顧客満足度の高いコールセンターへのプロセス

更新日:2022.03.17コールセンター

対策を考える人

「サービスのパフォーマンスが高くて、顧客の満足度も高いコールセンター」。その様な評価を受けるには、運用状況の見直しと課題に応じた対策の強化、そして現場に適した目標設定が重要となります。今回は、コールセンターの課題と弱点を知るうえで有効な「アセスメント」と、目標達成に不可欠なプロセス確認に役立つ「KPIマネージメント」についてご説明します。

働きやすくて顧客満足度の高いコールセンターを目指して

コールセンターにおけるアセスメントの重要性

現状を調査・分析して課題解決・状況改善までのロードマップの策定に結びつけるアセスメントの手法は、多くの業種で有効活用されています。コールセンターでも、現状における問題把握と運用改善に活かされることから、多くの企業でアセスメントが行われています。

コールセンターのアセスメントは、まず現状を調査し、問題の「見える化」を図り、その「悩み」を浮き彫りにすることからはじまります。そのプロセスで集められたさまざまな情報をチェックしながら、課題に優先順位をつけ、運用改善に向けた対策を立案。課題と原因、対策が明確になることで、改革や建て直しにスピード感も生まれます。

立ち位置で異なる課題

コールセンター運用で問題点の洗い出しを行う際、それぞれの「立ち位置」で考えることが重要です。視点が異なれば、また別の悩みや課題が生まれるもの。コールセンターのアセスメント評価で見るべき立ち位置は、「経営サイド」と「管理サイド」です。

経営サイドの悩み

  • 業績悪化にともない、人件費をカットしたい→採用コストのカット
  • CS(顧客満足度)が上がらない→応答品質の確保対策
  • クレームが減らず、企業ブランドの低下が心配→広告対策と情報発信の強化
  • オペレーターを雇用しても、なかなか定着しない→労働環境の改善対策
  • 新規顧客の獲得になかなかつながらない→営業戦略の見直し

管理サイドの悩み

  • 応対後の後処理時間がなかなか短縮化できない→作業プロセスの見直しと改善
  • クレーム処理に手間取るスタッフが多い→クレーム原因の解明
  • スタッフごとにスキルの差があり、人員配置に悩む→オペレーター教育の見直し
  • 全体的に対応時間が長く、最低1分は短縮させたい→スキルチェックと目標の再設定
  • 目標を設定しても、スタッフのモチベーションがついてこない→ヒアリングの徹底

アセスメントで現状を把握、優先順位に従って個別具体的に対策を講じていく流れです。

解決までのプロセスを明瞭化するKPI

KPI重要業績評価指標)とは、目標・目的達成のために必要となる評価指数のうち、特に重要なものをいいます。その企業が掲げる大きな方針に沿って目標に向かううえで、どの様なプロセスで物事が進行しているかを適性に計測する役割を持ちます。

KPIは、目標達成のプロセスが計画通りに進行しているかをチェックする数値であり、正しい方向へ誘導するためのメルクマールでもあります。そのKPIは、誰が見ても達成状況やそのペースが分かる様に、定量化された数字でなければなりません。具体的な数字目標を掲げることで、目標達成のための道筋が明確となり、アクションや対策の「見える化」も進みます。

コールセンターでKPIを設定する場合、まずは目標と目的が何であるのかの意思統一を図る作業が不可欠です。例えば、「コール数が多く、放棄呼の増加が止まらない」という課題を解決する手段として、「応答率の確保」があります。その目標を達成するために、「応答率を今の85%から95%にする」というKPIを設定。日々の業務状況をチェックしながら、絶対目標に到達するためのさまざまな改善アクションや対策が試みることで、事業体として着実な成果を生み出します。

面談

コールセンターの主なKPI

前段ではコールセンターでよく設定されるKPIの代表として応答率をご紹介しました。最後に、コールセンターでよく使用されるそれ以外のKPIをいくつかご紹介します。

離職率

多くの企業が抱える悩みとして、離職率の高さがあります。これはオペレーターに限らず、マネージメント担当のスーパーバイザーも例外ではありません。スタッフの入れ替わりが激しくなると、生産性の低下だけでなく、応答率や顧客満足度にも影響します。離職率をKPI設定することで、オペレーターやスーパーバイザーが仕事に取り組みやすいと思える環境の整備につながります。

AHT

AHTとは、ひとつのコールに対し、どれくらいの対応時間を要したかを示す数値で、平均処理時間ともいいます。AHTをKPIに設定して平均処理時間の短縮化を図ることで、あふれ呼などつながりにくい状況の改善を促します。主な改善策として、コールフローの改善や後処理作業の効率化が挙げられます。

モニタリングスコア

モニタリングスコアとは、スーパーバイザーがオペレーション品質を評価するものです。この基準値は、AHTや応答率と異なり、数字上では現れにくいもの。それをKPI設定することで、可視化を図り、適正評価につなげます。オペレーター自身もセルフチェックができると同時に、顧客満足度の感触が得られる効果も。オペレーション品質の向上や、受注率・購買数のアップに影響する部分も少なくありません。

ひとつの問題を解決しても、また次の問題が出てくることがよくあります。その都度、改善までの目標を立て、根気良く解決することが、顧客満足度の高いサービスを提供できる一歩となります。

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