個人事業主やフリーランスは確定申告を忘れずに
更新日:2023.03.30ビジネス豆知識2019年も終盤に近づき、今年度も「確定申告」の時期がやってきます。自身の所得総額や所得税を提出する確定申告ですが、その申請方法を知らない方もいるようです。国税庁も公式ホームページで解説しているものの、やや難解な手続きであるのは否めません。本記事では、個人事業主やフリーランスに向けて、確定申告の基礎知識や最新の税制改正情報をご紹介します。
目次
確定申告とは?
確定申告とは、毎年1/1~12/31まで生じた取得金額と「所属税(復興特別所得税を含む)」を計算し、納税する手続きのことです。個人事業主やフリーランスに欠かせない手続きであり、自己申告の形式を取っているため確定申告と呼ばれます。
確定申告は原則、翌年の2/16~3/15までに申請します。曜日により変動する年があるため、正確な申請期間は税務署に問い合わせるか、国税庁の公式HPを確認すると良いでしょう。なお、場合によっては「納め過ぎた税金が戻ってくる(還付金)」こともあります。後述する還付申請を行い、還付金を受け取りましょう。
確定申告の対象者とは?
原則、以下に相当する方は確定申告が必要となります。
□事業所得がある方
□不動産所得がある方
□配当所得がある方
□一時所得がある方
□雑所得がある方
□給与所得がある方
□山林所得がある方
□退職所得がある方
□譲渡所得がある方
個人事業主やフリーランスをはじめ、事業所得のある方は確定申告が必要です。ここでいう「所得」とは、売り上げから経費を引いた額となります。例えば売り上げが500万円かつ経費が200万円の場合、300万円が事業所得になる計算です。
一般企業に勤めるビジネスパーソンも、確定申告が必要になることがあります。良くある例が不動産経営です。企業に所属しつつ、マンション・アパート経営をしている場合は、確定申告が求められます。また病気などで長期入院した場合、医療費が10万円を超えると「医療費控除」の対象となります。一部例外こそあるものの、医療費の一部が手元に戻るため、忘れずに申告したいところです。
また、給与収入が2,000万円を超えていたり、退職による年末調整を受けられなかったりしても、確定申告が必要となります。「自分は会社員だから大丈夫・・・」と安心していると、実は確定申告の対象者だった、というケースは少なくありません。万が一、申告漏れが発覚した場合、本来収めるべき税額に遅延税や加算税が上乗せされます。トータルの納税額が高くなるため注意が必要です。
年末調整との違い
一般企業に勤める会社員は、毎年11月から12月にかけて年末調整が行われます。年末調整で正確な所得税を計算し、払い過ぎている従業員には還付を、不足している方には追加徴収を行います。これにより、会社員の確定申告が免除されているわけです。ただし、先述した条件にあたる会社員は、個人で確定申告をする必要があります。自分が確定申告の対象者かどうか気になる際は、経理担当者などに確認すると安心です。
確定申告に必要なもの
ここでは、確定申告に必要なものをご紹介します。以下は個人事業主やフリーランス向けの内容となります。
確定申告に必要なもの
確定申告に必要なものは、以下の通りです。
□本人確認書類(マイナンバーカードなど)
□印鑑
□申告書(後述)
□口座番号を証明できるもの
□所得を証明できるもの(源泉徴収票など)
□控除関係の書類(医療費の明細書など)
申告書は、確定申告の種類によって用意する書類が変わります。また印鑑や所得を証明する源泉徴収票、還付を受けるための銀行口座なども用意しましょう。書類関係については、下記で詳しく説明します。
白色申告の必要書類
白色申告には「確定申告書B」「収支内訳書」「控除関係の書類」「控除関係の書類」の4枚を用意します。就職内訳書とは、その年の給与収入および自ら計算した所得税額を記載する書類のことです。また各種控除を受ける場合、明細書なども漏れなく用意しましょう。
青色申告の必要書類
青色申告には「確定申告書B」「青色申告決算書」「控除関係の書類」「控除関係の書類」を用意します。青色申告決算書とは、損益内訳書2枚、貸借対照表1枚、損益計算書1枚で構成される4枚綴りの書類です。白色申告よりも細かい帳簿付けが求められる反面、最大65万円の特別控除が受けられます。余談ですが、2020年の確定申告から「青色申告特別控除額」と「基礎控除額」が見直される予定です。
確定申告書Aで申請する方とは?
確定申告書Bは、申告書Aよりも記載項目が多く、個人事業主やフリーランスが利用します。所得の種類に関わらず、誰でも利用できる書類です。一方、確定申告書Aで申請できるのは、給与所得や公的年金を受給する会社員・アルバイト・パートの方のみです。例えば、会社員が医療費控除や住宅ローン控除を申請する場合、確定申告書Aを利用することになります。確定申告書Aとは、申告書Bの簡易版と考えて相違ありません。
確定申告書の手続き方法
確定申告の手続きにおいて、まずやることは必要書類の取得です。先述した確定申告書AおよびB、また青色申告決算書は、国税庁の公式HPからダウンロードしたり、最寄りの税務署で受け取ったりできます。税務署から郵送で受け取ることも可能ですので、立ち寄り時間がない方は検討してみましょう。
必要書類の準備が終わったら、以下の方法で提出します。
□税務署に直接提出
□税務署に郵送提出
□e-Taxで申請する
これまでは直接提出、または郵送提出が一般的でしたが、近年は「e-Tax(イータックス)」という電子申告も主流となっています。「e-Tax」で申請する場合、予め電子証明書・開始届出書・利用者識別番号を取得する必要があります。やや小難しい印象を受けますが、国税庁の公式HPに具体的な申請手順が記載されていますので、参考にしてみましょう。
「e-Tax」であれば、確定申告書や青色申告決算書を手書きする必要がなくなります。スマートフォンやパソコンから申請できるのもメリットであり、仕事が忙しい方向けの申請方法といえるでしょう。なお、書類関係の不備などが気になる方は、税務署の窓口に直接提出するのが無難です。確定申告に慣れているなら、郵送提出でも問題ありません。
知っておきたい税制改正情報
税制は毎年見直されており、2020年の確定申告にも影響を与えます。個人事業主やフリーランスの方は、最新の税制改正情報をしっかりと抑えましょう。
青色申告特別控除額が減額に
2018年度税制改正により、最大65万円の青色申告特別控除額が最大55万年に減額されます。ただし、一定の条件を満たせば、最大65万円の控除を受けられます。その条件とは、青色申告の要件を満たした上で「e-Tax」で申請するか、「電子帳簿保存」をすることです。
ペーパーでの申請ではなく、電子申請であれば従来通りの控除が受けられます。政府が掲げる「ペーパーレス推進」の影響から、確定申告も電子化の余波を受けたわけです。今回の税制改正を機に、電子申請に切り替える方が増えると予想されます。
基礎控除が10万円の増額に
白色申告および青色申告における基礎控除は、従来の38万円から48万円に増額されます。実質的な減税となるものの、所得総額が2,400万円を超える方には適用されません。2,400万円以上は控除額が減少し、2,500万円でプラスマイナスゼロとなります。多くの個人事業主やフリーランスにとって、ありがたい改正内容といえるでしょう。
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