OJDについて
更新日:2023.03.09ビジネス豆知識近年は激しい環境の変化によって新しい技術や社会システムが速いスピードで開発、運用されていく時代になりました。そんな環境の変化にも対応できる人材の発掘、育成が必要になってきています。そのため、長期的な人材育成方法であるOJDが注目されています。「OJD」は、On the Job Developmentの略です。OJDにはどのようなメリットがあるのでしょうか。また「OJT」(On the Job Training)との違いは何なのかなども含めて紹介します。
目次
OJDとは何か?
OJDとは、中長期的な視点で人材を育成していく方法です。OJDが誕生した背景には激しい環境の変化に対応できる人材を育成したいという企業の思惑もあります。ただ、労働人口の減少に伴い早急に優秀な人材を育成、確保したいという企業の狙いもあるでしょう。
マネジメント能力の向上を目指して若手社員や新入社員に対してOJDが行われます。上司が直接指導するのが一般的で、日常の業務をこなしながら、マネジメント能力、将来に必要となるスキルを身に付ける方法です。OJDにより若手社員や新入社員を早く即戦力にすることが可能になります。
OJTとの違いは?
OJTも社員研修制度ですので人材育成にはうってつけです。ただ、基本的には入社したばかりの新入社員が日々の業務を覚える、実践するということが目的になっています。OJDとは違い短期的な視点で人材を育成していく方法です。
その点、OJDは新入社員だけでなく若手社員も含めて将来の幹部候補になるような人材を育成します。中長期的な視点で育成していくOJDでは、社員の希望と企業の思いを擦り合わせていくことが可能です。社員は管理職になる前からマネジメント能力や将来必要となるスキルの取得を目指していきます。
そうすることによって、早期に若手社員を即戦力化することができます。OJDにより社員は会社に対して将来の具体的なビジョンを描くことができるようになります。その結果、社員離職率の低下にも繋がります。
OJDのメリット
社員の適性が分かる
OJD研修でマネジメント能力や将来的に必要なスキルを学ぶことにより、社員の適性が分かります。全ての社員がマネジメント能力に長けているわけではありません。能力には個人差があります。OJD研修では年齢や経歴に関係なくマネジメント能力が優れている社員を選別できます。それだけでなく社員を適材適所に配置することも可能になり企業にとっても将来の経営戦略が立てやすくなります。
学ぶ意識に変わる
OJD研修では、社員に自分で学ぶという意識が生まれやすいです。社員が将来的なビジョンを抱くことにより、将来必要なスキルを自ら習得するようになります。その為、OJT研修では生まれにくかった、自ら学ぶ意識が社員の中に生まれます。職場を成長できる環境に変えることで社員の意識も変わります。そういう人材が職場内に増えることで企業としても成長できます。
即戦力社員が育成できる
OJDでは上司がマンツーマン指導をすることで、難易度の高い仕事を若手社員に任せることができます。上司はサポートにまわり、若手社員にいろいろな仕事を経験させましょう。若手社員はたくさんの成功と失敗を経験することで即戦力になる為に必要なスキルを身に付けることができます。即戦力社員がたくさん育つことは企業にとってメリットでしかありません。
OJDのデメリット
上司に負担がかかる
OJDを導入してマンツーマン指導をすることが若手社員の成長を促すのは間違いありません。しかし、指導する上司は、自分の業務もこなしながらになる為、負担が多くなります。企業は、指導する上司に対してのサポートも忘れてはいけません。
すぐに結果が出ない
OJD研修は中長期的な視点で見て初めて結果が分かります。半年や一年では結果が出ないこともあります。その為、定期的なフィードバックが必要です。それを怠ると、すぐに結果が出ないOJD研修がうやむやになってしまう可能性があります。そうならないように、企業側のサポートが必要になってきます。明確にゴールを決めておくことも必要です。
上司の能力に左右されやすい
OJD研修は若手社員にたくさんの経験を積ませて成長させる研修です。そのため、サポートする上司の能力で研修が上手くいくか、失敗に終わるかが左右されてしまいます。マネジメント能力を育成するというOJD研修の特性をしっかりと理解していない上司だと結果的にOJT研修と変わらなかったということにもなりかねません。
若手社員が積極的にOJD研修に取り組めるようにするのも上司の役目です。マネジメント能力の向上に主体を置いたOJD研修。若手社員が積極的に仕事をこなし、たくさんの成功と失敗を繰り返すことで将来的に必要なマネジメント能力やスキルを身に付けます。
OJD研修を上手く活用すれば、即戦力社員や将来の幹部候補が育成できます。離職率の低下も見込めますので、この機会にOJD研修の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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