これからのビジネスで必要なAI人材

更新日:2023.02.16ビジネス豆知識

AIを活用する人材

現在、AI人材が世界的に不足している状況です。とくに日本では、海外に比べて対策が遅れています。最近では大学や企業による人材育成が盛んになっているようです。今後、さまざまな分野で活躍できる見込みは大きいといわれているAI人材。将来性が高いAI人材を目指す価値はあるかもしれません。今回は、AI人材の役割や種類、AI人材になるメリット、方法などをご紹介します。

AI人材とは

AI人材とは、AI(人工知能)を実務で扱うために必要となる知見を備えた専門家のことです。

AI人材が担う役割

AI人材が担う役割は、大きく分けると「AI研究の進展」「現場で使える形へのAIの具現化」「ビジネスなどでのAIの活用」の3つです。そもそもAI人材は幅広い分野の専門家を指します。AIの研究者やデータサイエンティストなど理系のスペシャリストに加え、コンサルタントやアナリスト、プランナーといったビジネスサイドの人材まで含まれます。

研究者や技術者の役割は、基本的に自分が関わっている分野における研究の進展です。数理統計やデータ処理の専門知識は、AIを実務で利用する際に必要とされます。ビジネスサイドの人材はAI研究の専門家が用意したデータやシステムを実務で活用する企画を考え、ビジネス方面で収益を上げる役割まで担います。

AI人材の種類はおおまかに3タイプ

AI人材の種類は、おおまかに分類すると研究者、開発者、企画者の3タイプです。研究者は、基本的に「専門研究を通じてAIを進歩させる」役割を果たします。普段は大学や研究施設で専門分野の基礎的な研究に従事し、一定の研究成果が得られると論文や学会で発表します。

開発者が担当する役割は、「AIを現場で使える形に具現化すること」です。企業で技術者や分析者として働きながら、先進的なAI技術を現場で使えるモデルに構築するといった業務を引き受けます。企画者は、「AIをビジネスの現場などで実際に活用すること」が主な役割です。職場のコンサルタントやプランナーとしてAIを活用した企画を考え、お客様にAI技術を取り入れたサービスや商品を提案します。

なぜAI人材が求められるのか

ビジネスシーンでAI人材が求められる主な理由は、AI技術への期待が大きいためです。近年はさまざまな業界でデジタル化が進み、仕事で処理するデータ量は大幅に増えました。ビッグデータの活用は多くの企業にとって重要課題となり、AI技術の進歩や実用化に大きな期待が寄せられています。

ビジネスシーンでAI分野の需要が高まる一方で、ニーズに応えられる人材の供給は追いついていません。AI人材は不足している状況にあり、研究者から企画者まで多くの企業に必要とされています。とくに日本は統計や情報科学を専門的に学んでいる学生が少なく、今後もしばらく人材不足による需要の拡大は続くと予想されています。

AI人材を目指すメリット

いまAI人材を目指すメリットは、将来性の大きさです。ただ企業からの需要が高いだけでなく、幅広い分野で活躍の場が用意されています。

企業からの需要が高い

AI人材はさまざまな企業で人手が足りず、国内外を問わず需要が高い状況です。経済産業省がまとめた調査によると、AI人材の需要と供給のギャップは2018年時点で4.1万人と示されています。2030年には12.4万人に増えると予想され、少なくとも3倍前後は不足する計算です。

海外の状況については、中国にあるネットサービス関連の会社が発表しています。報告を見ると、世界の企業が必要とするAI人材は100万人に及ぶのに対して、実際に研究・開発に携わる人は30万人とのことです。AIはIT関連に限らず幅広く活用されています。政府や海外の会社による調査をふまえれば、AI人材は広い分野・地域で多くの需要があると分かります。

高い将来性が見込まれる

現在、実際にAI人材が活躍している業界はIT関連、自動車製造、医療分野です。これらの業界では、これからも高い将来性があると見込まれます。もともとAIは、IT分野にてコンピュータの研究が進むなかで生み出された技術です。IT関連の業界とは深い関わりがあり、AIを利用したサービスの開発や運用を担う場面は増えると期待されます。

たとえば自動車業界です。最近の自動車には、コンピュータ制御により高い性能を誇るものが多数誕生しています。AIは運転手が見落とした危険を察知できるため、ドライブレコーダーに搭載され、安全運転に貢献し始めています。

ほかにも挙げられるのが、医療分野での活躍です。医療分野は生命に関わる研究がなされており、日々の技術進歩が目覚ましい領域です。AI技術の導入も盛んであり、今後はさらに活用する範囲が広がると予想されています。すでに見た通り、AI人材は求められる種類もバリエーション豊かです。

活躍の場は、大学や研究施設での専門研究から、企業での技術開発やデータ分析、さらにコンサルタントやプランナーまで多岐にわたります。いずれも専門的な知識は必要といわれますが、いろいろな働き方を選べる分野です。その意味でも、AI人材の将来性が高いとの声は多くの業界で聞かれます。

AI人材になるには

現在、ビジネスで求められるAI人材になるには、専門知識の習得が大切です。専門的な内容を学ぶなら、大学進学や社会人向けの講座を受講する方法があります。

必要とされる専門知識

AI人材に必要とされる専門知識は、プログラミング言語、ビッグデータ分析や機械学習についてです。人間同士の会話と同じく、AIとコミュニケーションを取る時にも言葉は不可欠です。コンピュータを通じて会話する場合、プログラミング言語の学習が欠かせません。ビッグデータを活用するには、ただIT技術を使って大量のデータを集めるだけでは不十分です。

実用化するうえでは、膨大な量のデータを適切に分析できる知識が求められます。AIは、学習する機械ともいわれます。最近よく話題になるディープラーニングは機械学習のひとつです。仕事でAIに関わるなら機械学習について知っておく必要があると考えられています。

大学や社会人向けの講座で学習

現在、AIの専門知識を学べる場所としては大学や社会人向けの講座が挙げられます。新卒でAI人材として採用されるのを目指したい場合は、理系大学への進学が一般的です。昨今は、人材不足の影響もあり、AI関連の学部や学科を新たに開設している大学が増えています。AI人材への異動や転職を検討しているなら、社会人向けの講座を受講するのがおすすめです。

専門書で独学する方法もありますが、AI講座やプログラミングスクールに通ったほうが効率的といわれています。これまでAIと無縁であった場合、通常、まずIT分野について勉強することが望まれます。いろいろな状況に応じて勉強方法を選べるため、自分に合ったスタイルを見つけるとよいでしょう。

企業も人材育成に積極的

近年は、企業もAI人材の育成に積極的です。職場によっては、AI関連の資格取得を推奨するケースも見られます。多くの企業では、セミナーや職場でのトレーニングを通じて人材育成を盛んに進めています。「AI Quest」のように、民間企業が経済産業省と協力して取り組んでいる育成事業もあります。

各企業において、AI関連の資格取得をすすめる傾向も強まっています。AI人材になる際に必ずしも資格は求められませんが、自分の能力を証明するうえでは有効です。これからAI人材を目指すなら、企業のセミナーに参加しながら資格を取得してみるのもよいと考えられます。

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