NTTの歴史を探ってみよう!
更新日:2022.03.22スタッフブログNTTグループと言えば、日本を代表する電話会社です。日本電話電信公社時代を知らない世代は、「NTTは、昔国営企業だった」と言ってもピンと来ないかもしれません。NTTの歩みを知ることは、そのまま日本における電話の歴史を知ることにもつながります。今回は、NTTが築いてきたこれまでの足跡を振り返ってみたいと思います。
国営企業だったNTT
もともとは国営だった
まず、NTTとは「Nippon Telegraph and Telephone Public Corporation」の略称です。「日本電信電話」とも呼ばれます。1985年に民営化されるまで、日本の国営企業でした。
日本で電話サービス事業がはじまったのは、1890年。東京―横浜間で電話線が引かれたのが最初です。当時は電話と電話の間を取り持つ「交換手」を介在してコミュニケーションを取るシステムで、電話番号も何もない時代でした。分かりやすく具体的に説明すると、「大阪の鈴木さんにつないでほしい」と頼めば、交換手がその家の電話につなぐ、と言うシステムです。電話をかける側は電話番号をダイヤルせず、受話器を上げるだけで交換手と連絡し、通話したい相手を呼び出してくれる仕組みだったのです。
電話サービスの導入当初は加入者が限られたものの、次第に加入者と利用回線が多くなるにつれ、旧来のシステムでは対応できなくなりました。そして1923年の関東大震災の復興をきっかけに、自動的に相手とつながる自動電話交換機(固定電話)の導入がスタート。それまで交換手を介して連絡するシステムだったのが、固定電話に取って変わられる様になったのです。
電話通信の公共性と、利便性向上を満たす技術革新の重要性を認識した政府は、電話通信事業の国営化を目指して法案作成などの取り組みを進めます。そして1952年7月31日、日本電信電話公社法が成立。翌日8月1日に後のNTTとなる日本電信電話公社が発足したのです。
1985年に民営化
日本電信電話公社の発足にともない、電話サービスは急速に普及し、生活の利便性も大幅に向上しました。戦後復興と高度経済成長を成し遂げる中で、世界に通用する民間企業も多数輩出。日本電信電話公社も、組織のスリム化と経営の効率化を目指し、新しい分野へのチャレンジに取り組みます。そして、1985年に公衆電気通信法が電気通信事業法に改正され、同公社の民営化が正式に決定。電気通信事業の新規参入と電話機・回線利用制度の自由化も同時に認められる様になりました。
これまで日本電信電話公社が単独で行ってきた国内の通信・通話事業に、民間企業の進出が加速します。1987年に第2電電、日本テレコム、日本高速通信の3社が長距離電話サービスに新規参入を果たし、独自のサービスを打ち出しNTTに対抗。NTTの民営化により、国民は電話サービスの会社を自由に選べる様になったのです。
民営化後、携帯電話事業などに参入
政府経営の手から離れ、民間企業として新たに船出したNTTは、1987年に東証一部に上場、同じ年に携帯電話サービスの提供もはじめます。新たに持ち株会社を発足させる組織の再編成にも着手。NTTデータ(1988年)、NTTドコモ(1991年)、NTT東日本・NTT西日本・NTTコミュニケーションズ(1999年)を設立し、事業の領域を大幅に拡大していきました。
事業別に持ち株会社を配置して経営の合理化を進めたことで、NTTをトップとする現在のNTTグループの組織体制が確立されています。
- 地域通信…NTT東日本、NTT西日本
- データ通信…NTTデータ
- 移動通信…NTTドコモ
- 長距離・国際通信…NTTコミュニケーションズ、ディメンションデータ
ドコモのスマホや光ファイバーを利用しているユーザーからすれば、お馴染みの会社だと思います。これらの組織はNTTのグループ会社であるものの、経営組織としては独立していて、それぞれのフィールドで事業展開しています。
現在のNTT
NTTは民間企業で株式市場にも上場を果たしていますが、グループ全体の規模を見れば分かる通り、国内でもトップクラスのマンモス企業です。歴史的に見て国営企業だった経緯から、現在でもNTTの大株主は政府で、財務大臣(政府)が32%の株を所有しています。
最後に、NTTグループを構成するそれぞれの企業の事業内容について簡潔にご紹介します。
・NTTコミュニケーションズ
NTTグループで長距離・国際通信事業を担います。個人ユーザー向けアプリの開発や関連サービスの提供、グローバルネットワークの構築などを手がける通信大手です。
・NTTドコモ
携帯電話の最大手企業として有名です。LETサービスによるネット環境のレベルアップ、dマーケットの拡大などを推進中。NTTの中でも群を抜いた優等生企業で、純利益額は国内第2位。ちなみに純利益トップは親会社のNTTです。両者合わせて1兆円の純利益があります。
・NTT東日本とNTT西日本
NTTの地域通信事業の核となる企業です。NTT東日本は関東、東北、北陸を、NTT西日本は関西、中国四国、九州などのエリアを管轄。固定電話を中心に地域における通信事業を担っています。
今回は、NTT発足の経緯から、現在の組織体制、事業内容まで幅広く取り上げてみました。私たちを取り巻く快適な電話と通信の環境は、NTTをはじめとする優良企業のサービスによって成り立っています。
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