自分の年金はどうなってる?確定拠出年金を知ろう

2019.12.17スタッフブログ

最近は「老後2,000万円問題」や「年金受給開始年齢の引き上げ」など、老後の資金確保に関する不安なニュースを耳にすることも少なくありません。しかし、そもそも自分が加入している年金制度の仕組みについて、あまり知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、3階建てといわれる日本の年金制度のなかで、「企業年金」、特に「確定拠出年金」についてご紹介します。

年金手帳

 

日本の年金制度

日本の年金制度は、「3階建て」と表現されることがあります。1階部分は国民全員が加入を義務づけられている「国民年金」、2階部分は会社員や公務員などが加入する「厚生年金」です。1階と2階を合わせて「公的年金」と呼び、国民から徴収した税金を活用して、国が社会保障の一環として整備しています。

確定拠出年金は、公的年金の上乗せとして作られた、日本の年金制度の3階部分です。これを「企業年金」と呼びます。企業年金は、会社が従業員に対する福利厚生の一環として任意で加入するもので、厚生年金基金・確定給付年金・確定拠出年金の3つから成り立っています。

 

厚生年金基金について

企業年金は、上記3つの仕組みで成り立っていますが、厚生年金基金は事実上廃止されています。元々、厚生年金基金は会社員の老後生活保障の充実化を目指して導入されました。その仕組みは、会社が別法人として厚生年金基金を設立し、年金資産の管理や運用、給付を行うというものです。

バブル経済期には、高い利回りを実現できており、加入者の受け取れる年金額を増やせていました。しかし、バブルが崩壊し景気が後退し始めると、基金の運用がうまくいかず、財政状況の悪化から解散する基金が相次ぎました。

そうした状況を受け、2002年に施行された確定給付企業年金法により、厚生年金基金から確定給付年金や確定拠出年金への移行が可能になったのです。その後厚生年金基金からそれぞれへの移行は進み、令和1年9月1日現在で、存続している厚生年金基金は8社のみとなりました。厚生年金基金は事実上廃止された、といっても差し支えないでしょう。

 

確定給付年金と確定拠出年金の違い

上記の通り、企業年金のひとつの柱であった厚生年金基金は現状ほとんど利用されていません。そこで注目を集めているのが、「確定給付年金」と「確定拠出年金」です。以下では、両者の違いについてご紹介します。

 

両者の運用の流れと違い

確定給付年金と確定拠出年金の運用の流れは以下の通りです。

 

【確定給付年金】

1.将来受け取れる給付額を決定する
2.年金資産の一括運用・管理
3.決まった金額が加入者へ支払われる

 

【確定拠出年金】

1.拠出額(掛け金)を決定する
2.加入者に応じた資産の運用・管理
3.運用実績に応じた年金の支払い

 

確定給付年金では、将来の給付額を最初に決定します。そして、給付額を賄うのに必要な掛け金を計算し、加入者から集めた年金資産の運用を、委託された生命保険会社や信託銀行に任せる制度です。最初に決定した給付額は会社によって担保されているため、運用の失敗や積み立て不足などが発生した場合も、企業が補填します。

一方、確定拠出年金ではまず掛け金を決定します。将来受け取れる給付額は、その掛け金の運用実績に基づいて決まる仕組みです。運用先は加入者自身が選択した金融商品となり、運用リスクは加入者が負います。年金資産の運用がうまくいけば多額の年金を受け取れますが、失敗した場合は給付額が少なくなるため、投資的な側面が強いといえるでしょう。

 

両者のメリット

会社の従業員からみると、確定給付年金は資産運用をすべて会社が行ってくれるため、特別な知識や経験が必要ありません。年金の給付額もあらかじめ決定されており、老後の生活設計にも役立つでしょう。一方、確定拠出年金は個人で年金口座を所有し、年金資産を管理するため、残高確認が簡単に行えます。勤続年数が3年以上になると受給権が確立し、年金額が減額されないのもメリットのひとつです。

会社側から両者をみると、確定給付年金は安定した企業年金制度として人材獲得に役立てられます。老後の資金調達が不安視されているなかで、従業員の老後まで考えた企業経営を行っている会社は、高い評価を得られるでしょう。一方、確定拠出年金では掛け金を最初に設定するため積み立て不足が生じません。厚生年金基金の様に破綻する可能性が低く、多くの企業が確定拠出年金を取り入れています。

 

両者のデメリット

確定給付年金は、将来の給付額を最初に決めるため、会社にとって負担の大きい制度です。そこで、業績の著しい悪化や運用の失敗による給付の減額が認められています。従業員自らが運用できない分、対策しにくいというデメリットがあります。会社側からみても、最初に設定した掛け金では積み立て不足となる可能性もあるため、将来の掛け金負担を常に考えながら経営を行わなければなりません。

確定拠出年金では、自ら銀行や生命保険会社などに指図をして資産運用を行います。知識や経験のない方が、リスクやリターンを考えながら資産運用を行うのは簡単ではありません。会社にとっては、確定拠出年金でも制度の運営は会社が担うため、一定の事務コストが発生します。また、従業員の将来の給付額を目減りさせないために、継続的な投資教育も必要です。

 

確定拠出年金の「企業型」と「個人型」の違い

企業年金のひとつである確定拠出年金には、「企業型」と「個人型」があります。とくに、個人型確定拠出年金は「iDeCo(イデコ)」と呼ばれ、近年注目の的です。以下では、iDeCoと企業型確定拠出年金の違いをご紹介します。

 

対象者の違い

企業型確定拠出年金は、会社に勤めている従業員が対象です。会社の退職金制度のなかに設けられた制度であり、導入の是非は会社が決定します。会社によっては、加入対象者が決められている場合や、加入するか選べるケースもあります。

一方で、iDeCoに加入するかどうかは、個人の意志です。会社に勤めていない個人事業主でも加入できます。一定の条件さえ満たしていれば、企業型拠出年金制度を設けている会社に勤めている方もiDeCoに加入可能です。

iDeCoの加入資格を満たしているかどうかは、ホームページで簡単に確認できます。

 

iDeCoは完全に自己責任

確定拠出年金制度は基本的に自己責任ですが、会社が加入する企業型確定拠出年金は、ほとんどの手続きを会社が負担してくれます。納付や金融機関の選択、運用商品の準備など面倒な手続きも責任をもって行うため、個人の負担はそれほど大きくありません。

一方、iDeCoでは上記のすべての手続きを自分で行います。どの金融機関で手続きをするかに始まり、掛け金の設定や運用商品の選択など、分からないことも多いでしょう。「iDeCoは税金対策になる!」といった言葉に惑わされず、事前にしっかりと勉強する必要があります。

 

転職時にはどうなる?

転職時には年金や保険の切り替えなど、さまざまな手続きが必要です。転職前の会社が企業型確定拠出年金に加入していた場合は、この手続きも完了させなければなりません。

転職先に企業型確定拠出年金制度がある場合、転職先の制度に加入します。年金資産の持ち運び(ポータビリティー)を行う必要があるため、転職先の担当部署へ問い合わせましょう。

転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合、iDeCoの口座を開設し、転職前の年金資産をiDeCoに移換するのがおすすめです。転職先が公務員の場合や、会社員から自営業者、専業主婦(夫)になる場合も同様です。

 

iDeCoに年金資産を移動しない場合、退職後6カ月で国民年金基金連合会へ自動的に移換されてしまいます。手数料の負担や資産運用できなくなってしまうなど、多くのデメリットがあるため、期限までにiDeCoへの移換を済ませましょう。

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