職場での無言電話への正しい対処方法とは?
更新日:2025.10.03秘書代行 , 電話代行近年、無言電話に悩まされる企業が増えています。相手が沈黙しているため意図が読み取りにくく、どのように対処すればよいか頭を悩ませる担当者も少なくありません。そこで本記事では、無言電話の目的や潜む犯罪性を解説し、企業がとるべき正しい対処法や問題解決に役立つ法規定をご紹介します。
無言電話の正しい対処法とは?
無言電話や迷惑電話が職場にかかってきた場合は、状況に応じて冷静に対応することが重要です。ポイントを整理すると以下の通りです。
企業名・個人名は名乗らない
無言電話の相手に自社名や個人名を伝えると、悪用されるリスクがあります。まずは名乗らず対応するのが安全です。
「音声が聞き取れません」と伝えて丁寧に切る
相手の声が聞こえない場合や無言の場合、「あいにく音声が聞き取れないため、一度お電話を切らせていただきます」と伝えると、マナーを守りつつ切ることができます。
着信拒否設定を活用
無言電話や非通知電話の番号は着信拒否設定をすることで、業務の中断を防ぎ、迷惑電話によるストレスを軽減できます。
記録を残して必要に応じて警察相談(#9110)
ストーカーや空き巣といった犯罪に発展する可能性がある場合、着信履歴や通話記録を保存して警察に相談します。折り返し電話による高額請求の手口にも注意が必要です。
無言電話の目的とは?
職場にかかってくる無言電話は、単なる迷惑行為と思われがちですが、その背景にはいたずらや嫌がらせ、さらには犯罪の可能性が潜んでいる場合もあります。無言電話の目的や心理を理解することで、より安全で適切な対処につなげられます。
無言電話をかける心理
企業にいたずら・嫌がらせ目的で電話をかけてくる場合、明確な意図はないケースが多いとされています。無言電話をかけてくる人は、必ずしも電話をかける用件があるわけではありません。この場合、単に「暇をもて余している」「誰かに相手をしてほしいだけ」などの心理が働いていると考えられています。
このケースでは、電話がつながるか応対者の声や反応を聞けた時点で満足します。また、嫌がらせ目的であれば、応対者を困らせるため用件を伝えず電話口で黙っているパターンもあるでしょう。業務開始直後や終業間際の無言電話が増えている時は、業務妨害を意図している可能性もあります。
またこのケースは、同一人物が業務に差し支える時間帯を狙って電話してきている可能性が高いです。なお、いたずら・嫌がらせ目的の無言電話が多くなった背景には、定額料金で電話をかけられる通話プランの普及があるとの声も聞かれます。
無言電話に潜む犯罪性
無言電話は犯罪に絡んでいる可能性もあるため、そのまま放置しておくのは望ましくないでしょう。一部の無言電話に潜む犯罪性としては、ストーカー行為や空き巣の下調べが挙げられます。ただの迷惑電話と判断して見過ごすと、従業員や企業に危害が及ぶ可能性も否定できません。ストーカー犯罪の場合、従業員は無言電話を通じて勤務状況をチェックされている危険性があります。業務終了時間を知られると、退社してから自宅までつきまとわれる事態につながります。
また、無言電話は、職場が留守になりやすい時間帯を調べることも可能です。商談や外回りで事務所に誰もいなくなる時間が把握された場合、空き巣の標的になるリスクがあるといわれています。いずれのケースでも、従業員や職場が犯罪に巻き込まれると多大な被害を受ける危険性があるため、適切に対処することが大切です。
無言電話に対するありがちなNG対応
無言電話がかかってきた時のありがちなNG対応は、普段通りに通話するケースです。通常、仕事関係で着信を受けた場合、ビジネスマナーとして企業名や応対者の氏名を名乗ります。電話のマナーが身についていると、勤務先や個人の名前が反射的に口から出てしまうでしょう。いたずら・嫌がらせ目的の時は、こちらが真面目に受け答えると相手は面白く感じて迷惑電話を止められなくなるパターンが目立ちます。
また、犯罪目的であれば、安易に企業・個人の情報を伝えるとトラブルにつながる傾向があります。一方、無言電話に出ないで放置する方法も、問題を解決できるとは限りません。相手が「無視された」と反感を抱くと、迷惑電話がエスカレートしたり別の手段で訴えてきたりする場合があるためです。
さらに、苛立って一方的に電話を切る対応も、NG行動とされています。意図せず無言電話になってしまっているケースもあるため、無作法に通話を終えると企業イメージを下げるかもしれません。
無言電話に関する法律・相談先
職場にかかってくる無言電話は、単なる迷惑行為では済まない場合があります。被害状況によっては法的措置がとれることもあり、事前に法律や相談窓口を知っておくことが、安全な対応につながります。
無言電話に関する法律・相談先
・偽計業務妨害罪
無言電話に関する法規定としては、「偽計業務妨害罪」が挙げられます。この事例は、刑法第233条に規定のある犯罪です。刑法が定める「偽計」により業務を妨げると、罪が成立します。また、法律上、「偽計」は他人をだます行為や誘惑する方法を指します。犯罪成立時に科される罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。実例としては、数カ月にわたり飲食店へ迷惑電話を繰り返した人物に適用されたケースが知られています。
・傷害罪
無言電話が精神的負担を与えた時に成立する罪は、「傷害罪」です。刑法第204条によれば、傷害罪は、有形・無形を問わず不正な力の行使で他者の生理的機能を害すると成立します。この罪に対する罰則内容は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。重い精神的ダメージを受けるなど被害状況が深刻であれば、厳しい刑罰が課されるといわれています。
・ストーカー規制法
ストーカー犯罪に対して適用される法律は、ストーカー規制法です。好意的な感情などがこじれて無言電話・いたずら電話をかければ、同法第2条が規定する「つきまとい等」と見なされます。つきまとい等が一定期間にわたって続くと「ストーカー行為」が成立し、罰則対象になります。さらに、公安委員会が発令する禁止命令に違反した時は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金です。
法律名 | 適用条件 | 刑罰 | 具体例・適用事例 |
---|---|---|---|
偽計業務妨害罪 (刑法第233条) |
• 偽計により業務を妨害 • 継続的な迷惑電話 • 業務に支障をきたす行為 |
3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
数カ月にわたり飲食店へ迷惑電話を繰り返した事例で適用 |
傷害罪 (刑法第204条) |
• 精神的負担を与える • 生理的機能を害する • 有形・無形を問わない不正な力の行使 |
15年以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
重い精神的ダメージを受けるなど被害状況が深刻な場合に適用 |
ストーカー規制法 (第2条) |
• 好意的な感情等に基づく • 「つきまとい等」に該当 • 一定期間継続する行為 |
ストーカー行為: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 禁止命令違反: |
特定の従業員に対する執拗な無言電話・いたずら電話 |
職場で従業員が度重なる無言電話に迷惑している時は、そのまま放置せず法的情報を役立てたほうがよいと考えられます。
行政機関の相談窓口など
企業で無言電話の解決が難しい場合など、万一の時に頼れる行政機関は警察です。警察組織は、各種の相談を受け付ける窓口として専用ダイヤルを設置しています。この専用窓口の受付番号は、「#9110」です。犯罪性が低く「110」番をするか迷うケースを含め、様々な案件に幅広く対応しています。相談窓口の詳細は、公式ホームページで確認可能です。
政府広報オンライン 警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ (参照 2025-09)
また、問題の肥大化を避けたい場合、電話対応を外部委託する方法もあります。電話代行を活用すれば、着信時の一次対応を電話のプロに一任できます。いたずらとしての無言電話はもちろん、意図せず無言電話になってしまった相手にも、適切な対応ができるため安心です。無言電話対策にお悩みの場合も、電話代行サービスの導入をご検討ください。
【関連記事はこちら】>>電話代行とは?
無言電話に関するよくある質問
職場にかかってくる無言電話や迷惑電話は、「どう対応すればいいのか分からない」と悩む方も少なくありません。ここでは、無言電話に関するよくある質問とその対応方法を解説します。
Q. 無言電話を切らないで待ち続けるべき?
A. 無言電話は長く待つ必要はありません。何も話さない場合は早めに切ることで、トラブルや業務妨害を避けられます。
Q. 無言電話の相手を調べる効果的な方法は?
A. ナンバーディスプレイや着信履歴の記録を活用すると、相手を特定しやすくなります。必要に応じて警察に相談することも可能です。
Q. 固定電話特有の無言電話対策はありますか?
A. 固定電話ならナンバーディスプレイや留守番電話機能の活用が有効です。電話会社によっては、非通知設定の迷惑電話を自動的に拒否するサービスなどもあり、利用することで無言電話への対策になります。
Q. 無言電話がすぐ切れるのですが、これも対策が必要?
A. 短時間で切れる場合でも油断は禁物です。着信拒否設定や警察相談などで対策しておくと安心です。
無言電話や迷惑電話は、放置すると業務効率の低下や従業員への心理的負担につながります。電話代行サービスを導入すれば、こうした対応を専門のオペレーターに任せることができ、従業員の安全を守りながら業務効率の向上も期待できます。職場で安心して働くための有効な対策として、電話代行の活用を検討することが大切です。
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【関連記事はこちら】>>迷惑電話対応を外注するメリット
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