アカウントベースドマーケティングについて知ろう
更新日:2023.05.12スタッフブログアカウントベースドマーケティングとは、自社にとって有益な顧客をマーケティング対象に選択する手法です。顧客にアプローチしやすいという特徴があり、営業活動の効率アップに役立つと考えられます。この手法の手順を理解すれば、これまでよりも商談の成功率を上げられるかもしれません。そこで今回は、アカウントベースドマーケティングの概要をふまえ、実際の進め方やメリットをご紹介します。
目次
アカウントベースドマーケティングの概要
アカウントベースドマーケティングは、ターゲットを特定の顧客に絞り込みアプローチするマーケティング手法です。以下では、この手法の意味・特徴や従来の方式との違いをご紹介します。
言葉の意味・特徴
「アカウントベースドマーケティング」は、「企業にとって優良な顧客をターゲットとして効果的にアプローチする戦略」と説明される手法です。ここでの「アカウント(account)」は、「顧客」を意味しています。様々な顧客について詳しく知り、各種の顧客情報をベースに営業活動を進めるため、「アカウントベースド」の名がついています。
また、この手法は、マーケティング対象を優良な顧客に限っているところが大きな特徴です。幅広い顧客情報をふまえ、売上への貢献度が高い顧客にのみアプローチしていきます。大口の顧客となる企業・団体をターゲットにする場合が多く、ビジネスシーンではBtoBのマーケティング戦略と広く認識されています。
従来の方式との違い
アカウントベースドマーケティングと従来の方式との違いは、ターゲットに選ばれる顧客の差異です。従来の方式としては、「リードベースドマーケティング」や「デマンドジェネレーション」が挙げられます。前者のターゲットはリード(個人)、後者は潜在的な顧客全体がアプローチ対象です。
一方、アカウントベースドマーケティングの場合、特定の企業・団体がメインターゲットです。また、従来と異なり、新規ビジネスの開拓でなく既存ビジネスの拡大を目指しています。さらに、顧客の量より質を重視している点も、従来の方式との大きな違いに挙げられます。
注目され始めた理由
近年、アカウントベースドマーケティングが注目され始めた理由は、意思決定の方法が変わるとともに情報分析の技術が進歩したためです。最近の企業は、経営トップの判断でなく複数のメンバーで意思決定するケースが増えてきました。営業活動する場合、経営者にアプローチするより組織全体をターゲットに設定したほうが、契約は成立しやすくなっています。
情報分析の技術的な進歩は、大量の顧客データを収集・処理する時間の短縮化につながりました。膨大なデータにもとづく顧客全体の比較検討や、企業に有益なターゲットの選別が可能になっています。これらの変化に伴い、特定の企業・団体にアプローチするアカウントベースドマーケティングは、現在のビジネスシーンで注目を集めています。
アカウントベースドマーケティングの進め方
アカウントベースドマーケティングを実施する手順は、大きく分けると「アカウントの選定」「アプローチ方法の検討」「実行・評価・改善」の3段階です。以下では、それぞれの段階の具体的な進め方をご紹介します。
アカウントの選定
「アカウントの選定」は、自社に大きな利益をもたらすと期待できる企業・団体を選出する段階です。この段階では、最初に顧客データ全体を分析します。主な分析項目は、顧客となる企業の業種・事業形態・経営規模・過去の契約状況などです。必要があれば、本社・支社の所在地や競合他社との関係性も調べます。
必要な項目に関する分析結果をふまえ、自社に対する利益が大きいと見込める優良企業を選び出します。優良企業かどうかの判断基準としては、経営規模や過去の契約実績だけでなく業種や事業形態の相性のよさも重要です。過去の取引内容や相性のよさから今後も高い貢献度を期待できる場合、自社にとっての優良企業と考えられます。
アプローチ方法の検討
「アプローチ方法の検討」は、優良と判断した企業とコンタクトを取る方法やタイミングを決める段階です。ここでは、最初にマーケティング対象の企業が使っているコンタクト方法を確認します。ターゲットの企業で日常的に使われている方法を把握しておけば、営業時にアプローチしやすくなります。
営業活動を円滑に進めるには、コンタクトを取るタイミングの検討も大切です。営業先の企業で仕事が一段落する時間帯にアプローチすれば、商談に応じてもらえる可能性は高まると考えられます。また、最初のアプローチ方法だけでなく営業活動の進み具合に合わせたコンタクトの取り方を検討することも重要です。
実行・評価・改善
「実行・評価・改善」は、以上で考案した営業戦略によりターゲットにアプローチする段階です。最初は、予定通りの成果を出せるとは限りません。どれくらい有効に機能しているか確認するには、アプローチした時の効果を測定することが不可欠です。どれほど当初の予定を達成できたかにより、営業戦略の良し悪しを評価します。
営業戦略の効果を高めるには、問題点の把握も欠かせません。問題点が見つかった時は、不具合のある部分を改善します。一度の改善ですべての不具合を解消することは難しいため、その後も実行・評価・改善を繰り返します。この流れを数回にわたり継続すれば、アカウントベースドマーケティングにもとづき考案した営業戦略の効果は高まるでしょう。
アカウントベースドマーケティングのメリット
アカウントベースドマーケティングは、営業活動を効率的に展開しやすくなる手法です。ただし、メリットばかりでなく実践時に注意したい点もあります。以下では、この手法やメリットや注意点をご紹介します。
メリット1:特定の顧客に集中できる
営業活動で特定の顧客に集中できるところは、アカウントベースドマーケティングの大きなメリットです。従来の方式は潜在的な顧客全般をターゲットする場合が多く、アプローチを試みても成功しないケースは少なくありませんでした。1件のアポイントを取るまでに何度も連絡するパターンが一般的であり、効率がよいとはいえないでしょう。
アカウントベースドマーケティングは最初にターゲットを選定するため、営業活動では特定の顧客に集中しやすくなります。メインの顧客は自社にとっての優良企業であり、アポイントを取れる可能性は高いと考えられます。以前ほどアプローチに手間はかからないと期待できるため、効率よく営業活動を進めるのに効果的です。
メリット2:顧客に応じてアプローチ方法を変えられる
顧客に応じてアプローチ方法を変えられる点も、アカウントベースドマーケティングの代表的なメリットです。最近は通信手段が多様化し、電話やメールに限らず複数の連絡窓口を用意している企業が増えました。一方、信頼性を考え、相手の声を直接に聞ける電話を重視しているケースも見られます。
アカウントベースドマーケティングは、アカウントの選定後にアプローチ方法を検討する手法です。それぞれの顧客のニーズや営業活動の進捗に応じて連絡手段を変えられるため、ターゲットにアプローチしやすくなります。アプローチ方法の選択肢が増えた場合も、顧客と連絡を取れる可能性は高まり営業活動の効率は上がると考えられます。
ただし、アカウントベースドマーケティングは、すぐに予定通りの効果を得られる保証はありません。多くのケースでは成果が出るまでに時間を要しているため、焦らずに取り組んでいく姿勢が求められます。
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