ディーセントワークとは

2020.07.29ビジネス豆知識
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ディーセントワークは、SDGs(エス・ディー・ジーズ)17の目標にも取り込まれています。
ディーセントワークとは、働きがいのある人間らしい仕事という意味ですが、具体的にはどのようなことなのでしょうか。今回はディーセントワークについて紹介します。

ディーセントワーク

 

「ディーセントワーク」

ディーセント(decent)は日本語に訳すのが難しいですが、近い言葉をあげれば、まともな、適切な、きちんとしたなどが当てはまります。ディーセントワークは、日本では働きがいのある人間らしい仕事と訳されます。ディーセントワークは、1999年に開かれた第87回国際労働機関(ILO)総会にて活動の主目標として掲げられました。国際労働機関(ILO)は1919年に創設された機関です。世界の労働者のために労働条件と生活水準の改善を進める国連の専門機関でスイスのジュネーブに本部があります。

ディーセントワーク、働きがいのある人間らしい仕事とは、権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事とされています。まずなによりも、仕事があることが基本です。その上で、権利、社会保障、社会対話、自由と平等の4つを確保できていること、そして生活の安定を入れた5つ全てを満たしていることがディーセントワークなのです。また、ディーセントワークでは働きがいのある人間らしい仕事だけでなく、そのような仕事を獲得するための環境整備、グローバル化、貧困削減などへの取り組みも戦略目標とされています。

日本でのディーセントワークは、2012年3月に公表された「ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業報告書(厚生労働省)」によって以下の4つの条件が提示されています。

・働く機会があり、持続可能な生計に足る収入が得られること
・労働三権などの働く上での権利が確保され、職場で発言が行いやすく、それが認められること
・家庭生活と職業生活が両立でき、安全な職場環境や雇用保険、医療・年金制度などのセーフティーネットが確保され、自己の鍛錬もできること
・公正な扱い、男女平等な扱いを受けること

また、2012年7月に閣議決定された「日本再生戦略」では、ディーセントワークを実現する道筋として、国民全員が意欲を引き出し、能力を発揮できる環境整備が必要と提示されています。働きがいのある仕事と共に、育児や介護などの家庭生活を営む上で大切な時期を両立して人間らしく生きる。それが、ディーセントワークなのです。

ディーセントワーク導入のメリット

従業員満足度の向上

週休3日制や短時間勤務などの多様な働き方を企業が受け入れることで、働きやすい環境ができ従業員満足度が向上します。それだけでなく企業にとっても、人材の確保に繋がります。また、業務品質の低下も防ぐことができます。ディーセントワークを導入し多様な働き方に対応できるようにすることで離職者は減ります。仕事と育児や介護などの両立をサポートし、多様な働き方を受け入れれば離職することなく働き続ける人材が多くなります。結果的に企業にとってはプラスになります。

企業イメージの向上

健康的に働ける職場環境作りもディーセントワーク実践の一つです。長時間労働やハラスメントが無く、健康的に働ける企業には、働く人を大切にしているというイメージをもたらします。健康経営優良法人の認定を受けることもできます。従業員にとっては、働きがいのある職場となり、結果的に生産性の向上にも繋がります。

人材不足の解消

ディーセントワークを導入することで人材不足の解消に繋がります。従業員が働きがいのある仕事と共に、育児や介護などの家庭生活を営む上で大切な時期を両立して人間らしく生きることができます。そうなると人材の定着率は上がり、離職率が下がります。離職率が下がるということは、新たな人材を採用する必要がなくなりますので、採用コストの削減にも繋がります。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)の目標にも採択

2015年に国連で採択された「SDGs(エス・ディー・ジーズ)持続可能な開発目標」では、2030年までに国際社会全体の貧困や環境問題を解決すること、平和で安全な暮らしを実現することが目標とされています。その17の目標のうちの8番目に「すべての人のための持続的、包括的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用及びディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する」が組み込まれています。2020年1月にはSDGs(エス・ディー・ジーズ)達成のための「行動の10年」がスタートしています。世界規模で多くの企業がSDGs(エス・ディー・ジーズ)達成に向けて17の目標に取り組むことになります。

ディーセントワーク推進の問題点

認知度が低いのが問題です。日本では、ディーセントワークという言葉を知らないという人が多くいます。内容は分からないが言葉を聞いたことがある人を含めても知っているのは、約1割程度です。日本でディーセントワークを推進している企業は少ないということが分かります。この状態でディーセントワークを推進することができるのだろうかと不安になってしまいます。

ディーセントワーク推進のポイント

厚生労働省が2012年に行った「ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業報告書」で企業のディーセントワークの達成度を評価する項目として7つのポイントが挙げられています。この7つのポイントがディーセントワークを推進するために必要だということです。

WLB軸

年齢に関わらず、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることができる職場かどうかを示す軸です。

公正平等軸

性別、雇用形態に関わらず全ての労働者が公正、平等に活躍することができる職場かどうかを示す軸です。自

己鍛錬軸

能力開発の機会が確保されていて働く人がやりがいを持って働ける職場かどうかを示す軸です。

収入軸

人間らしい生活を営める持続可能な生計に足る収入を得ることができる職場かを示す軸です。

労働者の権利軸

働く上での権利が確保され労働条件や職場環境について、働く人と企業が対等な立場で発言することでき、それが認められる職場かどうかを示す軸です。

安全衛生軸

安全な環境が確保、維持されている職場かどうかを示す軸です。

セーフティーネット軸

条件に合致する人が確実に雇用保険、医療、年金制度などに加入している職場かどうかを示す軸です。

ディーセントワークについて紹介しました。ディーセントワークは、働きがいのある人間らしい仕事と定義されています。SDGs(エス・ディー・ジーズ)の目標にもなっていて世界規模で推進されています。日本では日本再生戦略にも盛り込まれているものの認知度が低いのが問題です。この機会にディーセントワーク導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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