アジリティとは

更新日:2023.02.27ビジネス豆知識

アジリティの高い相手との商談

近年、ビジネスの場面で良く耳にするようになったアジリティ。変化の早い時代になったからこそとも言えます。では、ビジネス用語としてのアジリティとはどのようなことなのでしょう。今回はアジリティについて紹介します

「アジリティ」

アジリティ(Agility)は機敏さ、素早さ、敏捷性という意味です。元々は、犬の障害物競争であるドッグアジリティとして使われてきました。現在はスポーツの分野でも良く使われています。素早く反応することが必要な競技などでアジリティの向上が重視されています。

スポーツでは、刺激に対して素早く反応し、方向や速度を変換する能力と定義されています。一方、ビジネスにおけるアジリティは、状況に応じて素早く判断し行動できる機敏性や敏捷性と定義されています

変化が早い時代になり、経営や組織運営における機敏性が求められています。アジリティは環境の変化に対応できる企業の能力とも言えます。アジリティが高いと、今、必要なことは何かを瞬時に判断して行動に繋げることができます。アジリティが高い人は、環境の変化にもしっかりと対応することができ、周りとのコミュニケーションも活発です。想定外のことにも瞬時に適切な判断を下し行動することができます。

アジリティはこれからの時代に必須です。似たような意味の言葉でスピードとクイックネスがあります。しかし、アジリティとは意味が少し違います。スピードは文字どおり速さです。クイックネスは俊敏性、物事に対して行動する速さです。アジリティは判断の的確性と行動の速さです。

アジリティは、ただ速く動くのではなく、その時々に応じ適切な判断を下して動く、敏捷性です。変化の早い時代に必要なのは、俊敏性ではなく敏捷性です。行動の速さだけでなく判断の的確さが求められています。アジリティの高い組織作りやアジリティの高い人材育成は企業の発展に繋がります。

アジリティが注目されている理由

以前よりビジネスにはスピードが必要だと言われていました。しかし、現代は様々なことから状況の変化が頻繁に起こるようになり今後がどのようになるのかが分からない不確実性の時代に入ったとされています。「VUCA(ブーカ)の時代になりました。」「Volatility(激動)物事が大きく変わり動く」「Uncertainty(不確実性)これから起こることが予測できない」「Complexity(複雑性)たくさんの要素が絡み合って分かりにくい」「Ambiguity(不透明性)はっきりせずに不明瞭なこと」「VUCAは上記4つの頭文字をつなげた造語です。」ビジネス環境の変化が激しく予測が付かない不安定な状況という意味です。そういう面からみてもアジリティが必要な時代です。

アジリティが高い組織の特徴

ビジョンが明確

将来のビジョンが明確な組織はアジリティが高いです。不確実性の高い時代になったからこそ、組織のビジョンをしっかりと掲げる必要があります。ビジョンが明確にされていれば、想定外の出来事が起こっても、ビジョンに基づいて対応することができます。行動指針である価値観が共有されていることがアジリティを高めます。ビジョンが不明確だと行動指針も共有することができず、アジリティも低くなり組織力の低下を招きます。

コミュニケーションが活発

変化の早い時代では素早く状況判断をすることが大切です。組織の置かれている状況を把握することも必要です。そのため、アジリティの高い組織では経営層から末端に至るまで情報共有が徹底されています。些細な変化にもすぐに対応できる体制が整っています。コミュニケーションを活発にすることで状況判断能力を高めています。

柔軟な発想ができる

変化の早い時代に取り残されないようにするには、発想力と応用力の柔軟さが求められます。アジリティの高い組織は、組織レベルから個人レベルまで柔軟性が浸透しています。そうすることでどのような状況にも対応することができます。

リーダーシップを効果的に発揮できる

アジリティの高い組織には自然とリーダーシップの高い人が集まります。なぜなら、誰もが迅速に行動する必要があるからです。そうでなくてはアジリティの高い組織にはなれません。また、アジリティの高い組織は人材育成にも力を入れています。リーダーシップを持った人材育成を重視することで、アジリティの高い人材が増えていく好循環が生まれます。

アジリティを高める方法

業務プロセスを見直しIT環境を整備する

社内の業務プロセスを見直して、仕組みや態勢を変えることは簡単ではありません。大きな企業になればなるほど長期的な取り組みになってしまいます。ですが、アジリティの高い組織にする為には必要なことです。紙で承認していたことをITに変更するだけでアジリティは向上します。時代の変化に敏感に対応できるよう、組織全体のプロセスを見直すことが組織のアジリティを高めます。

ビジョンを明確にする

企業は自社の経営理念やこれからのビジョン、業務に必要な知識を明確にしなければいけません。企業側からビジョンなどが提示されていなければ、社員は個人の意思でバラバラに行動をしてしまう危険性が有ります。
企業側からこれからのビジョンと必要な情報やスキルが公開されることで社員が適切に行動をすることが可能になります。全ての社員が同じ方向を向いて行動するために、企業側から明確に提示することが大切です。

エンパワーメントの実施

エンパワーメントを実施して社員に裁量を与えることで、個人レベルでの俊敏性が高くなります。アジリティの高い企業は、方向性だけを社員に示している場合が多いです。実際の行動を任された社員は様々な経験を積んで成長します。仕事を任せることで社員のやりがいにも繋がりますし、顧客にとってもスピード感のある対応が期待できます。そうなると自然を企業のイメージアップに繋がります。

情報共有ツールの導入

機敏性を高めるためには、情報の一元化と共有はとても重要です。ビジネス向けのチャットツールを導入することで、業務に関する様々なやり取りができるようになります。情報共有ツールの導入は、機敏性の向上には欠かせません。

アジリティについて紹介しました。アジリティは、変化の早い時代には必須の能力です。企業間の競争に負けない為にも、組織的、個人的なアジリティの向上が必要です。この機会にアジリティの向上を目指してみてはいかがでしょうか。

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