マナー違反?「ライバル会社への転職」
更新日:2022.05.06スタッフブログ社員は競業避止義務があり、在職中は会社との競業(兼業など)は避ける必要があります。一方、退職すると職業選択の自由が認められます。しかし会社によっては、退職後も競業しないことを要求してくる場合があります。そのため、ライバル会社に転職しても問題ないか迷うところです。そこで今回は、就業避止義務の規定内容を踏まえて、この規定が退職後にどれくらい効力を維持するかをご説明します。
競業避止義務の内容や適用範囲
競業避止義務とは?
競業避止義務とは、労働法に定められた在職中の競業(兼業など)を禁止する規定です。在職中は、会社とライバル関係になることを許されていません。社員は、競業によって会社に不利益を与えてはいけないという義務が課せられています。
たとえば、労働者は雇用関係にある会社と競合している企業では働けません。会社に勤務しながら、ライバル会社でアルバイトしたら義務違反になります。その際に、会社の機密情報などを漏洩される恐れがあるからです。また、個人的にも勤務している会社と競合してしまう業務は行えません。個人的に自宅で起業する場合、在籍している会社と同じ業種であれば顧客を取り合うことになるからです。
つまり、この義務規定は基本的に社員を対象としています。退職したら会社との契約関係はなくなりますから、通常であれば法的な拘束力が失われると考えられています。
契約書にサインしても効力は限定的
会社を退職すると労働法の競業避止義務ではなく、「職業選択の自由」が適用されます。退職者が、ライバル会社に再就職する可能性も否定できません。そこで問題となるのが、機密情報の漏洩や人材の引き抜き、ノウハウの流出などです。
この事態を避けるために、会社側は退職者に対しても競業避止義務に従うことを求める場合があります。たとえば人事や経理に関わる重要なポストを担っていた人は、競業したら会社に損失を与える可能性が高いと考えられます。そのため、競業避止義務を定めた契約書にサインを求められことが少なくありません。
ただし、その場合も含めて競業避止義務の適用範囲は限られます。一定期間が過ぎたら契約書にサインしていても義務に従う必要はなくなり、適用される地域も日本全国ではありません。これらの条件をクリアしていれば、立場に関係なくライバル会社への転職も可能となるのです。
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