コンタクトセンター向け音声認識システムとは?メリットや導入の際に確認したいポイントについて解説
更新日:2023.01.30スタッフブログお客様対応の窓口となるコンタクトセンターは、品質を向上させて顧客満足度を高める役目を担います。対応品質向上のために近年、注目されているのがAI(人工知能)を利用した音声認識システムです。本記事では音声認識システムの基本的な知識や解決できる課題、採用する際の注意点を解説します。
目次
コンタクトセンター向け音声認識システムとは?
コンタクトセンター向け音声認識システムとは、AIの音声認識機能を活用して、オペレーターを介さずに自動で電話対応をしたり、オペレーターや運用管理者の業務をアシストしたりする機能のことです。
コールセンターに電話した際に自動音声が「〇〇の要件は1を」などのガイダンスで応対するのが自動対応の代表的な例です。AIによる自動対応は、IVR(自動音声応答装置・Interactive Voice Response)を利用したもので、今では一般的になりました。IVRは今後もさらなる進化が期待されています。
現在、コンタクトセンターなどで注目されているのは、AIが音声をテキスト化してオペレーターや管理者業務をアシストする機能の方です。音声をテキスト化する音声認識システムは、特に顧客と対話するコールセンターで活用されています。
オペレーターや管理者の業務を効率化する音声認識システムに注目が集まっている背景には、コンタクトセンターのさまざまな課題があります。では、音声認識システムはコンタクトセンターのどのような課題解決に役立つのでしょうか。
コンタクトセンターの課題
多くのコンタクトセンターでは現在、慢性的な人手不足が課題となっています。人不足の原因はコンタクトセンターのニーズが拡大し続けている一方で、オペレーターのなり手が少なく、離職率も高いという需給のアンバランスです。
コンタクトセンターでスタッフのマネジメントを担当する運用管理者は、人手不足に対応しながらも、オペレーターの対応品質向上のために教育や指導を行わなければなりません。そうした課題を解決する手段の一つとして今、AIによる音声認識システムが注目されているのです。
コンタクトセンターで音声認識システムを活用するメリット
コンタクトセンターが抱える上記のような課題に対して、音声認識システムはどのような効果をもたらすのでしょうか。ここではコンタクトセンターで音声認識システムを活用するメリットを紹介します。主なメリットは次の4つです。
- 通話の内容を確認しやすくなる
- クレーム対応の見直しができる
- オペレーターの教育や指導に役立つ
- 人件費が削減できる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
通話の内容を確認しやすくなる
運用管理者は応対品質向上のため、お客様とオペレーターの通話内容を、定期的にチェックしたり分析したりする必要があります。複数の通話を最初から最後までチェックしようと思うと、かなりの時間が必要です。
音声認識システムで通話内容をテキスト化すると、運用管理者の確認業務を圧縮できます。目でテキストを追うことで、聞き直しや聞き漏れもなくなり、複数の通話のチェックを短時間で終わらせることができるでしょう。
クレーム対応の見直しができる
顧客満足度向上のためには、クレーム対応の品質向上も重要です。クレーム対応には顧客のクレームの真意を理解したうえで、適切に対応することが求められますが、その際も音声認識システムは効果を発揮します。テキストでクレーム内容を見直せば、顧客がどのようなことに不満を感じているのかを視認できるためです。
音声認識システムのなかには、声のスピードや声色、抑揚などから感情を分析できる機能を持っているものもあります。お客様がどのようなことを訴えているのかを理解しやすくなり、よりスムーズなクレーム対応が可能になるでしょう。
オペレーターの教育や指導に役立つ
コンタクトセンターには、トークスクリプトや新人研修のテキストなど、オペレーターの教材の作成が欠かせません。教材を作る際は過去の通話記録がテキスト化されていると、作成が容易になります。例えば優秀なオペレーターの応対を具体的な見本にすれば、オペレーターも理解しやすいはずです。
また通話記録があることで、オペレーターに対する適切な指導やフィードバックが可能になります。音声認識システムのなかには間違った敬語を使用した場合に、矯正用のポップアップが表示される機能を持つものもあります。直すべき言葉遣いや不適切な文言をその都度見つけて、指導を行えば、オペレーターのスキルアップに役立つでしょう。
人件費が削減できる
音声認識システムを導入すると、書類作成の時間などを短縮できるためオペレーターの業務が効率化し、顧客対応に要する人数が少なくなるケースが多いです。人件費の削減にもつながるでしょう。
運用管理者が通話記録をチェックしたり、文字起こしをしたりする時間も短縮できるため、その分のコストも削れます。また、オペレーターへのフィードバックで離職率が下がると求人費用のコストダウンもできるかもしれません。
音声認識システムを導入する際に確認したいポイント
メリットが多数ある音声認識システムですが、現時点ではまだ、課題や発展途上な面も残されています。システムによって性能にも差があるため、導入の際は以下のような点を確認しておくとよいでしょう。
音声認識の精度はどの程度か?
音声認識システムを導入する際、確認しておきたいのが、音声の「認識率」です。認識率とは実際の音声をどれほど正確に認識してテキスト化できるかを表す精度のことです。
音声認識システムはまだ人間の耳ほど、正確に言葉を聞き取れません。システムによって違いはありますが、一般的に音声認識システムの認識率は8〜9割とされています。特にビジネス利用では「思ったほど正確に再現されていない」と感じることもあるでしょう。
認識率の高い音声認識システムを導入したい場合は、搭載されている語彙の数が豊富で、繰り返し使うことで自動学習する仕組みが備わったタイプのものを選ぶ必要があります。また認識率を上げていくには、定期的なテストやメンテナンスを行う必要があり、ランニングコストも必要です。
データは活用しやすいか?
音声認識システムでは音声をテキスト化するだけでなく、テキスト化したデータをいかに活用するかがポイントです。コンタクトセンターのビジネスにデータを活用するためには、データ分析やアプリ連携の知識・技術も必要になるでしょう。
データを有効活用するために大切なのは、音声認識システムの導入目的を明確化することです。「人件費を削減したい」「顧客満足度を高めたい」「オペレーターの教育に活用したい」など、導入の目的をはっきりさせることが大切です。
セキュリティ面に問題はないか?
音声認識システムのセキュリティ面に問題がないかも確認しておきましょう。コンタクトセンターでは、顧客の決済情報など重要な個人データを取り扱います。インターネットを介した音声認識サービスであれば、情報漏洩のリスクを考慮して暗号化対策がとられているなどセキュリティ面で安心できるサービスを選ぶことが重要です。
電話代行サービスを使って電話対応を委託する方法もある
音声認識システムには、さまざまなメリットがある一方で課題や発展途上な面があります。コンタクトセンターへ導入する場合は、目的を明確にした上で、データを活用する体制を整え、セキュリティレベルが十分であることを確認しておきましょう。
オペレーターの質を向上させて、顧客満足度を向上させるなら、電話対応を外部に委託するのも効果的な方法です。今の時代はデジタル情報が流通する一方で、「人間の声」を介したアナログなコミュニケーションも重要視されています。
例えば電話代行サービス(株)では、質の高いオペレーターが、貴社に代わって電話応対をいたします。有効かつ精度の高い依頼先をお探しの企業の方は、ぜひお気軽にお問合せください。
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