職場での無言電話への正しい対処方法とは?
更新日:2023.10.02電話代行近年、無言電話に悩まされている企業が増えているといいます。無言電話は、相手が沈黙しているため、意図が見えず対処しにくいといわれています。どうすれば解決できるかと、頭を悩ませている企業の電話担当者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、無言電話の目的や犯罪性を解説し、企業に望まれる正しい対処法や問題解決に役立つ法規定をご紹介します。
目次
無言電話の目的・犯罪性
在宅確認やストーカー行為の一環で電話してくるケースもありますが、無言電話の主な目的は、いたずらや嫌がらせです。以下では、いたずら・嫌がらせ目的で電話をかける人の心理や、無言電話に潜む犯罪性についてご紹介します。
無言電話をかける心理
企業にいたずら・嫌がらせ目的で電話をかけてくる場合、明確な意図はないケースが多いとされています。無言電話をかけてくる人は、必ずしも電話をかける用件があるわけではありません。この場合、単に「暇をもて余している」「誰かに相手をしてほしいだけ」などの心理が働いているといわれています。
このケースでは、電話がつながるか応対者の声や反応を聞けた時点で満足します。また、嫌がらせ目的であれば、応対者を困らせるため用件を伝えず電話口で黙っているパターンもあるでしょう。業務開始直後や終業間際の無言電話が増えている時は、業務妨害を意図している可能性もあるでしょう。
このケースは、同一人物が業務に差し支える時間帯を狙って電話してきている可能性が高いと指摘されています。なお、いたずら・嫌がらせ目的の無言電話が多くなった背景には、定額料金で電話をかけられる通話プランの普及があるとの声も聞かれます。
無言電話に潜む犯罪性
無言電話は犯罪に絡んでいる可能性もあるため、そのまま放置しておくのは望ましくないでしょう。一部の無言電話に潜む犯罪性としては、ストーカー行為や空き巣の下調べが挙げられます。ただの迷惑電話と判断して見過ごすと、従業員や企業に危害が及ぶ可能性も否定できません。
ストーカー犯罪の場合、従業員は無言電話を通じて勤務状況をチェックされている危険性があります。業務終了時間を知られると、退社してから自宅までつきまとわれる事態につながります。
また、無言電話は、職場が留守になりやすい時間帯を調べることも可能です。商談や外回りで事務所に誰もいなくなる時間が把握された場合、空き巣の標的になるリスクがあるといわれています。いずれのケースでも、従業員や職場が犯罪に巻き込まれると多大な被害を受ける危険性があるため、適切に対処することが大切です。
無言電話へのNG対応・正しい対処法
職場・従業員が無言電話で悩まされている場合、正しく対処すると問題を解決するのに効果的です。以下では、ありがちなNG対応をふまえたうえで、無言電話への正しい対処法をご紹介します。
ありがちなNG対応
無言電話がかかってきた時のありがちなNG対応は、普段通りに通話するケースです。通常、仕事関係で着信を受けた場合、ビジネスマナーとして企業名や応対者の氏名を名乗ります。電話のマナーが身についていると、勤務先や個人の名前が反射的に口から出てしまうでしょう。いたずら・嫌がらせ目的の時は、こちらが真面目に受け答えると相手は面白く感じて迷惑電話を止められなくなるパターンが目立ちます。
また、犯罪目的であれば、安易に企業・個人の情報を伝えるとトラブルにつながる傾向があります。一方、無言電話に出ないで放置する方法も、問題を解決できるとは限りません。相手が「無視された」と反感を抱くと、迷惑電話がエスカレートしたり別の手段で訴えてきたりする場合があるためです。
また、苛立って一方的に電話を切る対応も、NG行動とされています。意図せず無言電話になってしまっているケースもあるため、無作法に通話を終えると企業イメージを下げるかもしれません。
無言電話への正しい対処法
社内で無言電話が問題になっている時は、それぞれのケースに応じて対処することが望ましいでしょう。まず、いたずら・嫌がらせ電話は、着信を拒否する方法が得策です。無言電話と判明している番号や非通知電話を着信拒否に設定すれば、迷惑電話で仕事の手が止まるリスクは減らせると期待できます。
次に、ストーカー犯罪や空き巣が危惧されるケースでは、警察に相談するのが賢明です。すぐ発信番号に折り返すと高額の通話料金を請求される手口もあるため、着信履歴や通話記録を保存して警察に連絡することをおすすめします。また、ビジネスの場では、無言電話への対応でもマナーは大切です。
通信環境の影響で相手の声が聞こえにくい場合もあるため、一方的に切らずに丁寧な言葉遣いを心がければ心証はよくなると見込めます。電話を受けて相手が黙っている場合、こちらは名乗らず音声が届いていない旨を伝える方法が有効です。受信時に「あいにく音声が聞き取りにくいため、一度、お電話を切らせていただきます」と案内すれば、企業イメージを損なわずに済むでしょう。
おすすめのサービス
無言電話への効果的な対処法として、136サービスがあります。136サービスとは、最後にかかってきた電話番号を音声で案内してくれるサービスです。何度もかかってくる無言電話に悩まされている場合は、電話を切った後すぐに136に電話をかければ無言電話の発信者を調べることができます。
無言電話に関する法律・相談先
無言電話は、被害状況によっては罪に問われる場合があります。法規定を確認しておけば、犯罪阻止に役立つでしょう。以下では、無言電話に関する法規定・法的措置や万一の時に頼れる行政機関の相談窓口をご紹介します。
無言電話に関する法規定・法的措置
偽計業務妨害罪
無言電話に関する法規定としては、「偽計業務妨害罪」が挙げられます。この事例は、刑法第233条に規定のある犯罪です。刑法が定める「偽計」により業務を妨げると、罪が成立します。また、法律上、「偽計」は他人をだます行為や誘惑する方法を指します。犯罪成立時に科される罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。実例としては、数カ月にわたり飲食店へ迷惑電話を繰り返した人物に適用されたケースが知られています。
傷害罪
無言電話が精神的負担を与えた時に成立する罪は、「傷害罪」です。刑法第204条によれば、傷害罪は、有形・無形を問わず不正な力の行使で他者の生理的機能を害すると成立します。この罪に対する罰則内容は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。重い精神的ダメージを受けるなど被害状況が深刻であれば、厳しい刑罰が課されるといわれています。
ストーカー規制法
ストーカー犯罪に対して適用される法律は、ストーカー規制法です。好意的な感情などがこじれて無言電話・いたずら電話をかければ、同法第2条が規定する「つきまとい等」と見なされます。つきまとい等が一定期間にわたって続くと「ストーカー行為」が成立し、罰則対象になります。さらに、公安委員会が発令する禁止命令に違反した時は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金です。
職場で従業員が度重なる無言電話に迷惑している時は、そのまま放置せず法的情報を役立てたほうがよいと考えられます。
行政機関の相談窓口など
企業で無言電話の解決が難しい場合など、万一の時に頼れる行政機関は警察です。警察組織は、各種の相談を受け付ける窓口として専用ダイヤルを設置しています。この専用窓口の受付番号は、「#9111」です。犯罪性が低く「110」番をするか迷うケースを含め、様々な案件に幅広く対応しています。相談窓口の詳細は、公式ホームページで確認可能です。
参考:政府広報オンライン
警察に対する相談は警察相談専用電話
「#9110」番へ
(参照2023-10-02).
また、問題の肥大化を避けたい場合、電話対応を外部委託する方法もあります。電話代行を活用すれば、着信時の1次対応を電話のプロに一任できます。いたずらとしての無言電話はもちろん、意図せず無言電話になってしまった相手にも、適切な対応ができるため安心です。無言電話対策にお悩みの場合も、電話代行サービスするサービスの導入をご検討ください。
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