東京からの移住希望者が増えている?
更新日:2023.02.27ビジネス豆知識近年、東京都から各地方への移住希望者が増えています。移住希望者はどのような理由から移住を検討しているのでしょうか。今回は、東京からの移住希望者に関するアンケート結果を紹介した後、地方移住でキャリアアップを目指す秘訣や、活用できる助成金制度について解説します。
目次
東京から地方への移住希望者が増えている現状
2020年2月28日、都市住民への移住支援や情報提供を行っている特定非営利活動法人「100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター」(以後、「ふるさと回帰支援センター」とする。)は、2019年に実施した地方移住に関するアンケート結果を公表しました。
そのアンケート結果によると、ふるさと回帰支援センターへの相談件数は、年間で前年より約20%増加しており、移住希望者が増加傾向にあることが分かりました。実際、ふるさと回帰支援センターで行う移住相談会やセミナーは年間で545回、1日1回以上のペースで開催されていて、需要の高さがうかがえます。とくに、首都圏での移住相談会やセミナーの開催が増加傾向にあるようです。
各自治体の単独開催ではなく、つながりのあるテーマではそれぞれが連携して共同開催することもあります。何か特定の分野に興味を持っている場合は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。複数の自治体の話をまとめて聞けるかもしれません。
中高年層の相談が増えている?
ふるさと回帰支援センターのアンケート結果によると、相談者の年齢層にも変化が見られます。2017年、2018年では20~30代の相談者の割合が50%を超えていましたが、2019年はその割合が50%を割り込みました。それにともない、40~60代の相談者の割合が微増しています。若者だけでなく社会の第一線で活躍している方やシニア層も移住を検討している様子がうかがえます。
2020年には新型コロナウイルス感染症の影響もあり、経済が大きく停滞しました。その影響もあり、今後もこういった相談が増えていくと考えられます。
移住希望地はどこが人気?
相談者の移住希望地にも多少の変化が見られます。1位には3年連続で長野県が選ばれました。自然に恵まれた土地であることはもちろん、積極的に自治体の魅力を発信する「出張相談デスク」をうまく活用していることがひとつの要因かもしれません。
2位には、2018年に6位だった広島県が選ばれました。新しい働き方や食をテーマにした移住相談会を開催し、とくに若者を中心に来場者が増えているようです。3位には、首都圏のアクセスの良さを売りにした静岡県がランクイン。お茶や富士山などのイメージも手伝ってか、70代以上の支持が高い傾向にあります。各年代の移住希望地1位について、下記でご紹介します。
□20代以下・・・広島県(11.0%)
□30代・・・長野県(12.5%)
□40代・・・長野県(13.1%)
□50代・・・長野県(13.0%)
□60代・・・長野県(12.7%)
□70代以上・・・静岡県(14.5%)
地方移住のメリット・デメリット
なぜ近年、東京からの移住希望者が増えているのでしょうか。地方移住のメリットやデメリットを確認しつつ、その理由に迫ります。
地方移住のメリット
東京から地方へ移住することのメリットとしては、以下の点が挙げられます。
□住宅の賃料が安い
□自然に囲まれて生活できる
□都会にはない屋外レジャーが豊富
生活するうえで最大のメリットとなるのは、賃料が安い点でしょう。東京都で家賃10万円の物件を探す場合と、地方で家賃10万円の物件を探す場合では、選択肢の幅が大きく異なります。同じ賃料を出すなら、地方のほうが広い家を借りられます。賃料は固定費として毎月の出費の大部分を占めているため、そこを安価に抑えられるのは魅力的です。
地方移住のデメリット
メリットも多い地方移住ですが、都心で生活する場合と比較して注意しなければならない点もあります。
□車がないと移動が不便
□娯楽施設が少ない
□就職先の選択肢が少ない
□ご近所づきあいが必須
人によってデメリットと感じるかどうかは変わりますが、東京での生活と大きく異なるのが車社会であるという点ではないでしょうか。東京での生活では車が不要とされることも多く、地方への移住を機に購入する必要があります。車は購入コストだけでなく、維持費もかかるため負担に感じるかもしれません。
地方移住でキャリアアップを目指す方法
地方移住する場合、就職先や就職後のキャリアアップについて不安を覚えている方も少なくありません。実際、東京よりも地方のほうが給料が安い、単純な仕事が多いといったイメージが生まれやすい傾向にあります。
都市部と地方のキャリアアップ方法の違い
東京や大阪といった大都市では、「ピラミッド型」と呼ばれるキャリアアップが一般的です。具体的には、給料が上がる、組織内での職位が上がる、特定の分野を突き止めて起業するといったケースが考えられます。
一方地方では、会社の絶対数が少なく平均給与も低いため、都市部のようなピラミッド型のキャリアアップは一般的ではありません。その分、人脈を横へ広げていき、複業といった形で自分が興味のある分野へかかわる「ネットワーク型」のキャリアアップへつなげやすいのが地方の特徴です。ひとつのことを突き詰めるのではなく、自分が興味を持ったこと積極的に取り組んでいく働き方をしたいのであれば、地方が適しているかもしれません。実際、地方への移住者の7割が「キャリアアップにつながった」と回答したアンケート結果も発表されています。
地方でのキャリアアップを目指す際に大切なこと
地方に限った話ではありませんが、キャリアアップを目指すには意識すべきことがあります。とくに大切なのが以下の3点です。
□業界選びにこだわる
□副収入を作る
□周囲に流されない
前述の通り、地方は都会と比べて平均賃金が低い傾向にあります。自分の労働に見合う対価を得るためには、業界選びを徹底的にこだわる、本業とは異なる収入の柱を作ることが大切です。いつしか副業の収入が本業を追い抜く、といったケースも珍しくありません。また、地方は都会と比べてキャリアアップへの意識が薄かったり、副業への理解が進んでいなかったりします。キャリアアップを目指す過程で苦言を呈されることがあるかもしれませんが、必要以上に周囲に耳を傾けすぎないことも大切です。
地方移住に活用できる助成金
地方への移住は、準備期間から実際に引っ越しをして、生活が軌道に乗るまでと考えると時間だけでなく費用もかかります。資金を準備できずに、地方移住を諦めているケースも珍しくありません。政府もその実態は把握しており、さまざまな制度を創設しています。そのひとつが、2019~2024年度の移住に利用できる「地方創生企業支援事業・地方創生移住支援事業」です。
一定の条件を満たすことで、単身者であれば上限60万円、複数人の世帯の場合は上限100万円の範囲内で補助金を受け取れます。起業する場合は、事業内容に応じてプラス最大200万円の支援金も交付されます。この他にも、各自治体が独自に設けている移住者支援制度があります。住まいや子育て、仕事、移住体験など多岐にわたるため、移住を検討している自治体がある場合は一度調べてみても良いかもしれません。
まとめ
さまざまな働き方が生まれ、キャリアアップへの考え方も多様化するなかで、都会ではなく地方でキャリアアップを目指す方も増えています。やみくもに移住するのではなく、どの様な仕事をしたいのか、どの様な人生を歩みたいのか、明確なビジョンを持って行動することが大切です。その際には、助成金や支援制度などを積極的に活用しましょう。
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