ビジネスパーソンが陥りやすい法令違反

更新日:2023.04.20スタッフブログ

してはいけない法令違反

「その行為、ひょっとすると法令違反かも?」法令順守の意識が低いと、知らないうちに法を犯しているかもしれません。決して悪意はなくても、犯罪行為は避けたいところです。そこで今回は、ビジネスシーンで起こりやすい、「知らなかった」では済まされない違反行為をいくつかご紹介します

気をつけたい法令違反のいろいろ

ライバル企業社員と私的交流して技術や情報を流出

ビジネスパーソンの交流範囲は、必ずしも社内に限られません。昔からの友人が同業他社に就職していれば、ライバル企業の社員といっても仕事が終わってから一緒に飲む機会は少なくないでしょう。
相手が親友であれば、お互いに勤務先を気にせずいろいろな話題で盛り上がっても不思議ではありません。そんな時でも、家庭や個人的な趣味についてではなく仕事の話になったら、注意が必要です。どれほど新商品の開発で苦労しているか聞いてほしくても、発売前の試作品について話せば企業秘密の流出につながる恐れがあります。

故意ではなかったからと、許されるものではありません。それほど重要な情報が含まれていない場合でも、戒告や始末書は免れないでしょう。企業の利益を大きく損なうレベルであれば停職や減給処分が検討され、ひどい時は解雇や損害賠償問題に発展します。もし意図的な情報漏洩と判明したら、「不正競争防止法違反」という刑事罰が適用される可能性も皆無ではありません。
とくに新入社員はまだ危機管理の意識が浸透していないと考えられるため、最初の研修ではしっかりした指導が望まれます。

個人情報の違法破棄

会社では、いろいろな場面で個人情報が破棄されます。仕事をたくさん抱えている人は、デスク周りを散乱させないため不要になった資料を次々に処分するでしょう。備品を買い替える都合上、古いパソコン端末が廃棄されることも珍しくありません。

どんなかたちであっても、個人情報を取り扱っている会社は最後まで責任を持つ必要があります。印刷物やパソコンのデータに何かしら個人情報が含まれている場合、安易には捨てられません。現在の個人情報保護法(20条)には、「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい等を防止すべく、安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない」と規定されています。情報を破棄する時も例外でなく、安全性に配慮した方法を選ばなければいけません

今では、適切な手段による廃棄は「法律上の義務」になっています。印刷物であればシュレッダーで細かく粉砕し、パソコンのデータも物理的な破壊や専用ツールによる完全消去が求められます。会社の敷地内であっても情報の中身が分かる状態のまま無造作に放置したら違法破棄に問われる可能性は高く、望ましくありません。

安全に破棄される個人情報

不要備品をネットで転売

会社の備品は、社員でなく会社が所有権を持っています。個人的に持ち出した備品をネットで転売した時は、刑法上の違法行為と見なされます。
まず不要品であっても、会社から勝手に持ち出した時点で会社の動産を盗んだと見なせるため「窃盗罪」の適用が可能です。この罪を犯すと、「10年以下の懲役」または「50万円以下」の罰金に処されます。場合によっては、民法上でも問題になるかもしれません。本人の意思に関係なく、他人の権利や法律で保護される利益を侵害すると「損害賠償」の責任が発生します。

たとえ不要備品の管理を任されていたとしても、会社の許可なくネットで転売し利益を得たら「横領罪」に問われます。この場合は自分が預かっているので「窃盗」にはなりませんが、あくまで会社が所有する財産であり罪は免れません。「業務上横領罪」が適用されれば、刑法により「10年以下の懲役」が科されます。
具体的に何をどれだけ転売したかは、問題ではありません。たくさん在庫があるボールペンのうちの1本でも犯罪は成立するので、会社が承諾しているか注意したいところです。

ライバル企業への転職

ビジネスパーソンは、仕事のストレスが多いと転職を考える機会もあるでしょう。日本では憲法により「職業選択の自由」が保障されており、たとえ転職先が同業他社であっても違法行為には該当しません
一般的に円満退社はなかなか難しく、会社側ともめた場合に争点となる代表的な問題が「競業避止義務(競業禁止規定)」です。会社は自分たちが考案した技術やノウハウの外部流出を防ぐため、退職後にライバル企業へ再就職することを社内規定で禁止していることが少なくありません。多くの職場では、入社時に提出する誓約書や雇用契約書、あるいは就業規則に示されています。

規定違反が発覚した時、まだ在籍している社員は懲戒処分、退職後であれば損害賠償を請求されるケースは珍しくありません。その際、憲法違反かどうかが主な論点になります。これまでの判例では、退職から1年ほどしか経過していなければ規定は有効、3年を過ぎると無効になる傾向が見られます。また、新しい就職先が以前に勤めていた会社の営業範囲内にあるかどうかも判定材料のひとつです。
同業他社への転職自体に違法性はありませんが、できるだけスムーズに退職するためには現在の職場にも配慮を忘れないほうが賢明といえます。

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