ウェルビーイングとは
更新日:2023.03.01ビジネス豆知識政府はワーク・ライフ・バランスの充実を目指して色々な働き方改革を実行しています。ワーク・ライフ・バランスが実現すれば労働者の労働環境を改善することができます。ただ、それだけではなく労働者の健康も大切です。そこで注目されているのがウェルビーイングです。今回はウェルビーイングについて紹介します。
目次
「ウェルビーイング」
well-being(ウェルビーイング)は直訳すると、幸福、健康、幸福な状態という意味です。同じ幸福を表す言葉でhappiness(ハピネス)がありますが、少し意味が違います。happiness(ハピネス)は嬉しいとか楽しいなどの心理状態を表します。well-being(ウェルビーイング)は心も体も健康である状態を表します。
ウェルビーイングとは、身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態、満足した生活を過ごすことができる状態であることを指します。1946年に署名された世界保健機関WHO憲章の全文において健康の定義が以下のように記載されています。
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
もともと、ウェルビーイングは社会福祉の分野で利用される専門用語でした。近年は、ビジネスの分野でも使用されるようになりました。ウェルビーイングという概念が企業の経営方針や組織のあり方として取り上げられることが多くなっています。
ビジネスの場面で使われるウェルビーイングは、従業員一人一人が身体的にも精神的にも健康である状態が企業にとって良いということです。ウェルビーイングに着目することで、従業員のモチベーション向上、人間関係の改善、帰属意識の向上に繋がります。
ただ、現代は多様な働き方が求められ、自分らしく働ける環境が求められるようになっています。若者の人口減少による人材不足の解消、人材の定着を促すには高給与、高待遇だけでは解消することが難しくなっています。身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態、全てが満たされた状態であるウェルビーイングを重視する組織経営にすることが、離職率の低下や優秀な人材の確保に繋がります。
ウェルビーイングが注目される理由
生産性の向上が求められるようになった
幸福な従業員は不幸せな従業員を比べて生産性が上がることが報告されています。ウェルビーイングによって身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態、全てが満たされた状態であれば、生産性が高くなることが容易に想像できます。人材が不足している状態で優秀な人材を確保することが簡単ではない時代です。企業にとっては、従業員の生産性が向上することは喜ばしいことです。そのために、ウェルビーイングは必要です。
国が健康経営を推進している
経済産業省が主動となって健康経営が推進されています。健康経営優良法人認定制度の導入や、健康経営銘柄として優れた健康経営を実践している上場企業を認定しています。企業にとっては健康経営を実践するにあたりウェルビーイングは必要不可欠になっています。ウェルビーイングによって身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態、全てが満たされた状態、それを維持するということが健康経営を進める上で重要です。
ウェルビーイングのメリット
身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態を維持できる
ウェルビーイングを推進している企業は、劣悪な職場環境にならないように取り組んでいます。ウェルビーイングを推進している企業で働く従業員は、働きやすい職場で身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態を維持することができます。
人間関係が改善する
離職する原因の上位に入る職場の人間関係。職場の人間関係は従業員のウェルビーイングに影響します。ウェルビーイングが上手くいかないと、ストレスの多い職場になってしまい、人材の確保が難しくなります。ウェルビーイングが上手く機能している企業では、人間関係のストレスも減ります。結果的に人関係が改善します。
自分の状態が把握できるようになる
ウェルビーイングを導入している企業では、従業員のウェルビーイング度を測定するシステムを導入している企業もあります。その場合、客観的に自分状態を知ることができ、今までは気付かなかった自分の状態に気付くことができます。また、自分とってのウェルビーイングはどのようなことなのかを考えるいい機会にもなります。
ウェルビーイングの導入方法
一気に改革するのは大変ですので、自社でできることから少しずつ取り組んでいけばよいと思います。
労働法の順守と確認
労働法を遵守するのは当然のことですが、現状で労働法を守れているのかどうかをチェックしましょう。改めて確認してみると、有給休暇が取れていない、労働時間が長くなっている、休憩が取れていないという状態になっているかもしれません。まずは、労働法を遵守できているかどうかからチェックしましょう。
社内制度の見直し
現状の福利厚生制度はどのようなものがあるでしょうか。従業員が活用することができていない福利厚生制度はないでしょうか。自社の福利厚生制度の見直しをすることで従業員に活用されていないものを削除して、従業員全員が活用しやすい制度を導入しましょう。こうした見直しがウェルビーイングに繋がります。
ストレスチチェック制度の実施
2015年から常時50名以上の従業員を雇用している事業所に義務付けられたストレスチェック制度。従業員のストレス度合いを把握することがウェルビーイングに繋がります。また、従業員も自身のストレスを知ることで早めの対処をすることが可能になります。
ウェルビーイング度を測定するシステムの導入
ウェルビーイング度を測定するシステムの導入によって、客観的に自分の状態を知ることができます。企業としてもウェルビーイングを推進するために必要なことを知ることができます。ウェルビーイングが従業員に浸透、定着しているかを見極めることもできます。企業全体でウェルビーイングに取り組むためには、ウェルビーイング度を測定するシステムを導入するのが近道です。
今回はウェルビーイングについて紹介しました。これからの時代はどの企業もウェルビーイングに取り組んでいかなければいけない時代になるでしょう。企業としてできることから少しずつ取り組んでいくことが未来に繋がります。この機会にウェルビーイングを導入してみてはいかがでしょうか。
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