パワハラ・セクハラについて理解しよう
更新日:2022.05.06スタッフブログ近年、パワハラ・セクハラにまつわる問題は増加傾向にあります。不用意に社内の同僚や後輩・部下を傷付けるのは、そもそもこれらの定義について知らないからかもしれません。どのようなケースがパワハラ・セクハラに該当するのか、こちらでご説明しますので、良好な職場環境と人間関係を保つためにも、ぜひ参考にして下さい。
相手がどう感じるかを考えよう
パワハラとは?
パワハラには、そもそも明確な法的定義がありません。しかし、厚生労働省では、パワハラに関するサイト『あかるい職場応援団』の中では、職場におけるパワーハラスメントとして、
「同じ職場で働く人に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超え、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」
と定義しています。
上司から部下に対するパワハラが主な対象ですが、先輩・後輩間、または同僚間、さらには部下から上司に対する行為が含まれるケースもゼロではありません。パワハラに当てはまるかどうかは、当事者間同士の力関係を見て判断される部分が大きいといえます。
パワハラの判断でもっとも難しいのは、業務範囲とどこで線引きを付けるか、です。上司は職位・職能に応じて権限を行使し、業務の指揮や監督、教育指導を行うのが主な務めです。業務の適正範囲かどうか、それを明確にし、パワハラが発生しないようにするのはもちろん、告発しやすい環境を整えることは会社組織に与えられた役割であるため、経営陣のチェック体制も同時に問われるといえるでしょう。
セクハラとは?
セクハラとは、性的嫌がらせの行為、またはその発言のことです。セクハラ行為が相手にどんな影響を及ぼしたかで、そのタイプは「対価型」「環境型」に分けられます。
対価型
対価型とは、まず職場の地位や力関係を利用して、性的な要求をしたとします。被害を受けた人が要求を拒んだ結果、解雇・人事異動・減給などの不当な処分を受ければ、対価型セクハラの部類に入ります。
例えば、職場で「あいつが○○という店で恋人とキスしているところを見た」「あの社員、今日の下着は○色だ」などと言いまわっていたとします。噂をされた社員やそれを聞いた別の社員が「やめてください」の旨を言い、抵抗した結果、仕事上で不当な待遇を受けた場合などが挙げられます。もちろん、これら発言内容がウソか本当か、その真偽を問わずに認定されます。
環境型
環境型とは、性的嫌がらせを受けた人が不快を感じ、職場環境が悪くなったり、仕事に集中できない、能力を発揮できなくなったとなれば、環境型セクハラと見なされます。
例えば「彼氏(恋人)はいるのか。結婚しないのか」というような質問も、毎日のように繰り返されると、出社するのが苦痛になるでしょう。質問している人は何気ない日々のあいさつのようなつもりであっても、質問される人にとっては答えたくない、切実な問題かもしれません。
嫌がらせの定義は曖昧で、それは本人がどう思うかによって決まる傾向が高いといえます。また、たとえ本人が不快ではなくても、周囲が見て不快に感じたのなら、セクハラとして訴えられる可能性もゼロではありません。
しかし、セクハラの定義としては「言動」とされていますので、性的な要求だけでなく、例に挙げたような発言だけであっても、セクハラと認定されます。
最近では、日本に限らずアメリカ国内でも大きく取り上げられ、問題となっています。芸能界や政界、マスコミ、ハリウッド、スポーツに至るまで、様々な人が告発をしています。セクハラはダメ、泣き寝入りせずに告発する、という認識が、世の中に広まってきています。
故意か否かを問わず、パワハラやセクハラが発生してしまうと、企業や周囲の人が被害を受けるもはもちろんですが、何より当事者の精神的、あるいは肉体的苦痛がとても大きく残ります。解決したとしても、転職を余儀なくされたり、望まない人事異動などによる環境変化のストレスが発生するでしょう。以前のような生活に戻るのは、厳しい可能性もあります。
デリケートな問題であるパワハラ・セクハラは、自分勝手な解釈をせず、「相手の立場と心情を思いやる」心づかいが大切といえます。
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