不動産会社を開業するときの流れ

更新日:2022.05.02スタッフブログ

調べものをしながらの書類仕事をしている机

みなさんの中には「不動産業を始めたいけれど、どうやって開業したら良いか分からない……」という人も多いのではないでしょうか。不動産業をはじめるには、一般的な開業とは異なり、事務所のほか宅地建物取引業の免許が必要になります。ここでは、これから不動産業をはじめる人に向けて、開業の流れやポイントなどについて紹介していきます。

不動産会社を開業するときに必要な物

不動産会社の経営は、誰もができるものではありません。これを行うためには、宅地建物取引業免許が必要です。そして免許取得のためには、「宅地建物取引主任者(宅建)」の資格を持つ人が必要です。
これは実はかなりの難関資格です。受験条件は定められていないものの(未成年でも受けられます)、その合格率は15~18パーセントと非常にシビア。2016年の合格率は15.3パーセントにすぎません。この難関資格を突破して初めて、不動産会社経営のスタートを切ることができます。

また、事務所も必要です。「自宅開業」という言葉で夢を見ている人もいるかもしれませんが、宅建業を行うためには原則として独立した事務所が必要です。(一般住宅でも、条件次第では事務所としての形態と独自性を有していると認められているものに関しては認可が下りることもあります)

開業の際に必要になる資金の目安

どのような規模でやっていくかによっても異なりますが、自己資金で300万円~500万円ほどは必要でしょう。そのうえで、銀行などからの融資をほぼ同額受ける、というかたちが一般的です。

また、開業に際しては、「会社設立費用」として25万円程度、宅建業免許の取得(宅建業務を行う際には、都道府県の知事か国土交通大臣の認可が必要)には、国土交通大臣免許であれば90,000円、都道府県知事免許であれば33,000円が最低かかってきます。他に人件費に事務所の内装などなど、お金はたくさんかかります。特に人件費に関しては、「一時的に払って終わり」というものではなく、毎月出ていくものです。

不動産会社を開業するときの流れ

ここまでをクリアできたら、いよいよ開業にむけて動き始めることになります。

不動産開業の流れ1:事務所、オフィスの場所を決める

不動産業をはじめるには、まず拠点となる事務所やオフィスが必要です。事務所の場所は、営業活動を行う上でとても重要になるので、しっかり選定するようにして下さい。立地のポイントとしては、物件が豊富に確保できるエリアかどうか、人気のあるエリアかどうか、駅から徒歩圏内にあるかどうか、などが挙げられます。

人気のないエリアで営業活動をはじめても、なかなか顧客の獲得が難しいですし、交通の便が悪い場所に事務所を構えてしまうと、そもそもお客様が来てくれないという事態も考えられます。事務所の立地は、営業拠点やアクセスのしやすさを重視して決定するようにして下さい。また、学生、若者、家族連れ、単身赴任など、どの客層に的を絞るのかによって拠点にすべき場所も変わるので、事務所を構えるときはよく考慮しましょう。

不動産開業の流れ2:会社を設立する

不動産業は個人事業主としても開業は可能ですが、法人化する方が営業上で有利な場合が多く、高い信用性も確保できるので、法人として会社を設立することをおすすめします。

法人化するにあたっては、一般的な株式会社設立と同じ要領で手続きを進めていきます。まずは商号(会社名)を決め、定款の作成、資本金の確保や法人登記の手続きなどを行っていきます。

不動産業として会社を設立するには、これらの手続きのほかに「宅地建物取引士」という国家資格を持った人を必ず設置しなければなりません。宅地建物取引士は、土地や建物の売買に関する専門スキルを持つ人のことで、事務所に宅地建物取引士を一定数設置しないと、不動産業を開業することができないのでよく注意しましょう。

不動産開業の流れ3:宅地建物取引業免許の取得をする

会社設立の手続きを終えたら、宅地建物取引業免許の取得申請を行います。不動産業は単に名乗るだけでは開業することができず、国の機関へ申請を行い、受理された後に開業が可能になります。

審査では、過去に免許の取り消しなどがなかったかどうか、事務所の形態がしっかり整えられているかどうか、宅地建物取引士が設置されているかどうかなどが問われます。

不動産開業の流れ4:全国宅地建物取引業保証協会への加入を行う

宅地建物取引業を開始する際は、宅地建物取引業法により基本的に1,000万円の営業保証金を法務局に供託する必要があります。これは扱う金額が高額になる不動産業で、万が一事故などがあった際の賠償金を支払うためのお金で、不動産業をはじめるには必ず納める必要があります。

資本金などが必要になる開業時に1,000万円を別に準備するのはなかなか厳しいですが、国土交通大臣から指定を受けた「全国宅地建物取引業保証協会」へ加入すると、負担金が原則として60万円で済みますので、開業資金を削減することができます。ほかにも、会員同士で情報の共有ができるなど多くのメリットがあるので、ぜひ入会しておきましょう。

ここまで、不動産業開業の簡単な流れを紹介しました。不動産業を開業する際のポイントとしては、宅建の資格取得と資金繰り、専門スキルを持った宅地建物取引士の設置と、宅地建物取引業免許の取得などがあります。不動産会社を開業するときは、上記を参考に手続きを進めましょう。

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