PM理論とは?理想のリーダー像について

更新日:2023.05.30スタッフブログ

PM理論

理想のリーダー像とは何かについて定義づけした研究に、PM理論というものがあります。この内容を理解すると、なかなか自分の作業チームをまとめられず悩んでいる人も効果的にリーダーシップを発揮できるかもしれません。そこで今回は、PM理論の概要とそこで提示されているリーダー像をご説明し、さらに理想的なリーダーに近づくための方法もご紹介します

PM理論があなたを理想のリーダーへ導く!

PM理論とは?

PM理論とはリーダーシップ論のひとつであり、1966年に心理学者の三隅二不二(みすみじゅうじ)が提唱しました。

PとMの概要

PはPerformance function(目標達成機能)MはMaintenance function(集団維持機能)の略です。

そのうちPは、目標の設定や目標達成・課題解決のための計画立案に関わる機能であり、納期を守るためのスケジュール管理や成果を出すためのスタッフ指導が該当します。

一方Mは、集団を維持するために欠かせない良好な人間関係の構築や、チームワークの強化などに関わる機能です。具体的には、スタッフ間に仲たがいが生じた時に調停、あるいは各スタッフに配慮し積極的に話しかけるといった行動を指します。

PM理論によれば、リーダーシップというものはこれらふたつの機能から構成されるとしています。

PM理論の土台

リーダーシップに関する研究には長い歴史があり、1500年代には開始されていたといいます。当時は、世界各地の統治者や統治方法に共通する特性が語られていました。20世紀になると主要テーマは変化し、さまざまな場面でリーダーを務める人々の共通性に論点が移ります。

この流れのなかで、どんな行動がリーダーシップを生むかという問題も議論され始めました。そのなかで、「リーダーシップの役割=集団を発展させること」という考えが生まれ、では集団の発展には何が必要か?という研究が続きます。そこで導き出されたのが、「目標達成」と「集団維持」というふたつの大きな機能です。

PM理論が提示する4つのリーダータイプ

PM理論では、PとMの強度バランスを基準にしてリーダーシップのタイプを次の4種類に分類しています。

リーダーのタイプで効率は変化する

1.PM型:PとMともに強い

このタイプは、いずれの機能にも秀でた理想的なリーダー像です。しっかり各メンバーの心をつかんでチームをまとめ、的確な目標設定や人材育成により確実に成果を出せる能力を持っています。

2.Pm型:Pは強いが、Mは弱い

このタイプはスケジュール調整などがうまく、集団をきちんと指導・管理しながら多くの業務目標を達成できます。しかし、集団をまとめる能力は十分に持ち合わせていません。各メンバーへの配慮に欠ける部分があり、声かけなどを苦手に感じるタイプです。場合によっては人間関係が悪化してしまい、スタッフのモチベーションが落ちる恐れもあります。

3.pM型:Pは弱く、Mが強い

このタイプは、Pm型とは逆のタイプです。集団にあまり的確な指示を出せず、一生懸命に働いてもなかなか成果に結び付けられません。それでも、チームの人間関係を良好に保つことは得意です。長期的な戦略にもとづく業務管理は難しくなりますが、チームワークづくりには適しているといえます。

4.pm型:PとMともに弱い

このタイプは、リーダーシップを構成する機能がいずれも不足しています。集団を引っ張る能力だけでなく一致団結させるスキルも高くありません。そのため、複数のメンバーを率いて組織としての結果を示すことは容易でないといわれています。

2~4のタイプは、得手不得手が同じではありません。リーダーとしての能力を高めるためには、各タイプに合わせて適切な方法を選ぶ必要があります。

リーダーとしての能力を高める方法

PとMの機能を伸ばす場合、それぞれ必要な要素が異なります。どの要素を育てれば不足している部分を補えるか知っていれば、理想的なリーダー像に近づきやすいでしょう。

P機能の補強に必要となる要素

P機能(目標達成・課題解決機能)を強くするためには、「ゴールの明確化」という要素が欠かせません。ゴール地点をはっきりさせると、目標へ向かう意識が高まり、そこまでの道のりもイメージしやすくなるためです。

ゴールを明確化するリーダー

同時に、「行動の徹底」という要素も大切です。ゴールに到達するためには何をする必要があるか分かっていても、誰もが思い描いたとおりに行動できるわけではありません。ゴール地点を意識するだけでなく目標達成に向けた行動も徹底されると、成果となって現れる可能性も増えるわけです。

M機能の補強に必要となる要素

M機能(集団維持機能)を伸ばす時は、「上司とメンバー」ならびに「メンバー同士」というふたつの側面から考える必要があります。
前者では、リーダーが定期的な面談を実施することなどにより各メンバーの思いを理解しておくと、縦の関係強化に有効です。

M機能の補強をするリーダー

それに対し後者(メンバー同士)の場合、各自が仕事に対してどんな考えや意見を持っているか理解できると、一体感のある職場づくりに役立ちます。会議など全スタッフが発言できる場を設定すると、横の人間関係も風通しがよくなると見込めます。

足りない部分や長所を客観視して、ぜひ理想のリーダーを目指して下さい。

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