アート思考の基礎知識や身に着け方

2021.03.10 更新日:2021.10.26ビジネス豆知識

最近、ビジネスシーンではオリジナリティが重視される傾向にあり、アート思考が注目を集めています。アーティスト的な自由な発想は、独創性のあるアイデアを考えるのに役立つと見込まれています。ただ定義が確立されていないため、いきなり詳細に触れても分かりにくいかもしれません。そこで今回は、アート思考の基本的な知識、ビジネスで必要とされる理由、実際に活用する時の手順や身につけ方をご紹介します。

アート思考を持った女性

アート思考とは何か?

現在のところ、アート思考の定義は確立されていません。ただし、「アーティストが作品を生み出す時の考え方、思考プロセス」を指す場合が多く見られます。

定義はさまざま

アート思考の定義について、現状では人によってさまざまな意見が提示されています。いくつか有識者の意見を見ると、「限りない試行錯誤を経て自分の哲学を成し遂げようとすること」や「A点からB点まで、できるだけいい方法で行くのでなく、B点を発明するプロセス」などと表現されています。ビジネスに関わる定義としては、「革新的なアイデアの発想のために、アーティストが作品を生み出すプロセスを応用する」などの考え方があります。最近、ビジネスシーンでは常識や先入観に縛られない独創的なアイデアが求められているため、アーティストが作品を生み出すプロセスを応用するアート思考が注目され始めました。

デザイン思考との違い

「デザイン思考」は、「アート思考」に似通ったイメージの表現としてよく引き合いに出されます。ただ実際の意味は、同じではありません。商品やサービスのデザインは、基本的に使いやすさを目指します。同時に、お客様の好みに沿うことも重要な課題です。これらのニーズに応えられる形状を具体的に表現するのが、デザインの大切な目的といわれています。デザイン思考は、この目的を果たすための手法です。使いやすさやお客様の好みを重視する考え方であり、自由で独創性にあふれた表現を追求するアート思考の発想法とは大きく異なります。

アート思考の基本要素

さまざまな定義のひとつによれば、アート思考の基本要素は「自分を起点にする」「アウトプットする」「価値観を再定義する」の3つです。「自分を起点にする」とは、自分の気づきや疑問を出発点とする姿勢を指します。特定のテーマについて正解を探るのでなく、重要になるのは自分が「何を思ったか」あるいは「どう考えたか」です。「アウトプットする」では、正解でなく「自分なりの答え」を出すことが求められます。

また「価値観の再定義」は、これまで常識と思っていた価値観を相対化したうえで改めて定義する手続きです。アーティストが作品づくりで主に重視するのは常識的な正解でなく自分の感性です。いまはビジネスでも柔軟な発想により自分独自の考えや新しい視点から商品開発を求められる場面が多く、このニーズに応える手法として「アーティスト的なものの考え方」とも表現されるアート思考への期待が高まっています。

ビジネスで必要とされる理由

いまアート思考がビジネスで必要とされる主な理由は、オリジナリティあふれる商品やサービスを開発するためです。

現在は価値観が多様化

現在は、ビジネスシーンに限らず、変化が激しく価値観が多様化した時代といわれています。かつて国内には、世間一般から圧倒的な支持を得るほどの価値観が存在していました。社会に大きな影響を及ぼした価値観は、さまざまな場面で行動規範になっています。この価値観は、ビジネスの分野でもどんな商品を開発すればよいか判断する際に役立ちました。以前は、社会的に支持される価値観にしたがい新商品をつくれば、ヒットする場合が多かったといわれています。やがて、社会的に支持された価値観を頼みとする従来型の商品づくりは通用しなくなっていきました。

この変化を引き起こしたと考えられている主な要因が、価値観の多様化です。世間では、いつの頃からかこれまで正しいと見なされていた価値観に疑問の目が向けられ始めました。社会的な規範通り、周りと合わせて行動するより個性を重んじる傾向が強まります。商品購入も例外でなく、消費者の間では周りがまだ知らない隠れた逸品を探し求める動きが徐々に増えていきました。消費者の変化で従来の手法はヒット商品を生みにくくなり、多くの会社も変化を迫られます。

商品開発も個性重視へ

消費者が商品購入で周りとの違いを重んじ始めると、それに伴いビジネス界も個性を重視する方向へ移っていきます。個性重視で商品づくりを手がける業種は、多岐にわたりました。さまざまなジャンルの会社が、消費者の購買意欲を刺激するため個性あふれる商品の開発に取り組みます。ただ、たいていの会社はこれまで自由な発想で新商品のアイデアを考えるノウハウが確立していたわけではなく、新たなスタイルでの商品づくりは簡単でなかったと見られています。この課題をクリアするために多くの会社で注目した手法が、アート思考です。

この手法をビジネス分野に応用すれば、従来とは異なる独創的なアイデアで商品開発を進められると考えます。実際、自動車メーカーや外食産業ではアート思考がビジネスに応用されました。いずれも高い評価や売り上げにつながり、この手法が成功した好例といえます。最近は通信業界や金融業界でもアート思考に着目する動きがあり、今後はさらにビジネスシーンで必要性が高まると予想されています。

アート思考の身につけ方

アート思考の身につけ方をいくつか挙げると、書籍を用いた学習やセミナー・ワークショップ・オンライン講座への参加です。

アート思考の実践手順

アート思考を学ぶ場合、あらかじめ実践手順について理解しておくと役立つでしょう。アート思考を実践する手順は、おおまかに発見・調査・開発・創出・意味づけの5段階です。この手順で進めれば、ビジネスシーンにも応用できると考えられています。発見は、「おもしろい」や「価値がある」と感じるものを自分の興味や感性で見つけるステップです。調査では、自分の価値観がどれくらい独創的か検証します。

自分の発想の独創性を高めてビジネスシーンに応用するのが、開発の段階です。創出で具体的な事業プランをアウトプットし、意味づけではプランの意味や目的を周りに分かる言葉で表現します。これらのステップをふめば、他に類例の見られないオリジナル商品の開発につながると考えられています。

書籍を用いて学ぶ

アート思考の身につけ方で、比較的オーソドックスな選択肢は書籍を用いた学習です。現在、アート思考に関連する書籍は数多く出版されています。まだ定義が確立されていない手法であり、どれを読めばよいか選ぶのに迷うかもしれません。おすすめは、自分にとって分かりやすい書籍です。実際に本の中身を確認して難しく感じなければ、仕事に忙しいなかでも多くの時間をかけず読み進められるでしょう。人気書籍は解説が分かりやすいとの声が多いので、一度、目を通してみてもよいと考えられます。

セミナーやワークショップに参加

書籍を読んで興味が増したら、セミナーやワークショップへの参加がおすすめです。セミナーやワークショップに参加すると、アート思考への理解を深められるといわれています。本の内容が物足りなく感じた時は、より詳しく学ぶ場として適しています。その際、先にオンライン講座を見ておくとよいでしょう。オンライン講座は音声や図解つきで解説している場合が多いので、アート思考の複雑な考え方を理解しやすくなります。アート思考は簡単な思考法でなく、すぐに身につけられるとは限りません。それでも長期的な視点に立てば、いまのうちに学んでおくと将来的にはビジネスに活かせると期待できます。

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