外国人が戸惑う日本のビジネスマナーとは?

更新日:2023.03.22ビジネス豆知識

戸惑う外国人

グローバル化にともない、日本でも社内の公用語を英語にしたり外国人採用を積極的に行ったりする企業が増えてきています。日本では当たり前のビジネスマナーの中には、外国人が戸惑う場面やカルチャーショックを受けてしまう慣習もあるようです。今回は、外国人が「どうしても慣れない」「戸惑う」「不思議に感じる」日本独特のビジネスマナーをいくつかご紹介いたします。また、海外でのマナーもあわせてご紹介しますので、外国人ビジネスマンと接する際の注意点としてぜひ参考にしてみて下さい。

丁寧すぎる名刺交換

日本では初対面の人とあいさつする場合は、まず名刺交換からはじまります。就職後のビジネスマナー研修などで、はじめに名刺交換のマナーを学んだという方も多いのではないでしょうか。名刺交換時のマナーは細かく挙げればきりがありませんが、基本的には以下の様なものが知られています。

  • 訪問先の人物、または目上の立場の人物から名刺を手渡す
  • 名刺は両手で渡し、両手で受け取る
  • 受け取った名刺は席順通りに机上に並べておく
  • もらった名刺は丁寧に扱う

一方、海外の名刺交換では、特別なマナー、固有の作法はありません。それどころか、名刺を持たないビジネスパーソンも多いといいます。外国人の多くは、名刺交換をさほど重要視していないようです。

多くの国では、初対面時にまず握手を交わします。外国人にとって名刺は単なる「連絡先のメモ」程度の認識のため、名刺の渡し方もカジュアルに片手で行われることが珍しくありません。商談の内容や相手の情報などを直接名刺に書き込むという、日本では考えられないような行為も当たり前に行われます。この様な認識であれば、小さな紙を大事そうに扱う姿が異様な光景に映るのもうなずけるでしょう。

会議やミーティングの発言の仕方

日本では会議やミーティングの前に根回しをしておいて、ほぼ決定していることを会議で改めて報告し、合意されるという形式的なスタイルが取られることが多くあります。海外での会議は激しいディスカッションの場であり、その意見をもとに合意決定されるのが常識です。個人の発言力が重視されるため、会議で発言しないと「何のために会議に出席しているのか分からない」と思われてしまうようです。そのため、発表者以外発言せずに無言で話を聞いているだけの日本の会議に驚く外国人は多いといいます。

これは、日本人は単一民族であるのに対し、海外の国の多くは多民族であるためだと考えられます。日本人は相手の思惑を察することを美徳とする国民性がありますが、外国では自分の意見を主張しないと誤解されてしまう場面が多々あるのです。
また、日本の会議は厳粛な雰囲気の中で行われますが、海外では重要な会議の場でもジョークが飛び交うことがあります。終始緊張がともなう日本の会議では考えられませんが、ジョークで場を和ませ、意見を出しやすい雰囲気にするために良い行いとされているようです。

長文過ぎるビジネスメール

日本のビジネスメールにはしきたりやルールが多く、それも企業や業種によって多種多様です。定型文でのあいさつや定型句を入れることがマナーとされており、どうしても長文になってしまいます。日本語の使い方や敬称・敬語の使い方なども重視され、少しでも間違えば失礼にあたります。そのため、一通のメールを送るのにかなり時間がかかってしまうこともあるのではないでしょうか。

海外のビジネスメールには、伝えたい内容のみが簡潔に記されているだけで定型文の様なものは見当たりません。日本の長文メールに慣れているとそっけなく感じるかもしれませんが、海外ではこれが一般的です。海外では迅速なコミュニケーションが求められるため、メールに時間をかけることを快く思わない人も多いといいます。定型文が多すぎて内容が分かりにくい、書くのも読むのも時間がかかるという点でデメリットに思われてしまうことも多いようです。

宴席でのマナー

日本では、仕事が終わったそのままの流れで上司や同僚と飲み会が行われることがあります。話題も仕事や人間関係の愚痴が多くを占め、上司や目上の人がいる場合はグラスが空になる前にお酌をするという独特の文化があります。

外国人はプライベートを優先する人が多く、業務時間外の食事や飲み会には参加しないことも当たり前にあるようです。飲み会に参加する場合はいったん家に帰り私服で参加するなど、仕事とプライベートを分けて考えている人もいます。食事や飲み会の席では仕事の愚痴は一切話さず、プライベートな話が中心です。お酌は自分でするかウェイターがするものという認識があるため、急にお酌すると不審に思われてしまう可能性があります。

また、日本ではサラリーマンがお酒の飲み過ぎで酔いつぶれて繁華街の道端で寝ている、という光景をよく見かけます。海外では酔いつぶれることは恥とされているため、異様な光景として映っているようです。海外のビジネスマンとお酒を飲む機会があったら、適量を守り節度ある行動を心がけましょう。

海外では避けたいしぐさや立ち居振る舞い

マナー以外のしぐさや立ち居振る舞いでも、外国人が戸惑ってしまう可能性があります。仕事で海外に行く際や、外国人と仕事をする際は注意しましょう。

腕を組む

日本では、何か考え事をする際など無意識に胸の前で腕を組む人がいますが、海外ではあまり好ましいしぐさではないようです。腕組みは、相手を警戒する時や敵対する気持ちがある時のボディランゲージと見なされてしまう場合があるため、注意しましょう。

分からない時や困っている時も笑う

日本では常に笑顔でいることが良いとされているため、困っている時でも笑顔で対応してしまう人も多いのではないでしょうか。これは海外の人にとっては理解できない行為であり、「分からないのにニヤニヤしている」と不快に感じてしまう人もいるようです。分からない時や困っている時は、真剣な表情で助けを求めると良いでしょう。

序列優先

日本のビジネスシーンでは年功序列が最優先されます。一方、海外ではプライベートシーンではもちろん、ビジネスシーンでもレディ・ファーストが当たり前です。着席の順番や入退室、食事の注文など、まず優先すべきは女性だということを覚えておきましょう。

ボディランゲージ

日本では当たり前に使われているボディランゲージは、海外では別の意味になってしまう可能性があります。たとえば誰かを呼ぶ時の手招きのしぐさは、アメリカでは「go away(あっちへ行け)」と真逆の意味になります。そのほか、親指を立てるしぐさや親指と人差し指で丸を作ったOKサインなど、国によっては人を侮辱する際のサインになりますから注意が必要です。

外国人が戸惑う日本のビジネスマナーをいくつかご紹介しました。国によって文化が違うように、ビジネスマナーもさまざまです。名刺交換やビジネス敬語、目上の人を敬うなどは、古来日本で大切にされてきたマナーです。しかし、日本で美徳とされていることが、海外でも必ずしも喜ばれるとは限りません。マナーの本質は相手の立場に立って考え、相手を不快にさせないことです。自国のマナーを尊重することはもちろん、無駄と思えるものは必要に応じて省く姿勢も大切。相手に合わせた柔軟な対応を心がけることで、信頼ある人間関係の構築につながるのではないでしょうか。

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