スケジュールには余白があったほうが良い?

更新日:2022.11.16ビジネス豆知識

スケジュールには余白があったほうが良い?

仕事のスケジュールは、予定を詰め込むより余白を設けたほうがよい場合があります。心身に負担がかかりにくく、急な予定変更にも対応しやすいことが主な理由です。仕事を適量に抑えると、納期に遅れてしまうリスクは減り、ダブルブッキングなどを防ぐこともできるでしょう。そこで今回は、余白のあるスケジュールのメリットや、実際に空白の時間を設けるコツなどについてご紹介します

ビジネスで望ましいスケジュール

ビジネスで望ましいスケジュール

ビジネスシーンでは、「仕事の予定はたくさん詰まっているほど良い」と思われがちです。ただ、実際は適度に余白のあるスケジュールのほうが望ましいといわれています

予定の詰まったスケジュールの特徴

ベテランや業務経験の豊富な転職者など、即戦力となる優れた人材は、周りから次々と仕事を頼まれることが珍しくありません。社内の会議や取引先との商談、プレゼンテーションなどに参加する機会も少なくないと考えられます。

結果的に日々のスケジュールは、ほとんど絶え間なく業務予定で埋まることが多くなります。この点をふまえた場合、仕事絡みの予定で埋め尽くされたスケジュールは、ビジネススキルや信頼感の高さなどを表しているともいえるでしょう。

そのため、「スケジュールが詰まっているのは、さまざまな仕事を任されている証しである」と考えるビジネスパーソンも少なくありません。

余白のあるスケジュールの特徴

余白のあるスケジュールは、単純に考えれば予定が詰まっている場合よりも仕事量が少ないと判断できます。まだ業務経験の乏しい新人であれば、担当業務が少ない状況は普通です。潜在的な能力は高いと期待されている方でも、ある程度の経験を積むまで大きな責任を伴う仕事は任されず、仕事のスケジュールには余白が生まれやすい傾向です。

ただ、勤務期間が長いベテラン社員であっても、業務予定が詰まっているとは限りません。ベテランは、後任を育成するため自分の担当分を部下に割り当てるケースが増えてきます。また、子育てや家族の介護など、さまざまな事情で仕事量をセーブしている事例も知られます。

このように、ビジネスパーソンの誰もが思う存分に働けるわけではありません。仕事のスケジュールに余白があっても、安易にビジネススキルや信頼感が低いと見なすのは適切とはいえないでしょう。

適度な余白が望まれる理由

普段から過度な業務を抱えている場合、緊急の事態が生じた時などに身動きを取りにくくなります。スケジュール調整を失敗すると、会議や商談のダブルブッキング、あるいは仕事の時間配分に無理が生じる可能性もあります。

過密スケジュールは、体調不良につながる原因ともなり得ます。日常的に大量の業務に追われ、時間だけでなく心の余裕もなくなると、心身ともにストレスは重くなり、健康を害するリスクは増大します。これらの理由から、仕事を健全に進めていくためには、十分に休息できるような余白のあるスケジュールが望ましいと考えられています。

余白のあるスケジュールのメリット

余白のあるスケジュールのメリット

余白のある業務スケジュールの主なメリットは、無理なく働けるうえ、予定を調整しやすいところです。ほかの仕事の進捗を気にせず、それぞれの業務に専念できるメリットもあります。

心身ともに無理なく働ける

仕事のスケジュールに適度な余白があると、心身ともに過度のストレスがかかりにくく、無理なく働けます。たいていの職場では、予期せず急ぎの仕事を頼まれる可能性があります。重要な案件なら、作業中の業務より優先しなければならないでしょう。後回しになった仕事も予定通り終わらせるには、スケジュール調整が不可欠です。

そういった時も、事前に一定の余白を設けておけば、無理に予定を詰め込まずに済みます。時間的に余裕があると、納期に間に合わせるために何日間も遅くまで残業する事態にはなりません。

予定を調整しやすい

適度な余白のあるスケジュールは、予定を調整しやすいところもメリットのひとつです。ビジネスの現場では、お客様や取引先など、多くの人々の都合が関わります。各方面のニーズに配慮する必要があるため、当初の予定通りに作業を進められるとは限りません。

たとえば、さまざまな事情により、商談の日時が変わるケースは珍しくありません。そんな時も、あらかじめスケジュールに余白があると、手間をかけず予定を調整できます。過密スケジュールと比べるとダブルブッキングなどのミスが起きるリスクは減り、周りの印象はよくなるでしょう。

個々の業務に専念できる

スケジュールの適度な余白は、個々の業務に専念できる利点もあります。たとえば、業務の担当分が増えた場合、次々に迫る納期に追われてしまうことがあります。また、一度に複数の業務を抱えた時は、いくつもの納期が気にかかり、進行中の仕事に意識を集中するのが難しくなるかもしれません。

仕事が適量まで減り、たくさんの納期に追われなくなると、時間だけではなく精神的にも余裕が生まれるでしょう。比較的に楽な気分で日々の勤務に臨むことができれば、個々の業務に専念しやすくなると期待できます。勤務時に高い集中力が発揮され、作業効率や生産性が上がれば、仕事する本人だけでなく職場にとってもメリットは大きいといえます。

余白のあるスケジュールを組むには

余白のあるスケジュールを組むには

実際に余白のあるスケジュールを組むには、まず自分が担当する業務を分類・整理することが大切です。次に各業務の優先順位や目標とする締切日を検討し、それから空白時間を設定しましょう。

担当業務の分類・整理

仕事関係のスケジュールづくりで最初に着手したい作業は、担当業務のリストアップおよび分類・整理です。自分が担当する業務内容を一覧で示し、それぞれの仕事の目的、作業量、最終的な期日などを基準に分類・整理します。この時点でリスト漏れがあると後々の時間調整が面倒になるため、単純な作業も一通りリストに挙げます。

各業務を分類・整理する時、とくに重視したいポイントは作業目的の明確化です。あらかじめ自分が何のために作業するのか明らかにしておくと、次のステップで優先順位などを検討しやすくなります。すべての担当業務をリストアップし、作業目的や納期にもとづき分類・整理したら最初のステップは完了です。

優先順位や締切日の検討

次は、リストに挙げた業務すべてについて、優先順位や自分が目標とする締切日を検討します。一般的に仕事の優先順位を決める要素は、納期の緊急性、事業全体での重要度、作業の難易度などです。期日まで猶予がなく重要な業務は優先順位が高くなり、緊急ではあっても重要でなければ順位は下がります。

たいていの場合、業務は少しでも早めに終わったほうが喜ばれます。そのため、自分が目標とする締切日は本来の納期より余裕のある日程に組んでおくのが基本です。また、自分の目標を考える際は、「できるだけ早く」や「来週の中頃」と曖昧に表現せず、具体的な日時を数字で示すことが遅延防止につながる重要なコツといわれます。

空白時間の設定

すべての担当業務の優先順位と目標とする締切日が決まったら、最後は空白時間を設定する段階です。個々の業務予定の間に空白時間を設けておくと、緊急の案件が続いても、各作業が終えたところで一息つけます。休憩時間をとれないと大きなストレスにつながることもありますが、少し休息することで、心身ともに健康な状態を保ちながら仕事できるでしょう。

さらに不測の事態が生じても、空白時間のなかで遅れを取り戻せれば残りの予定を再調整する必要はありません。面会予定や商談日時の急な変更があっても慌てずに済むため、スケジュールには余白を持たせることがおすすめです。

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