出張する前に知っておきたい!手土産の選び方
更新日:2023.03.23ビジネス豆知識ビジネスシーンにおける手土産は、今後の取引を左右するコミュニケーションツールのひとつです。出張時に手土産を持参するだけで、人間関係が円滑になったり、お客様との距離感が縮まったりします。一方、手土産選びにはセンスが問われ、渡す際のマナー・作法も存在します。本記事では、出張前に知っておきたい「手土産の選び方」やマナーについて解説します。
目次
手土産を制するものはビジネスを制す
ビジネスシーンにおける「喜ばれる手土産」と「喜ばれない手土産」の差を考えてみます。例えば、手土産の定番であるメロンを贈るとしましょう。高級品であるため喜ばれる様に思えますが、メロンを丸ごともらっても、オフィス内に切り分ける場所がなかったり、日持ちしなかったりします。さらに、従業員全員分の量を確保できないといった問題も生じます。
定番の品、あるいは高級品が必ずしも喜ばれるとは限りません。重要なのは、渡す相手とその周囲の人達を考えることです。従業員の多い会社なら、小分けされた手土産がベストです。さらに菓子折りなど、日持ちする手土産は喜ばれる傾向にあります。“手土産を制するものはビジネスを制す”といわれますので、相手の環境やシチュエーションに応じて、心から喜んでもらえる一品を選んでみましょう。
手土産における5W1Hの作法
ここでは、手土産の渡し方とマナーに関する5W1Hをご紹介します。手土産選びをはじめる前に、基本的な作法を押さえておきましょう。
1.何の手土産を持参するか〜What〜
手土産選びはもっとも重要であり、難しいポイントでもあります。まず理解しておきたいのが、「喜ばれない手土産の特徴」です。下記のポイントを押さえるだけで、手土産選びで失敗することがなくなります。
【ビジネスシーンでは喜ばれない手土産の特徴】
◇日持ちしないもの
◇重量があるもの
◇食べるのに手間がかかるもの
◇競合メーカーの商品
◇先方の所在地で販売されているもの(銘菓など)
先述したメロンが良い例ですが、日持ちしない生ものは避けるべきです。常温で2週間以上日持ちするものを選びましょう。荷物としてかさばるもの、重量のある手土産は持ち運びに適しません。会食などで外に出る場合は、軽くてコンパクトな手土産が喜ばれます。
後片付けが大変だったり、切り分けが必要だったりする手土産も好まれません。できるだけ個包装されたものを選びましょう。また意外にしがちなのが、取引先の競合メーカーの商品を持参することです。大変失礼であるほか、商談が水の泡になるケースも考えられます。手土産のメーカー元についても、入念に確認して下さい。
先方の所在地で販売されている手土産は、インパクトに欠けます。例えば、福岡県に出張するとします。地域の銘菓である「博多通りもん」を持参しても、「またこれか」と思われるのが常です。事前に所在地を確認した上で、「当該地域では購入できない一品」を選ぶ様にしましょう。
2.手土産をどこで渡すか〜Where〜
手土産は会議室や応接室で渡すのが基本です。商談中に突然出したり、レセプションで渡したりするのは避けて下さい。現場が慌ただしくなるほか、相手に不快感を与えかねません。「絶対にここで渡すべき」という場所はありませんが、気遣いは必要です。事前に現場での動きをシミュレーションし、相手が受け取りやすい場所の目星を付けましょう。
3.手土産をいつ渡すか〜When〜
手土産を渡すベストタイミングは、ご挨拶や名刺交換が済んだ直後です。もしご挨拶で会話が盛り上がったら、クールダウン後に渡して下さい。会食に誘われた際は、お見送り時に渡すのがコツです。訪問時と渡すタイミングが異なる点に注意しましょう。
4.誰が手土産を誰に渡すか〜Who〜
ひとりで取引先を訪問する場合、もっとも役職の高い方に渡すのがマナーです。座席の座り方(上座・下座)で判断するのも有効ですが、名刺を見て判断するのが確実でしょう。もし上司と一緒に訪問したならば、渡し方を変えます。顔を立てるためにも、上司に手土産を任せる様にしましょう。
5.手土産の渡し方〜How〜
移動にともない、手土産の外袋が汚れている可能性があります。手土産を渡す際は外袋から取り出し、袋を持ち帰るのがマナーです。“かけ紙”の付いた手土産なら、表書きが見える様に手渡してください。
状況によっては、渡した手土産を外袋のまま持ち歩くケースもあります。「袋のまま失礼します」と一言添えれば、丁寧な印象を与えるでしょう。また手土産を渡す際、「つまらないものですが」というフレーズはNGです。「本日はありがとうございました」「召し上がって下さい」と前向きな言葉を添えて渡しましょう。
6.なぜ手土産が必要なのか〜Why〜
手土産には、「今後も良好な関係を築きたい」という意識表示の役割があります。さらに雑談のきっかけになったり、場の雰囲気を和ませたりする効果も期待できます。「絶対に必要」とはいい切れませんが、手土産が自社と取引先の架け橋とする意味で大切です。
【シチュエーション別】ビジネス手土産の選び方と平均予算
手土産の選び方と平均予算をシチュエーション別でご紹介します。お礼メールを筆頭に、出張後の対応も忘れずに行いましょう。
お付き合いの長い取引先に持参する
お付き合いの長い取引先なら、一定の信頼関係が構築されています。よって話題性の高いもの、場の雰囲気を盛り上げる手土産を持参すると良いでしょう。当たり障りのない手土産ばかりでは、マンネリ化を招きます。平均予算は2,000円から4,000円です。毎回持参する手土産ですので、相手に気を使わせない様にしましょう。
初対面の取引先に持参する
初対面の取引先では、相手の好み・趣向を把握するのが困難です。決して奇をてらわず、定番の一品を持参するのが安全でしょう。平均予算は3,000円から5,000円程度です。失敗が許されない手土産となるため、日持ち面や競合メーカーの確認などを怠らない様にします。なお、初対面の取引先に渡す手土産は、“かけ紙”に「粗品」と書くのが一般的です。2回目以降の訪問では、「御礼」と書くのがマナーです。
謝罪のために手土産を持参する
取引先への謝罪・お詫び目的で、出張するケースは少なくありません。謝罪時において重要なのは、相手に誠意を伝えることです。話題性などは差し置き、落ち着いた雰囲気の手土産を持参しましょう。基本的に“熨斗(のし)”は必要ありません。熨斗はお祝いとしての意味合いが強く、謝罪においては好まれないためです。
おすすめは、無地の“かけ紙”に紅白五本結び切りの水引き(なくても可)を合わせ、「お詫び」「謝罪」「ご挨拶」などの表書きにすることです。平均予算は3,000円から5,000円程度と、通常の手土産よりも高価な一品を選びましょう。今後の取引を左右するシチュエーションですので、確かなマナー・作法で対応して下さい。
出張後に欠かせないお礼メール
出張による取引先訪問や接待が終わったら、お礼メールを必ず送りましょう。お客様は自分達のために、貴重な時間を割いています。何らかのアクションを起こさないと「失礼なことがあったのか?」「なぜ連絡がない?」と相手に気を使わせたり、不快感を与えたりしかねません。基本的にお礼メールは、訪問日の当日か翌日までには送ります。取引先がメールチェックするまでに対応するのがベストです。
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