アイスブレイクの定番!「自己開示」のコツ
更新日:2023.02.22ビジネス豆知識初対面の相手と出会う時、お互いの緊張を和らげる手法として知られるアイスブレイク。ビジネスでは、社内の会議、あるいはお客様への営業や取引先との商談で相手との距離を縮めるのに効果があると考えられています。自己開示は、そんなアイスブレイクの定番とされる方法です。ビジネスシーンで有効活用されれば、良好な人間関係の構築に役立つでしょう。そこで今回は、自己開示の基本知識やビジネスで活かせるコツをご紹介します。
目次
自己開示とは
自己開示は、簡単に表現すると自分がどんな人間か紹介することです。
自己開示の基本
ビジネスシーンにおいて自己開示とは、お客様への営業活動や取引先との商談で自分のプライベートについて話す行為を意味します。自己開示の主な目的は、お客様や取り引き相手との良好な人間関係の構築です。会話の相手がこれまで自分と面識がなく多少の警戒心を抱いている場合、できるだけ相手に心を開いてもらうため自己開示します。営業活動や商談では、お互いの緊張を和らげられる意味からアイスブレイクの方法として知られます。うまく機能すれば、相手との距離を縮めるのに効果的です。
自己開示の効果
自己開示がもたらす大きな効果は、初対面の場合に打ち解けやすくなる点です。ビジネスの場合、初対面でお互いについて何も知らないと簡単には信頼関係を築けません。それでも営業や商談の前に自分の情報を少し提供するだけで、親近感を生み出すよいきっかけになると考えられます。お互いに距離が縮まり身近に感じられたら、緊張の伴うビジネスの場も話しやすい雰囲気に変わるでしょう。和やかな空気のなかで会話を進めれば、信頼感を得られる可能性は高まると期待できます。
自己開示の難しさ
自己開示はプライベート情報の公表であり、人によっては何を話すか簡単に決められない場合もあります。多くの方は、自分に関する内容であれば話題に事欠かないと思うかもしれません。ただ初めて顔を合わせた相手に話すとなると、ためらわれる場合もあるでしょう。さらにビジネスシーンで緊張感を和らげたいと思うと、話題選びは難しくなる場合があります。何を話しても問題ないといわれますが、通常、なかなかすぐには適切な話題が思い浮かびません。自己開示で苦労しないためには、いろいろ話題を集めておくといった工夫が求められます。
自己開示で何を話せばよいか
自己開示で何を話せばよいか迷わないためには、日頃から多くの話題をメモしておくと有効です。
自己開示に決まりはない
ビジネスシーンで自己開示する際、何を話題に選ぶかはとくに決まりがありません。話の内容は基本的に制限されませんが、あくまで自己開示は自分の紹介です。単なる雑談と異なることは、話題選びの時に覚えておきたい大切なポイントに挙げられます。自己開示の話題が自分に関わる内容になるなら、話の題材は大きくプライベート関係と仕事関係に分かれると考えられます。この点を意識すると、普段から話題を集めやすくなるでしょう。
身近な話題でOK
プライベート関係で自己開示する場合、話題は身近なことで十分です。身近な話題の好例としては、まず自分自身の趣味や出身地が挙げられます。自分が直接に関わっていなくても、家族の体験談や身近に起きた出来事であれば差し支えないでしょう。緊張を和らげるなら、おもしろい話題が合っていると考えられます。誰かが不快に感じる恐れのあるテーマは避け、みんなで楽しめる話題を提供することが望ましいといえます。
仕事関係の話でも問題ない
プライベート関係であまり情報が集まらない場合、仕事関係の話でも問題ありません。仕事関係で自己開示に使える話題としては、職場に起きた最近の出来事から自分の業績や失敗談まで含まれます。大した内容でなくても、メモしておくと役立つ可能性があります。ただ仕事関係の場合、話し方には注意が必要です。自分の業績を強くアピールすると自慢話に聞こえるケースがあり、失敗談によっては信頼を損ねるリスクがあるため気をつけなければなりません。いずれにしても仕事の一環として自己開示するなら、ビジネスシーンにふさわしい話題を選ぶのが適切です。
自己開示のコツ
自己開示の効果を高めるコツは、「自分の弱みを見せる」、「相手の自己開示を促す」、「度合いに気をつける」などです。
自分の弱みを見せる
自己開示する場合、自分の弱みを見せると相手に親近感や安心感を抱いてもらうのに効果があります。ほとんどの方は日常生活や仕事関係で失敗しているため、相手から失敗談を聞くと身近に感じられる場合がよくあります。同じ失敗を経験している場合、そこから会話が弾むケースも珍しくありません。苦手なものを伝えるのも、効果的な方法です。冬場であれば、「今日は寒いですね」で終わらず「私は寒いのが苦手で、今朝は起きるのが大変でした」と続けたほうがお互いの距離は縮まると期待できます。
相手の自己開示を促す
自己開示は、自分のプライベートを明らかにして緊張を和らげるだけでなく相手の情報を引き出すことも重要な目的です。お互いに打ち解けるには、自分だけ一方的に話していても十分とはいえません。自己開示を通じて、相手からも好意的な返答を得ることが大切と考えられています。自分の出身地を話すなら、同時に相手がどこの生まれか聞いてみましょう。その土地について最近の話題や自分の知りたいことを話すと、さらに会話を広げられる場合があります。
度合いに気をつける
自己開示する際には、どんな話題を選ぶとしても度合いに気をつけなければなりません。ビジネスでの自己開示は、気がつくと自己アピールになっている可能性があります。緊張を和らげるつもりが、相手を警戒させてしまうかもしれません。自分の弱みを見せるとしても、あまり話が重くなると相手に受け入れてもらえない場合があり配慮が必要です。
自己開示の度合いは4段階
自己開示の度合いは、心理学的な見解によればレベルが4段階に分けられるといわれています。
レベル1:趣味・嗜好
趣味や嗜好は、自己開示の度合いのなかでもっとも浅いといわれるレベル1です。自分の趣味や嗜好について話しても、たいてい周りからの評価は大きく変わりません。自己開示の話題に選んでも信頼を損ねるリスクが低いため、レベル1に分類されています。
レベル2:過去の辛い経験や苦労話
過去の辛い経験や苦労話は、レベル2に位置づけられる話題です。専門的には、「容易には克服できない困難な経験」と表現されます。必ずしも人間性に深く関わるわけではなく、比較的浅いレベルと見なされています。
レベル3:ちょっとした弱みや欠点
ちょっとした弱みや欠点は、レベル3に該当する話題です。「冬の寒さが苦手」や「方向音痴ですぐ道に迷う」は、人間性の評価に大きく影響しないと考えられています。ただ自分のマイナス面を開示するため、比較的深い段階のレベルに分けられています。
レベル4:自己否定的な欠点
自己否定的な欠点は、自己開示の話題のなかでもっとも深い段階となるレベル4です。人間性あるいは社会的な評価を大きく左右すると見られ、専門的には「自分の性格や能力の否定的側面」といわれています。初対面の方に話すには不向きとの声が、多く聞かれます。ビジネスシーンでお互いの距離を縮めるアイスブレイクが主な目的であれば、レベル1程度の軽い小ネタで十分と考えてよいでしょう。
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