働き方改革、休み方改革の新しい方法
更新日:2023.02.24ビジネス豆知識日本政府も促進を促しているワーケーション。働き方改革の一環として取り入れる企業も増えてきています。休暇を取りながら働くという新しい働き方です。今回はワーケーションについて紹介します。
目次
「ワーケーション」
ワーケーションはワーク(仕事Work)とバケーション(休暇Vacation)を合わせた造語です。2000年代にアメリカで作られた働き方です。働き方改革、休み方改革の新しい方法であり、新しいテレワークの仕組みとして注目を集めています。リゾート地、温泉地など普段の職場とは違う環境で休暇を楽しみながら仕事をするのがワーケーションです。日常的なワークに非日常的なバケーションの感覚を埋め込んだ柔軟な働き方であり新しい働き方です。
ワーケーションは、休みですが仕事扱いとなるため、今まで休暇が取れなかった人もワーケーションなら休暇が取りやすくなり一石二鳥です。しかしながら、プライベートと仕事は、きっちり分けたいという人がいるのも事実です。本来は仕事から完全に離れて長期休暇を取るのが理想です。
ただ、理想どおりに長期休暇を取ることが難しいから休めないわけです。やっと取れた休みも家族や友人と予定が合わないという理由から旅行に行けないということが多々あります。そのような場合でも、ワーケーションを利用すれば旅行できる可能性も高くなります。ワークライフバランスの実現にも役立てることができます。
しかし、仕事扱いで休めるワーケーションは普段の勤務先とは異なる環境でリフレッシュするのが目的です。
旅行先で仕事ばかりしていてはリフレッシュすることもできませんし本末転倒です。
ワーケーションが導入された背景
有給取得率と長期休暇取得率の低さ
日本人の有給休暇取得率は先進国30か国中最下位です。日本では働く人々の休暇の質低下が社会問題化しています。
有給休暇の取得ができないのですから長期休暇なんてもっと取得することができません。有給休暇や長期休暇を取りたくても、業務量が多すぎて休みが取れない、周りが休んでいないので休めない。他の人に迷惑をかけるから休みにくいなどの理由で休暇を取りたいのに取れないという状況になってしまっています。この状況は、休暇の質が悪いというだけでは終わりません。休暇でリフレッシュできない疲れやストレスを抱えたまま仕事をしますので必然的に労働生産性は低くなってしまいます。
その状態を少しでも改善するために労働基準法が改正され有給休暇の取得が義務化されました。しかし、有給休暇の義務化で取得できるのは年間に5日間だけです。それ以上は今までどおり企業におまかせ状態です。これでは有給休暇取得率が上がるわけがありません。
それでも取得できないよりはましかもしれませんが、まだまだ日本人は有給休暇の取得率が低いままです。そこで休めないなら、仕事と休暇を合わせてすれば良いという発想からワーケーションが誕生しました。休暇中に何日か仕事の日を設ける、緊急の時だけ対応するなどワーケーションの種類も様々です。
ワーケーションとテレワークの違い
ワーケーションもテレワークもインターネット環境を利用して仕事をするという点では同じですがリモートワークの場合は働く場所が決められています。自宅であったりサテライトオフィスであったりレンタルオフィスなどです。しかし、ワーケーションの場合は、働く場所が特定されていません。旅先で仕事を行うということが決められているだけです。従来のテレワークとの大きな違いであるといえます。
ワーケーションのメリット
仕事の効率が上がる
ワーケーションでは旅先で仕事をこなします。仕事以外の時間は全部バケーションに使うことができます。普段と違い仕事をこなせば、すぐにリフレッシュできる環境があるというのは大きなメリットです。自分が好むロケーションで仕事をこなすということは、生産性の向上、仕事へのモチベーションの向上につながります。
旅行に行く機会が増える
ワーケーションは旅先で仕事をするので、仕事ができる環境さえあれば問題ありません。長期休暇を取ることも可能です。仕事だけでなくプライベートの充実にもつながります。
家族や友人、恋人との時間が確保できる
仕事があるという理由で失っていた家族や友人、恋人との時間を確保することができます。ワーケーションであれば旅先での仕事以外の時間を家族や友人、恋人と過ごすことができます。ワークライフバランスの点からみてもメリットがあります。
ワーケーションのデメリット
労働時間の把握が難しい
ワーケーションは旅先で仕事をするためテレワーク同様に労働時間の把握が難しいです。タイムカードがありませんので出勤時間の長短が人事評価に影響する企業などでは適切な人事評価を行えないということもあります。しかしこれはワーケーションに限らずテレワークや直行直帰の場合にも同じことが言えます。勤怠管理システムの導入や就業規則の整備を進めることで解消できるのではないでしょうか。
情報管理面での不安
旅先で仕事をするということは従来の勤務先での仕事よりリスクも多くなります。重要な情報を盗まれてしまうということもあります。また、パソコン本体を盗まれたりうっかり置き忘れたりしてしまうことも無いことではありません。ワーケーション導入の際には、パソコンのパスワード設定や社外持ち出し資料の限定など情報漏洩のリスク管理が必要です。
コミュニケーションの問題が発生する
テレワークでもワーケーションでも発生するデメリットです。対面コミュニケーションと違いますので、温度感が伝わらなかったり、ちょっとした相談がしにくかったり、リアルで盛り上がっている輪に入りにくかったりするなどの問題が発生する可能性があります。また、ワーケーションで旅行中だけど仕事のメールが気になってしまうなどの問題も発生する可能性があります。
ワーケーション導入時の注意点
ワーケーション導入時にはルール作りが大切です。旅先での業務の進め方や業務量などのルールを決めておかなければいけません。ワーケーション実施者と企業側の認識がずれてしまうと後で問題になってしまいます。また、ワーケーションをする旅先のネット環境の確認も大切です。仕事ができる環境にない旅先ではどうにもなりません。企業側としてはコミュニケーションツールの整備も必要です。離れていてもお互いがストレスなくコミュニケーションが取れるようにしなければいけません。
今回はワーケーションについて紹介しました。仕事をしながら休暇を取るワーケーション。今までにない新しい働き方です。ワーケーションには、メリットもたくさんありますがデメリットもあります。ワーケーション導入の際には事前の準備が大切です。
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