周囲に与えるイメージをコントロールする方法

更新日:2023.02.24ビジネス豆知識

人の印象

周囲に与えるイメージをコントロールする方法。ハロー効果とは、心理現象ですが、ビジネス用語としても覚えておきたい言葉です。ハロー効果は採用面接や人事評価に表れたり仕事の成果を大きく左右したりします。今回はハロー効果について紹介します

「ハロー効果」

ハロー効果(haro effect)は、後光効果や光背効果、ハローエラーとも呼ばれます。ある対象を評価する際に、それが持っている特徴に影響され全体の評価が歪んでしまう現象のことです。アメリカの心理学者、エドワード・ソーンダイク氏が1920年に書いた論文でハロー効果という言葉を初めて使用しました。

心理学の世界では認知バイアスと呼ばれるものの一つです。ハロー効果は、絵画などで聖人やイエスキリストの頭の上や後ろにある光輪のことです。後光とも言われます。無意識のうちにこんな風に思うことはありませんか。

上等でぴしっとしたスーツを着こなしている人は仕事ができる人だと感じる。
初めて聞いた会社名だが本社は東京の丸の内にあるから信用できると感じる。
雑誌で紹介されているレストランだからきっと美味しいだろうと感じる。

実際にはそうではないかもしれないのに、後光の影響で評価が無意識のうちに変化してしまいます。その人ではなく後ろから輝いて見せている光や他の目立っている特徴によって全体の評価が歪んでしまうのです。好感度の高い芸能人が宣伝に起用されるのもハロー効果を利用した宣伝手法です。

ハロー効果はポジティブにもネガティブにも歪む現象が確認されています。第一印象だけでその人が持っているイメージを決めつけてしまうハロー効果。ビジネスを行う上では常に気を付けたいポイントです。また、ハロー効果と似た効果でピグマリオン効果があります。

ピグマリオン効果とハロー効果の違い

ハロー効果とは、人物や物事を評価する際に目立っている特徴がある場合、その特徴によって他の要素に対しても影響を与えてしまうことです。目立つ特徴によって印象が変わってしまいます。相手の特徴によって自分の相手に対する評価が変化します。

見た目が良いビジネスマンは仕事もできると感じてしまう現象はハロー効果です。ハロー効果は相手の目立っている特徴で全体を判断して自分の評価が変わる心理ですが、ピグマリオン効果は相手に期待することによって相手の行動を変える心理です。ピグマリオン効果もハロー効果も無意識に働きかけるという点は同じです。

ポジティブハロー効果とネガティブハロー効果

ポジティブハロー効果

ある特定の評価が高いと他の項目も含め全体的に高い評価をしてしまうことです。例えば、毎朝のあいさつができて身だしなみが清潔である人は仕事も他の面に関しても優秀だろうと判断してしまうことです。あいさつができて身だしなみが清潔であることは素晴らしいことですが、だからといって仕事や他の面も優秀とは決まっていません。もちろん、あいさつができて身だしなみが清潔で仕事も他の面も優秀な人はいます。これがポジティブハロー効果です。

ネガティブハロー効果

ポジティブハロー効果とは反対にある特定の評価が低いと他の項目も含めて低い評価をしてしまうことです。
例えば、学業の成績が悪いというだけで、日常生活に問題があり素行不良だと判断してしまうことです。
学業の成績が悪いというだけなのに、日常生活や素行まで悪いと判断してしまうのがネガティブハロー効果です。初めに受けた印象そのままに他の面も評価してしまうと、悪くなくても悪いと判断してしまいますので注意が必要です。

ハロー効果が現れる例

採用面接試験

採用面接の場では短い時間で相手のことを理解しなければなりません。また、ほとんどの人が初対面です。履歴書や職務経歴書などの少ない情報で評価をしなければなりません。そのため、容姿や身だしなみが整っている人の方が仕事もちゃんとできそうとハロー効果に引っ張られやすいです。

また、容姿端麗以外にも有名大学出身であることや面接官と出身地や母校が同じなどの共通点があるなどの目立つ点があれば、全く関係のない能力や性質についても好印象を持ってしまうハロー効果に気を付けけないといけません。

人事評価

人事評価をする際には、過去の業績や経緯、現在の業務などを総合的に判断して評価するものです。ですが、リーダーシップや資格取得の有無、過去の経歴、他者からの評価などに良い特徴があった場合、その良い特徴に引っ張られて別の評価も高くなります。逆に悪い特徴がある人は、その特徴に引っ張られて別の評価も悪くなってしまうというハロー効果に気をつけたいところです。人事評価は従業員のモチベーションに影響を与えますので公正な評価が必要です。

親の七光り

社会的に成功した人や芸能人、政治家の子供である2世は、親が優秀であればあるほど、その優秀な親のイメージが2世にも継承されハロー効果が起こります。親が優秀であることと子供である2世が優秀であることをハロー効果によって結び付けてしまいがちです。親の七光りで特に努力しなくても高い評価を得ることができます。

ハロー効果について紹介しました。ハロー効果が起こる場面は数多くあります。ハロー効果をうまく活用することで周囲に与えるイメージをコントロールすることが可能です。この機会にハロー効果を意識してみてはいかがでしょうか。

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