コールセンターのコンプライアンスについて

更新日:2023.04.14コールセンター

コールセンターのコンプライアンスについて

たくさんの顧客と接するコールセンターを運営する際には、コンプライアンスへの意識を高めることが重要課題となります。法令やルールが守られていなかったばかりに、顧客に不利益を与えてしまうだけではなく、企業の信用を失墜させたうえ、時には裁判になることも考えられます。

この記事ではコンプライアンスという言葉の意味から、コールセンターが守らなくてはいけない法律、遵守するために必要な社内のルールづくり、導入したいシステムなどを解説します。企業、顧客、そして働くスタッフを守りながら、業務を円滑に進めるためにも、コンプライアンスへの意識を徹底するようにしましょう。

コールセンターのコンプライアンスとは?

コールセンターの日常

コンプライアンスとは「法令遵守」という意味がありますが、法令だけではなく一般的な社会通念上のルール、常識、社内規則、社会から信頼される言動を守るという意味も含まれています。企業のさまざまな業務で常にコンプライアンスの意識を持つことが求められますが、コールセンターでも常に守らなくてはいけないことが多々あります。

とくに個人情報保護法を遵守することはコールセンターにとっては生命線です。個人情報とは正式には「個人情報の保護に関する法律」といい、平成15年に制定されています。個人情報保護法は、個人の権利利益を保護することを目的として定められたもので、コールセンターにとっては密接な関わりのある法律となっています。

コールセンターでコンプライアンスが大事なワケ

笑顔のオペレーター

とくにコールセンターでコンプライアンスへの意識が重要だとされる理由は、多くのお客様や社外の人と触れるポジションだからということです。コールセンターでコンプライアンスが守られていないと、お客様が不快な思いをするうえ、不利益を与えてしまいます。また、守られていなかった場合、お客様が離れてしまううえ、訴訟などに発展し企業側も大きな損失となります。その点について、以下で詳しく解説します。

コールセンターは特に個人情報の保護が重要

コールセンターでもっとも意識しなくてはいけないのが、上述のように個人情報保護法に関することです。個人情報保護法では個人情報のデータベースなどを所持する事業者を個人情報取扱事業者とし、遵守ができていない場合には主務大臣により注意勧告などがあり、従わなければ懲役や罰金に処されるとしています。コールセンターもその個人情報取扱事業者にあたるわけで、注意が必要となります。

ちなみに、個人情報とは個人情報保護法で「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」としています。

氏名や生年月日、住所、性別、職業、勤務場所、家族構成など、個人を特定するものが含まれます。万一、個人情報が漏れたり悪用されたりしたら、社会的にも大きな問題になります。損害賠償を請求された例も過去に数々あるため、注意が必要です。

コールセンターは企業イメージに直結する部門

また、コールセンターが個人情報を流出させた場合、企業全体のイメージを損ないます。コールセンターは企業の顔です。そのコールセンターから一度、個人情報が流出したことが知れ渡ったら、顧客はその企業そのものを信頼しなくなります。次からはライバル企業を利用するようになるかもしれません。

個人情報だけではなく、相手を傷つけるような言動もコールセンターでは気をつけなくてはいけません。とくに、あらゆる差別につながるような表現は要注意です。企業の信頼を守るためにもコールセンターは企業の顔であり、イメージを左右してしまう存在だと言う意識を持ち続けなくてはいけません

コールセンターで必須のコンプライアンス対策とは

では、具体的にどのようにしたらコンプライアンス対策ができるのでしょうか。社内のルール徹底と、システム的な面から、コンプライアンス対策を考えていきましょう。システム的な対策はコストがかかると思うかもしれませんが、最終的に企業の利益とスタッフを守るためのものだと考えて、しっかりと導入を検討してください。

個人情報を記録できる私物の持ち込みは厳禁

スタッフへのルールの徹底としては、コールセンタールームに持ち込む私物は最低限のものに限定します。そして、情報を記録できるスマートフォンやメモ、ペンなどの持ち込みはNGとしてください。電話で話した内容を書きとる必要がある場合には専用のメモやデバイスを用意するようにしましょう。その際のメモも、絶対に持ち帰らせないことも徹底します。

本人に悪気がなくても、仕事について家でも勉強したいと持ち帰ったメモから情報が流出してしまうことがあります。私物の持ち込みをしなくてすむようにコールセンタールームの外にロッカーを用意し、業務上使ったものを保管する場所のルールも徹底しましょう。

個人情報の保護に関するルールを決める

スタッフに対してはコンプライアンスに関するルールやマニュアルづくりをして周知します。業務のなかでどこまで個人情報を取り扱うのか、線引きをしっかりと設定することが大切です。ルールを徹底するためには、初期研修だけではなく、定期的に研修やミーティングを行い、ルールの再確認をすることも大切です。

また、万一、ルールから反れた事態が発生した場合に、すぐにスタッフが報告できるような体制づくりをしておくことも大切です。スタッフが上司に報告しなかったばかりに、事態が大きくなるようなことは避けなくてはいけません。報告を誰にすればいいのか連絡経路を明確にするとともに、スタッフが萎縮せずに報告できる空気作りも大切です。

お客様とのお話は全部録音する

お客様との会話は全部録音することをおすすめします多くのお客様からの問い合わせが入るコールセンターでは、スタッフも気づかないうちにトラブルにつながるような会話をしてしまうかもしれません。また、言っていないことを「言った」と言われてもめることもあります。

後日、不当なクレームに合わないようにするためにも、録音は大切です。お客様に録音していると伝えれば、クレーマー対策にもつながります。また、コールセンターをテレワークで行う際には上司が側で管理できません。そこで、録音をして万一の際に検証できるようにしておくといいでしょう

ほかにも、テレワークで誤った情報管理が行われないように、パソコンを本人だけしか使えないようにする顔認証システムやパソコンのセキュリティシステムの導入も必要です。

お客様本人に対してもこちらは個人情報を言わない

コールセンターの対応では、お客様本人に対してでもこちらは個人情報を言わないことが原則です。住所や電話番号など個人情報の確認が必要な時にはお客様から言ってもらうようにしましょう。

時々、お客様のほうから「最近、携帯ばかりで家の番号忘れちゃったから教えて」などと逆質問があります。また、荷物の届け先住所を聞こうとしても「あら、番地いくつだったかしら?あなたわかっているんでしょ、言ってみて」などと言われてしまうこともありますが、相手の個人情報はわかっていても口にしてはいけません。

万一、電話の向こうにいる人物が、お客様の名を語る別人だった場合、言ってしまえば個人情報の漏えいになります。自分からはお客様の個人情報は話さないということについて、スタッフに徹底するようにしてください。

コールセンターの信頼向上に努めよう

企業全体のイメージアップのためにも、企業の顔ともいうべきコールセンターの信頼向上に努めることが重要です。コールセンターが信頼をえるためにもっとも重要視すべきは個人情報保護法であり、個人情報の流出は避けなくてはいけません。違反をすると刑事罰に処せられたり高額の賠償金を請求されたりする場合があります。社内のルール作りや研修を徹底して、コンプライアンスの遵守に努めてください。また、会話の内容を録音できるようなシステムの導入も検討することも大切です。法令や社会のルールを守る姿勢を見せることで顧客からの信頼を獲得し、さらなる企業の利益に結びつけるようにしましょう

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