長電話を上手にさばく電話応対術
更新日:2023.03.23コールセンターコールセンターや企業のお問い合わせ窓口では、基本、どんな電話でも丁寧に対応することが求められます。とにかく誰かと話したいだけの電話でも厄介なクレームでも、例外ではありません。とはいえ、業務に支障を招く長電話は上手にさばく必要があるでしょう。そこで今回は、さまざまな長電話に対処するうえで効果のある応対術や注意点、電話の内容がクレームだった場合の対応方法などをご紹介します。
目次
漫然と話を聞くのではなく一工夫
電話が長引いている時、漫然と聞き続けていても会話が終わるとは限りません。一度、退席するなど、ひと工夫入れると電話を切りやすくなります。
何か理由をつけて退席
コールセンターや企業のお問い合わせ窓口に電話するお客様の用件は、多種多様です。電話によっては、商品に関する質問でなく世間話が主な目的の場合もあります。実際、人の良いオペレーターが5時間以上にわたり業務とは関係ない話に付き合わされた事例も知られています。
こんなケースでは、多くの場合、ただ話を聞いているだけだと電話は長引くばかりです。会話の途中でも、「上司に呼ばれてしまった」などの理由をつけて退席するのが賢明と考えられます。大切なお客様を、そのまま放置するわけにはいきません。少し時間が経ったら「緊急の用件が入った」と挨拶して電話を切るといった方法が、長電話を避けるのに有効です。
対応を変わってもらう
誰かと会話するのが目的で電話してくるお客様の場合、自分の話をきちんと聞いてくれるオペレーターが見つかると繰り返し指名してくるケースがあります。
お客様の頼みだからと要望に応え続ければ、なかなか問題は解決しません。毎日、同じ時間に電話してくる事態になると、担当オペレーターが徐々にストレスを感じる可能性もあります。
そんな時には、1人で無理せず他のオペレーターや上司に変わってもらうのが得策です。担当が変更することでお客様に「何度も指名して迷惑をかけたかもしれない」と気付いてもらえれば、事態の収拾につながります。
注意したいのは、誰に業務を引き継ぐかです。愛想のよいオペレーターでは改めて指名される恐れがあります。適任といわれるのは貫禄を感じさせる男性スタッフです。
欧米で採用されている解決策
お問い合わせ窓口における長電話の問題は、国内に限られた話ではありません。欧米では専門スタッフを配置し、問題解決に取り組んでいるところも見られます。
欧米の場合、専門スタッフとして採用されているのは年配の方です。このスタイルを導入したのは、話し相手を求めて電話してくるお客様に高齢の方が多かったためでしょう、世代が近ければ会話は弾みやすく、お客様に喜ばれる可能性は高いと考えられます。
国内でも、世間話したくて長電話になるお客様が高齢であれば電話対応するオペレーターも同じ年齢層のほうがよいかもしれません。電話を切らずお客様が満足するまで話を聞くスタイルで対応するなら、オペレーターの年齢構成を工夫するのも効果的といえます。
曖昧な受け答えはよくない
電話の途中で退席するかどうかを問わず、長電話を防ぐうえで曖昧な受け答えはよくありません。退席時や担当が変わる時には、その旨をはっきり伝える必要があります。
退席時の理由説明は明確に
お客様の会話が延々と続いても、途中で遮るのを申し訳なく思うのは自然です。長電話を防止するためとはいえ、退席すると口に出すのは気が引けるでしょう。
それでも、退席理由は明確に示さないと簡単にはお客様に納得してもらえません。いろいろ話したいお客様は、オペレーターが「ちょっと用事がある」というくらいでは「もう少しだけ」と引き止めてきます。
多少のためらいを感じても、退席時には「上司に呼ばれた」「緊急の用件が入った」「業務時間が終了した」と明確に表現しましょう。お客様の多くは悪気があるわけではないので、迷惑になっていると理解すれば会話中でもこちらの申し出を受け入れてくれるものです。
担当者の変更もはっきり告げる
繰り返し指名してくるお客様の電話を受けて担当者を変更する際にも、はっきり告げることを心がけましょう。
その際、お客様は「自分と話すのが嫌になったのでは?」と感じる可能性があります。そんな心情を察すると、オペレーターは担当を変わることでお客様を傷つけないか心配になるかもしれません。
気持ちに迷いが生じてこちらの意志表示を曖昧にすると、担当を変わるのは難しくなりがちです。「今日は声の調子が良くない」あるいは「いま別のお客様を待たせている」と理由を加えれば、スムーズに話を進められるでしょう。
担当を変更する原因があくまで自分の側にあると説明すれば、お客様に不快感を与えないか不安に思わずに済みます。
主導権はこちらがもつ
お問い合わせ窓口では、高度な専門知識を必要とする質問が寄せられ電話が長引くこともあります。マニュアルがあっても、速やかに処理できるとは限りません。
マニュアルを探しても適切な回答例が見つからないと、うまく案内するのは困難になるものです。ただ、そこで戸惑っていてもお客様は待ってくれません。言葉を濁している間にお客様が次々と質問してくれば、話はまとまらず長電話になります。
マニュアルに答えがなくても、主導権は自分でもっていることが大切です。返答せず口を閉ざすと、こちらのペースで会話を進められません。手に負えなければ「勉強不足ですみません」と謝罪し、専門知識のあるスタッフにすぐ引き継ぐのが長電話を防ぐ近道です。
長電話がクレーム内容だったら?
長電話がクレーム内容の場合、たいていお客様はオペレーターの話を聞かずひたすら怒り続けていると考えられます。どれだけ待っても解決の糸口が見えなければ、時には、きっぱりした態度で会話を中断するのも効果的です。
最初は通常スタイル
電話でクレームを受けた際、最初は通常通りマニュアルにしたがったスタイルでかまいません。誠意をもってお詫びし、事実関係を確認したうえで解決策を探っていきましょう。ある程度の時間が経過してもお客様の訴えが終わらず、「何かおかしい」と感じたらモードチェンジです。「いますぐ結論を出せない」といった主旨の言葉を伝え、とにかく会話を切ります。お客様によっては、理不尽なことを要求してくる場合があります。何か無理難題をいわれたら、「その要望にはお応えできかねます」とこちらの意思を明確に示してから受話器を置きましょう。
電話をかけ直してきたら
お客様の承諾を得ないまま電話を終えると、かけ直されることもあります。「まだ、話は済んでない」あるいは「会話の途中で電話を切るな」と叱責されても、お断りの姿勢を変えてはいけません。お客様の言い分に関係なく、「この場で結論は出ない」や「要望には応えられない」とだけ繰り返します。多くのお客様は、どれだけ感情が高ぶっていても数回にわたって電話をかけると体力を消耗します。こちらが断り続けると、クレームに慣れているお客様でも諦めてくれるケースが少なくありません。
対応はあくまで丁寧に
この方法でクレーム処理する際に意識したいポイントは、お断りの姿勢を崩さないことと丁寧な対応を忘れないことの2点です。
一度目はきっぱり断っても、再び電話があった時にこちらが態度を和らげるとお客様は話しやすくなってしまいます。結論は出ないと伝えたとしても、会話に耳を傾けていたら長電話を防げません。
何より、電話の用件に関係なくお客様には丁寧に対応するのが基本です。理不尽な要求を腹立たしく思っても、感情的になってはいけません。クレーム処理で長電話になっても、他のお客様と差別することなく相手の心情に配慮しながら電話対応することが大切です。
ただ、さまざまなお問い合わせのなかでクレーム処理はとりわけ精神的な負担が大きくなります。長電話になった時に早期解決するには、担当オペレーターに処理を一任せず職場全体で協力することが望ましいと考えられます。
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