重し取り入れるようにしましょう。

カミングアウトを強制しない

LGBTQの方でも人それぞれ悩みごとやその度合いは違うため、周囲にカミングアウトしたい方もいれば知られたくないという方もいます。相手がもしかしてLGBTQかもしれないと感じても、カミングアウトを強制する様なことはやめましょう。もちろん自分にカミングアウトしてくれたとしても、本人の許可もなく周囲に漏らすのはマナー違反といえます。

アライの意識を深めよう

LGBTQの理解者や支援者のことを、英語の同盟者=Allyであることから「アライ」と呼びます。性的マイノリティーに悩む方にとって、アライの存在は非常に大きな励みになります。職場にひとりでもアライがいるだけで心理的な安心感が生まれるため、勤続意欲が高まるという方も多いようです。

まずはLGBTQについて学び、カミングアウトをしていないLGBTQの方のためにもアライであることを自ら周りに表明してみましょう。社内で啓発活動を行ったりLGBTQ関連のイベントに足を運んだり行動に移すことができれば、さらにLGBTQの方々が働きやすい職場環境になるでしょう。

LGBT(LGBTQ)に無関心のままでは、知らず知らずのうちにLGBTQの方を傷つけ、精神的な負担を強いてしまう恐れがあります。自らのSOGIがマジョリティーであるという考えは捨て、LGBTQへの理解を深めましょう。今の時代、どの様な言動や行動がハラスメントに該当するのかをしっかり学ぶことは、大切なビジネスマナーのひとつといえます。多様性を認め尊重し合える職場は、LGBTQ以外のマイノリティーにとっても働きやすい職場といえるでしょう。差別のない、誰にとっても働きやすい職場づくりのために、ぜひ参考にしてみてください。

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